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しかし何より目立つのは、首飾りだった。しゃれこうべの形に彫った石を繋いである。
「貴様、この街に害なすつもりで現れたな。この私がいる限り、そんなことはさせない、出ていけ」
スペアは彼から目をそらさずに問いかけた。
「知り合いか?ハイネ」
「¶●♪︎@◯Ψ」
「ううん」
ハイネは小声で返した。
「でもあんな首飾りするのは退魔師くらいだから…そういう職業の人だと思うけど…」
「言うことを聞かないなら!」
退魔師は苛ついた声を上げた。
「今すぐここで貴様を祓う」
「えー…」
「▲┼※†┘◆▽」
「…あの、誤解があるみたいで。おっしゃる通りわたしは霊だけど、悪霊じゃないし」
「他害はしないと?」
「♪︎§□♪︎§●〒」
「もちろん」
「\%♭︎&♭︎ΤαΕ◆」
「嘘をつけ。貴様ほど邪悪な魂の持ち主は見たことがない」
「……あ、そう」
場がしんとした。スペアは思わずハイネを見る。
ハイネは、こちらを見ることなく、暗い笑みを浮かべていた。吊り上がった口元は、ナイフで入れた切れ込みのように見えた。
「ねえ、見逃してよ。魂は邪悪でも、わたしなにもしないよ。それに、どのみちあんたにわたしは祓えない」
「◎┐◆Σ◇%㎏」
「何だと」
「バカにしてるんじゃないよ、上級退魔師の先生。わたしの魂はどうこうできるようなものじゃない」
空気が張り詰める。
そのときだった。
「†ζ■〒◆□」
赤ん坊が呟き終わると同時に、周りの風景も、退魔師の姿もぶよぶよと揺らぎ始め、溶けるようにひゅっと消えてなくなった。




