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子供になったお母さん  作者: 柴田盟
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僕をからかっていいのは高岡さんだけってどういうこと?

 高岡さんの絵が一番を取り、僕の似顔絵は僕の顔が真っ赤っかになっている感じの絵だった。


「高橋君、顔が真っ赤っか、もしかして高橋君高岡さんの事が好きなんじゃないの?」


 とクラスメイトにからかわれてしまった。


「本当だ。真っ赤っかだ」


「高橋君嫌らしい」


 僕はクラスメイトにそんな事を言われて、泣きそうな気持ちをグッと堪えていた。


 何でみんなそんな事を言うのだろう。


 このままでは僕はクラスのいじめの的になってしまう。


 それだけは断固拒否しなければならない。そうしないと次の日から学校に行くのが億劫になってしまう。


「まあ、高橋君あまり気にしない方が良いよ」


 高岡さんはそう言っているが。


「誰のせいでこうなったと思っているの?」


「べ、別に私は高橋君の事をちゃんと描くことに集中しただけだよ。それでクラスで似顔絵が一番になってしまっただけだよ」


 三時間目、何かクラスで嫌な予感がしてきて落ち着かなかった。


 ちなみに三時間目の授業は算数であった。


 二桁の割り算を解くところで、こんな手紙が届いてきた。


『高橋君、高岡さんにラブラブ♡』


 僕は悲しかった。僕と高岡さんがラブラブなんてちょっかいを出されて泣きそうだった。でも泣くのはみっともないので涙をグッと堪えた。


 隣にいる高岡さんもその手紙を見て、授業中にも関わらず「誰よ、こんな手紙を書いたのは?」


 先生が「どうした高岡」


「あの、篠原先生、授業中にこんな手紙を高橋君に渡していました」


「誰だ?こんな手紙を書いたのは?」


 篠原先生は優しい先生なので、叱ることに反省を示す人はいないだろう。


 そして挙手したのが駒木根君というクラスのいじめっ子の生徒であった。彼にいじめの的にされてしまったらとんでもないことになってしまう。


「ほら、駒木根、授業中だろ。そんな事はやめろ」


 篠原先生は教科書を丸めて、軽く頭を叩くだけであった。


 やばい、駒木根にいじめの的にされてしまう。


 こうなったのもすべては高岡さんのせいじゃないか、何で僕がこんな目に合わなければならないの?


