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出会って間もない頃
「ハイネは魔法が使えるのか」
「そうだよ。生きてたときは有り余る魔力でいろーんな魔法が使えたもんだ」
「嘘はつかなくていいからな」
「嘘じゃないけどね。こんなとこで見栄なんか張るかよ。今は使える魔法は一種類だけさ」
「一種類?」
「ほら」
「あ、私の帽子が…触れてもないのに、宙に」
「念動力…テレキネシス?とでもいうかね。ものに触れないから役に立つよ」
「帽子を返してくれ」
「驚きなよ少しは…」
「髪の生え際を隠しておきたいからな」
「薄毛に悩んでるの?」
「しかしルーツが真逆の我々が旅路を共にするというのは不思議なものだ」
「そうだな、科学の申し子のあんたと魔法使いのわたし…さらに天使ときた」
「○✕△!」
「この巡り合わせは偶然なのかね…」