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「っていうのが、村に残っていた言い伝えらしいよ」
「……」
「♪︎?」
「この村は、だいぶ奥まったところにあるから来る人は少なかったけど、独自のお祭りと素朴な人たちのいる村、っていう評判だったみたいね」
「…言い伝えの中の『悪魔』とは、何のことなのだろう」
「昔のことだからもう分からないけど、学者の見解では、自然発生した有毒な気体…ガス?じゃないかっていわれてるんだって。閉め切った洞窟だしね、充満して…自然発生じゃなくて誰かの仕業だとか、ガスじゃなくて水の汚染だったみたいな説もあるらしい」
「♪︎!♪︎?」
「それから?」
「村の人たちは明るく楽しく暮らし続けていたんだけど、ある日、様子のおかしい人が出てきたんだ。また『悪魔』が現れたと思って、彼らは言い伝え通り、お祭りが悪魔を退治してくれると信じた」
「?…それも有毒ガスか?」
「ううん、感染症」
「…」
「全員で一生懸命歌い踊り続けて、そして、こんなことになってしまったというわけだ」
「……息のある人は?」
「いないよ。見つかったときにはもうだいぶ時間がたってて」
「…凄惨だな」
「ほんと。だれも近づきたがらなかったわけだね」
「♪…■」
「これだけの人数だと、村奥の墓地では収まりそうにない。少し広げるしかないか。血縁も分からないな、一人ずつ・・・」
「そうだねえ、がんばって。わたしらは別にやることがあるから」
「%+!」
「どういうことだ」
「さっきから音が聞こえるでしょ?」
「…言われてみれば、わずかに歌声や太鼓の音が」
「『わずかに』ってことは、スペアは全員の認識はできてないんだね。わたしはちょっとうるさいくらいに思うわ・・・あの辺で村の人達がお祭りをやってるのさ」
「それは・・・まだ自分たちに起こったことに気づかないでいると」
「うん。こうなっていると思ったから、この仕事引き受けたのよ。さあ天使様、みなさんを天国に導いて差し上げる準備はいいかな?」
「〇♪!」
「ちょっとノッてる? 明るい音楽だもんな。きっといい村だったんだろうね、ここは」