 授業が終わって十分休みの時間だった。


「おう、高橋、お前高岡の事が好きなんだろ」


 肩に腕を回してきて僕に言う。


「そんなんじゃないよ!」


 と駒木根にしっかりと誤解を解いておくように伝えて置いた。


「やめなさいよ駒木根君。高橋君が困っているじゃない」


「おお、高岡も高橋の事が好きなんだな。ヒューヒュー」


 それに便乗するようにクラスの人達は「「「「ヒューヒュー」」」」と言ってきた。


「あなた達、そんな事をして楽しいの?」


 するとクラスのみんなは黙り込んでしまった。


 さすがは委員長の高岡さん。その威厳は伊達じゃない。


「とにかく高橋君と私はそんな関係じゃないから」


 だが、クラスのみんなは駒木根に便乗するように、「「「「ヒューヒュー」」」」と声を上げている。


 それからだった。僕と高岡さんがクラスで二人、孤立してしまったのだった。


 そしてついに僕は我慢できずに涙を流してしまった。


「駒木根君ちょっとやり過ぎなんじゃない。高橋君泣いてしまったわよ」


「あー悪かったよ」


 本当に自分が情けなくなってしまう。これしきの事で泣いてしまうなんて。




 ★




 放課後、読書クラブであった。僕と高岡さんで図書館に借りに来る生徒を待っているのであった。


「ゴメンね。高橋君、あんな事になっちゃって」


「大丈夫だよ。とりあえず、誤解は解けたんだから」


「誤解って何?」


「えっ!?」


 今、何か高岡さんは意味深な事を言っていたような気がする。


「いやいや、何でもないよ。とにかく私が委員長として高橋君を守ってあげるからね」


 その言葉に僕の心は潤った。


 でも女の子である高岡さんに守って貰うほど僕は弱虫じゃない。


 とにかく駒木根の奴がまた何かしでかしたら僕は喧嘩してでも黙らせてやると思っている。


 僕は図書委員の仕事をしながら、恐竜の図鑑を見ている。


 高岡さんは芥川龍之介の蜘蛛の糸を見ている。


「高橋君って、そう言うの好きなんだ」


「うん、恐竜って大きくってかっこいいから」


「高橋君ってかわいい所あるんだね!」


「別にかわいくはないよ。恐竜が好きなだけでかわいい扱いはされたくないよ」


「何だろう。高橋君の事を見ているとからかいたくなっちゃうのよね」


「それってどういう意味?」


「そのままの意味だよ」


 さっきは僕の事をかばってくれたのに、高岡さん僕の事をからかいたくなるって言っていた。


 午後四時を回り図書委員の仕事も済んで、僕と高岡さんは本の整理をして一緒に帰ることになった。


「とにかく今日はゴメンね。高橋君をからかって良いのは私だけなのだから」


 何を言っているんだ高岡さんは、僕をいじめようとしているのか?


「何で高岡さんだけが僕の事をからかって良い対象になるの?」


 すると高岡さんは瞳を細めて、


「それは私が高橋君の事が・・・何でもない。それじゃ、私はこっちだから、また明日学校でね」


 僕はこれからも高岡さんにからかわれる事になってしまうのか?

 それにまたまた意味深な事を言ってきた。

 僕だからからかうってどういう意味なんだろう?


 家に帰ると、お母さんが、


「純君遅かったね。今日は何をしていたの?」


「図書委員の仕事をしていたんだよ。それで遅くなっちゃって」


 するとお母さんは僕のほっぺにキスをしてきた。


「何をするんだよ、お母さん」


「何をするって、これはお母さんと純君だけが出来る唯一のスキンシップだよ」


「そんなスキンシップいらないよ」


「とにかく今日はカレーライスだから一緒に食べましょう」


 玄関の奥に入っていくとカレーの匂いがした。


 お母さんのカレーっておいしいだよね。とにかく今日は本当に嫌な事ばかりでかなり精神的にも肉体的にも疲れて来てしまった。


 体型が子供になってしまった。お母さんは台所に立つお母さんに違和感を覚えてしまう。お母さんはどうしてあんな体型になってしまったのだろう。

 こんな事が周りの近所にばれてしまったら大変な事になってしまう。




 ★




 次の日、昨日はいじめられて僕はあまり眠ることさえ出来ずに、おまけに風邪まで引いてしまった。


 お母さんに体温計を渡されて体温を測ってみると。七度五分の熱があった。


「純君、今日はお休みしましょう。学校にはお母さんから言っておくから」


「うん」


 お母さんはリビングで翻訳の仕事をしている。


 僕は自分の部屋で眠っていた。


 何か落ち着かずに僕は眠れなかった。


 そんな時にお母さんは部屋に来て、


「純君、調子はどう?」


「何か落ち着かない」


「だったらリビングにいなさいよ。それだったらお母さんも一緒にいられるから」


 そうだ。僕は一人で寂しかったんだよな。今日は学校休んじゃったけれど、今日しっかりと休んで行こうと思う。


 そしてお母さんに言われた通り、リビングに行ってソファーにお母さんは布団を敷いてくれてそこで眠ることになった。


 パソコンを叩くお母さんの仕事の音がする。


 何かお母さんが一緒だと、無性に眠くなってきた。


 頭がちょっと痛いな。するとお母さんはそんな僕を察したのか?アイスノンを持って、枕元に置いてくれた。


 ああ、凄く気持ちが良い。


 風邪もちゃんと治ってきているような気がしてきた。


「じゃあ、お母さん仕事一区切り終わったから、お使いに行ってくるけれど、何か食べたいものはある?」


「プリンが食べたい」


 するとお母さんは僕の所に来て僕のおでこをお母さんのおでこに当てて、「熱も下がってきたみたいね。じゃあ、お母さん買い物に行ってくるから、それまで良い子にして待っているのよ」


 そう言ってお母さんは買い物に出かけて言ってしまった。


 やっぱり一人は寂しいなとしみじみ思っていると、外からチャイムの音がした。


 どうやら体のだるさもない。これなら今来たお客さんに会うことが出来る。


「はーい」


 と言って出てみると、高岡さんが僕の家にやってきた。


「高橋君、委員長として高橋君のお見舞いと今日配られたプリントを持ってきたよ」


「ああ、そう!」


 何かまずい事になってしまった。お母さんが買い物に行っていて良かったと思った。


 そんな時である。


「ただいまー」


 とお母さんが帰ってきた。


 これは非常にまずい状況になってきたぞ。


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