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はぐれ三人  作者: agdpm0w
第四話 真冬の蝉
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1

 むかしむかし、このむらの人びとは、ひっそりとくらしていました。

 はるも、なつも、あきも、おとなしくおとなしく、すごしていました。

 ふゆになると、さむさをしのぐため、どうくつのいえにかたくとじこもって、ひときわしずかにしていました。

 そうしてじっと、すごしやすいはるをまつのでした。


 あるとしのふゆ、なん人かのわかものがいいました。

「ぼくたちは、このあいだまちにいったんだ。そこではおまつりがあって、たくさんの人がうたったりおどったり、がっきをえんそうしたりしていた」

「にぎやかで、みんながえがおだった。とってもしあわせそうだったよ」

「このむらはしずかすぎる。ふゆなんか、みんなくらいかおじゃないか。ぼくたちもおまつりをやろうよ。」

「そうだよ、むらをあかるくしようよ。きっとたのしいよ」

 いく人かがさんせいし、どうくつのそとでおまつりがはじまりました。木のえだでがっきをつくったり、大きなこえでうたったり、おもいおもいにおどりをおどったりしました。そのさわがしいことといったら、なつに大ごえでなきわめく、せみたちのようでした。

「なんだ、そうぞうしい。このさむいのにそとなんかにでて」

おおくのむら人は、いえのなかから、つめたい目でそれをみていました。


 おまつりはもりあがりました。かみさまにかんしゃするうたや、うつくしい花をたたえるうたなど、たくさんのおんがくがうまれました。あまりにたのしかったので、わかものたちはなんにちもおまつりをつづけました。

 そしてはるもちかづいたあるひ、どうくつのなかがあまりにもしんとしていることにきがつきました。

 とびらをこじあけてはいり、みんなはおどろきました。なかにいた人たちが、みんなしんでいます。どうくつにしのびこんだわるいあくまに、ころされてしまっていたのです。

 あくまは、おまつりをしていた人たちもころそうとしましたが、そのあかるくつよいたましいのちからにちかづけず、にげていったのでした。

 おまつりをしていた人たちは、おなじむらのなかまのしをふかくかなしみ、ていねいにおとむらいをしました。そして、じぶんたちをまもってくれたおまつりのちからにかんしゃしたのでした。


 いきのこったむら人たちは、ささえあって、むらをたてなおしました。

 かなしいときはうたいおどり、おまつりをひらいてのりこえました。

 そのちからは、むらのひとをたくさんのわるいことからまもってくれたのです。

 そしてこのむらはげんきになり、おまつりのすきな、あかるくにぎやかなむらにうまれかわったのでした。

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