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出会って間もない頃2
「その細腕…というか、子供一人でよく旅できたな」
「ああ、危険な目にあったこともあるが、戦って切り抜けてきた」
「戦…どうやって?」
「私の体内には数多くの武器が隠されている。腕に銃、足にナイフ、指に針、その他諸々」
「え」
「さらに体術や腕力でも太刀打ちできるようになっている。ひとまずは問題なかった」
「……ふーん…」
「武器といっても、人を死なせる威力は持たないものが大半だが。不殺は博士のご意思だ」
「博士ってだれ?」
「私を作った方だ。それ以外のことはあまり分からないが…」
「へえ」
「私は博士の家で作られた。しかし完成して間もないある日、突然『きみは追われることになった。時間がない、僕が全部どうにかするから今すぐ逃げなさい。絶対捕まるな。戻ってくるな。何かあっても体に備えられた機能を使えばきっと生き延びることができる』と命じられ、このカプセルで脱出した。そして今に至る」
「えっ、博士はどうなったのさ」
「それから一度も会っていない。…何があったのだろう。もしもいつか会えたら教えてくださるだろうか」




