お母さんを労って
小百合さんの下着姿を見て、僕は興奮した。
興奮しすぎて僕はスムーズに小説を書いていたのに、小百合さんの下着姿が目に焼き付き小説どころじゃ無くなった。
と言う事で僕は両頬に両手でパチンと叩いて、気合いを入れ直した。
すると何とか小百合さんの魅惑的な下着姿に惑わされる事は無くなった。
とにかく書いて書いて書きまくってやる。
「純君もお風呂に入りなよ」
「分かった」
そう言って僕は小説を書くことを置いといて、お風呂場まで行って服を脱いで入ろうとしたら。僕はあらぬ事を考えてしまった。
小百合さんはこの湯船に裸で入ったことを想像してしまった。
そう思うと気が引けるな、だからシャワーだけ浴びようとしたら、俗室の外から声が聞こえてきた。
「純君入っているの?」
お母さんの声が聞こえてきた。
「私も入って良い?」
「ダメに決まっているじゃん。お風呂ぐらい一人で入りなよ」
「良いじゃない純君、お母さんの事嫌いになっちゃった?」
「そうじゃないよ。小百合さんもいるんだよ。恋人の前で恥ずかしい事させないでよ」
そうして俗室が開いて、素っ裸のお母さんが入ってきた。
「あーーーもういい加減にしてよ」
そこで小百合さんが、僕の大声で駆けつけたのか?来た。
「あれーまた純君お母さんとお風呂に入っているの?」
「お願いだからもうこんな事はやめてよ!!!」
僕は本当にやめてくれと大声で叫んだ。
するとお母さんは涙目になって僕に泣き落とししてきた。
「純君、お母さんの事、嫌いになっちゃった?」
「そう言う無神経なお母さんは嫌いだな」
「ううっ」
そう呻きながらお母さんは出て行った。
これで一安心と思ったが、お母さんにとって僕とお風呂に入ることは楽しいことなのかもしれない、だからお母さんにはかわいそうな事をしたような気がした。
それにお母さんは今日も徹夜で仕事をしているんだ。ここは僕が人肌脱ごうとして僕はお母さんを呼び止めた。
「お母さん。入って良いよ」
「えっ純君?」
お母さんは裸のままきょとんとしている。
「だから入って良いって言っているじゃん」
するとお母さんはパァーと表情を綻ばせて笑っていた。
渋々だがお母さんを悲しませたくないのでお風呂に一緒に入ることを許可した。
とにかくお母さんの背中を洗い流してあげた。
「やっぱり純君、お母さんの事好き?」
「好きだよ」
本心で言ってあげた。
「純君は私が徹夜だからって無理してお母さんに会わせたでしょ」
「そうだよ、いつもお母さんは徹夜してさらに剛君達のバスケのコーチをしてあげているのでしょ。だから・・・」
そこで小百合さんは、
「純君私も入って良いかな?」
「小百合さんはダメだよ。それにさっき入ったでしょ」
「恋人同士のスキンシップじゃない、別に良いでしょ」
そう言って小百合さんは素っ裸になって僕とお母さんが入っている湯船の中に入ってきた。
さすがに三人も入ると、お風呂は狭いよ。それに小百合さんの胸が僕の背中に当たっている。
小百合さんの裸に子供になったお母さんの裸が脳裏に焼き付き、頭に血が上って・・・。
★
あれ、ここどこだろう?
