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はぐれ三人  作者: agdpm0w
第七話 寿司屋閉店前
41/61

1 (表)

白い壁の家が並び、僅かに潮の香りがする。三人は海沿いの街に入ったばかりだった。


「きれいな街だ。昼間は見晴らしもいいだろう」

眼鏡をずり上げて、周りを見渡しながらスペアが言う。

「結構高いところにあるから、海が見渡せるだろうね。お金持ちの家が多そう」

「@*」

ハイネと赤ん坊が応じた。

「にしては、えらく静かだが」

日が落ち、通りには街灯の明かりも人影もほとんどない。

「また街ごと幽霊だったりして」

「#×#$」

赤ん坊は首を横に振った。

「さすがに連続でってことはないか」

「なら、人通りが少ないのは単に夜だからだろうか。建物には明かりがあるな」


道を歩く三人は、ある建物の前に立てられた二つ折りの看板に目をとめた。

小さな置物のようなものが、たくさん並んで描かれている。どれも下半分は白いが、上半分は赤、橙、黄色など色とりどりだった。

「何だこれは」

「ん? これ寿司ってやつじゃん。この建物はお店みたいだし、売ってるんじゃない?」

ハイネが、建物の扉にかかった青い暖簾を見て言った。

「なるほど、商品か。しかし、寿司とは何だ? 随分可愛らしい見た目だが、おもちゃか?」

「あー寿司はね、食べ物だよ。一口大の握り飯に魚の切り身を乗せてあるとか」

「この白い部分は米だったのか。よく知っているな、ハイネ」

「まあ、わたしも食べたことはないけどさ。どっかの郷土料理らしいって聞い…」


言いかけた言葉は、看板の文字を見たことで止まった。

”××”

「なにこれ。見たことない文字なんですけど」

「店の中に人がいるようだが」

薄い扉の向こうから、声がしている。スペアは赤い巻き毛をかき上げて、聞き耳を立てた。


「×××××。×××××××。××××××××××××××××。」

「××××××××××××。××××」


「何を言っているか全く分からん」

「…もしかして、ここ、公用語が通じない地域なんじゃない?」

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