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「部品をどこかの店で買いたいが…」
一行は辺りを見渡しながら道を歩く。
「のどかだね」
「*○◎∴」
軒先の洗濯物、走り回る子供、玄関でうたた寝する猫、心地よい空気が流れている。だが、探しているような店は見当たらない。
ほどなく、生け垣に囲まれた、砂糖菓子のように真っ白な建物が姿を現した。
「教会かな、これは」
建物の回りは騒がしかった。中にも外にも、多くの人が集まっている。体格のいい女性が果物を運んでいる。日に焼けた男性が数人で机を並べている。皆が明るく喋りながら動き回っていた。
「+)♭︎♪︎」
「何だろう」
「お祭りの準備っぽいけど…」
そんな中、一人作業をしていない者がいた。入り口の近くに、若い娘が一人立ち、うつむき加減にうろうろとしている。
スペアは近づいていって、声をかけた。
「もしもし」
「…」
顔を上げた娘の顔を見て、スペアは一瞬口をつぐんだ。目は潤み鼻先の赤らんだ、今にも泣き出しそうな顔だったからだ。
「……少しお聞きしたいのですが、この辺りに金属や工具を売っている店はありませんか?」
「えっと……その……わ、わたし、わかんない、わかんないです。このへんにまだ、くわしくなくて………」
娘はぐすりと鼻を鳴らした。
「あの、何かお困りで……」
思わずスペアが問いかけたとき、その背後からわっと歓声が上がった。
「グゼだ!」
「花売りのグゼが来た!」