気がつけば辺りを見渡すと僕の部屋だと言うことは分かった。
そう言えば僕は小百合さんとお母さんの裸を見たところまでは覚えている。
体を起こそうとしても何かにつかまれて僕は起きることが出来なかった。
すると右には小百合さんが僕の右腕を抱きしめるようにしていた。
さらにお母さんが僕の左手を抱きしめるように、抱きついていた。
何だこの状態は。
そう言えばお母さんはこれから徹夜して翻訳の仕事をしなければいけないんじゃ無いかと思うと、時計は午前一時を示していた。
それに僕は布団にくるまりながらも、素っ裸のままだった。
当然二人はちゃんとネクリジェに着替えている。
僕は何でこのような状態になってしまったのだろう。
とにかくここから脱出しないといけないが、両腕はそれぞれ小百合さんとお母さんに牽制されている。
「ううっ」
と呻きながら片方ずつに小百合さんとお母さんが僕の腕を牽制している。
いったいどうすれば良いんだよ。
もう一度呻きながら二人から逃れようとしたが、どうやら二人は僕の事を離そうとはしない。
だから二人を起こすことにする。
「小百合さん、お母さん」
そう呼んで起こそうとしたが、二人は起きようともしなかった。
本当に二人は眠っているのだろうか、試したところ、二人の寝息が聞こえて来た。
もう諦めるしかないな、こうして眠っていられるのも子供だけの様だ。
★
僕が目覚めると、お母さんと小百合さんはもう僕の腕を掴んでいなかった。
時計の針を見てみると午前六時を示していた。
部屋の外から、お母さんがパソコンのキーボードを叩く音が聞こえて来た。
どうやらお母さんは仕事をしているみたいだ。
それに小百合さんは僕と並んで眠りに入っている。
僕は朝は弱いんだもんな。
これから小説を書こうと思ったが、まだ書く気にはなれなかった。
そうだ。これから土手まで走りに行こうと思った。
小百合さんもどうかと思って小百合さんを起こした。
「なあに、純君」
小百合さんも朝が弱いのか、涙目になりながら僕の目を見つめている。
「これから早朝にマラソンでもしない」
「別に良いけれど」
そう言う事で僕と小百合さんは土手まで走ることになった。
今は五月中旬、僕達は夏の様な日差しを浴びながら、走る事になった。
小百合さん、マラソンでも負けないよ。
そう心の中で呟きながらマラソンをしたのだった。
走っていると気持ちが良い。
この調子でいけば僕は帰ったら、すぐに小説が書けるようになれると思う。
とにかく走ろう。
小百合さんも僕に負けずとついてくる。
そうして土手まで辿り着いて僕と小百合さんはベンチに座って呼吸を整えた。
近くに水道があったので、そこで顔を洗った。
小百合さんも僕に続くように顔を洗うのだった。
「じゃあ、そろそろ戻りましょうか?」
と小百合さんはそう言って、帰りはゆっくりと駆け足をしながら走った。
僕の家に帰ると、お母さんは朝食を作って待っていた。
「お帰りなさい二人とも、こんな朝早くから走るなんてご苦労様です」
そう言って、僕と小百合さんに朝食を差し出した。
メニューを見てみると、ソーセージにサラダにトーストだった。
やっぱりお母さんの作る料理は世界一おいしいと思っている。
僕と小百合さんはご飯を食べ終わったら、すぐに互いに闘志を燃やし合い、小説を書くのだった。
本当に小説を書いていると、楽しい。
これほど楽しいことはないと思っている。
僕達は恋人同士でありライバル同士でもある。
そんな僕達は本当に凄い生き生きとしている。
★
小説を書いていると時間はすぐに過ぎてしまい、もうお昼の時間帯に入っていた。
僕は大きく息を吸い、今日もこんなに書いたぞ、と心で思い小百合さんの方を見てみると、たくさんの文章を書いた様だ。
僕達は小説家兼保父さんの夢を持っている。
「小百合さんの夢ってなあに?」
何となく聞いてみる。
「純君のお嫁さんになれたら良いなって思っている。それに小説家兼保母さんになろうと私は思っているんだけれどもね」
すると台所から何か香ばしい匂いがしてきた。
その匂いを辿って台所に行くと、お母さんはお好み焼きを作って待っていた。
「二人とも、お好み焼きは好きかな?」
小百合さんは、
「亜希子お母さんが作る物においしくないわけないと思いますけれどもね」
それはお世辞ではなく本心で言っているのが丸わかりだった。
「とにかくあなた達、テーブルに座って待っていなさい」
「「はーい」」
と返事をする僕達。




