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1 (裏)
白い壁の家が並び、僅かに潮の香りがする。その店は海辺の街にあった。
青い暖簾のかかった引戸のそばに、年季の入った看板が掲げられている。
『寿司』
街に住むのは、大きな家を構え、景観のよさを満喫している裕福な者たち。この店は、そんな彼らを客とした、街で唯一の寿司屋であった。
「ありがとう。おいしかったよ。最後にここの料理が食えてよかった」
「喜んでもらえて何よりだよ。じゃあな」
その日、暗くなっている外へ最後の客が出ていくのを、寿司屋の男は一人見送っていた。
白い壁の家が並び、僅かに潮の香りがする。その店は海辺の街にあった。
青い暖簾のかかった引戸のそばに、年季の入った看板が掲げられている。
『寿司』
街に住むのは、大きな家を構え、景観のよさを満喫している裕福な者たち。この店は、そんな彼らを客とした、街で唯一の寿司屋であった。
「ありがとう。おいしかったよ。最後にここの料理が食えてよかった」
「喜んでもらえて何よりだよ。じゃあな」
その日、暗くなっている外へ最後の客が出ていくのを、寿司屋の男は一人見送っていた。