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はぐれ三人  作者: agdpm0w
第七話 寿司屋閉店前
48/61

4 (裏)

「はぁ、はぁ…」

寿司屋だった男はしばらく道を走り続けた。

(あの黒い影…堕天使のやつだ間違いねえ…期限の朝はまだ来ていなかったのにどうして……)


海沿いの崖道にたどり着くころには、もうすっかり酔いもさめてふらふらになり、後ろを見たが、誰も追ってきてはいなかった。

足を止めかけたそのとき、海の向こうから朝日が上ってくる。その光が男の両腕を照らした。


「あ…」

黒い痣は、指の先まで広がっていた。


そのまま、男はばったりと倒れた。手の指が痙攣する。

死の間際、彼の脳裏に先程の子供の顔が浮かんだ。眠たげな二重の大きな目で、こちらを心配そうに見ていた。

(…あいつ、後ろにいた堕天使の野郎に気づいてなかったな……もう殺されちまっただろうな…最後にあんな子供見捨てて逃げちまうなんてな…)

(ごめんな、怖かったんだよ、分かってくれお嬢ちゃん……もう先に行ってるよな、あの世で詫びさせてくれ…)


そして意識は消えた。


崖下の波が、温い風に静かに揺られていた。

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