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はぐれ三人  作者: agdpm0w
第三話 青紫陽花
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1

「紫陽花は土の成分で色が変わるんだよな」


 雨上がりの快晴、道端の植込みに咲く紫陽花を見ながらハイネが言った。


「*■△○」

「そうなのか」

「うん。同じ品種でも土壌によって赤になったり青になったりするらしい。色によって花言葉なんかも違うよ」

「知らなかったな」


 植込みの紫陽花は鮮やかな青色であった。花弁に残る透明な水滴が美しい。


「赤い花を咲かせたければ石灰なんかをまくんだってさ」

「ほう」

「#〒◎~!」


 赤ん坊が濡れた花に手を伸ばす。その指の先にあった一輪がみるみるうちに桃色に染まった。


「…天使様の奇跡の前ではそんな工夫も不要なんだな…」


 裕福な人間が暮らしているであろう屋敷の間を縫うように、白い石畳の道が続く。花壇があちこちにあり、紫陽花もその他の花も、瑞々しく咲き誇っている。

 今の三人がいるのはそんな街であった。


「あっちの紫陽花はもっと青いなあ」

「本当だな」


 彼女たちが歩みを進めようとしたときだった。


「お待ちください!」


 大声にスペアがまず振り向く。

 そこには鼠色の外套を着た、やつれて小柄な男が、すがるような目を向けて立っていた。


「お願いします、どうしてもあなた様にお頼み申し上げたいことがあるのです!」

「え?」

「娘のためなのです、お話を聞いてくださいませんか」

「…娘…?」

「えっ、なになに」


 割り込んだハイネの顔を見上げた男の視線が、巨大な眼とぶつかる。


「ギャアアア!」


 彼は絶叫して尻餅をついた。


「あっ…服濡れますよ、大丈夫?」

「も、申し訳ありません。失礼な態度を…」

 男ははいずるようにして立ち上がり、小声になって続けた。


「…お話だけでも聞いてください。私どもをお助けください、どうか、どうかお願いします…」

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