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子供になったお母さん  作者: 柴田盟
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からかい上手の高岡さん

今回は私の大好きな漫画のからかい上手の高木さんをまねて小説を投稿しました。楽しんでくれたら幸いです。

 今日学校に行く前にお母さんにほっぺにキスをされてしまった。


 こんな所同級生に見られたら何を言われるか分からない。


 とにかく学校に行こう、学校に行くと、隣の席の高岡小百合さんは僕にちょっかいを出してくる。


 それは授業中の事だった。


 高岡さんは筆箱が開かないからと言って僕に助けを求めてきた。


「ねえ、高橋君、私の筆箱が開かなくなちゃった。ちょっと開けてくれないかな?」


「うん」


 そう言って筆箱を開けると、急に筆箱から何かが飛び出してきた。


 僕は驚いて「うわっ!」と思わず大声を出してしまった。


「どうした、高橋!?」


 先生に注目されて、


「いや別に」


 すると高岡さんは「プククククク」と笑っていた。


「本当に高橋君は良い反応をするわね。凄くからかいがいがあるよ」


 僕はこの委員長の高岡さんが苦手だった。何でこんな人が委員長をしているのか、不思議に思ってしまった。


 とにかく高岡さんとは授業中はあまり話さない方が良いかもしれない。


 ★


 五時間目の今日最後の授業、教科書をめくると手紙が入っていた。


 何だこれは、もしかして誰かのラブレター?それとも誰かが僕にいたずらでもしているのかと思って教科書に挟まってあったラブレターを誰にも見られないようにすぐに隠した。


「何、高橋君、そんなにそわそわしちゃって」


「そ、そわそわ何てしていないよ」


 実際の所、僕は高岡さんの言うとおりそわそわしている。


 誰かからのいたずらだろう。


「ねえ、高橋君、その手紙私のだから」


「ええっ!」


 授業中に大声を出した物だから、先生からチョークが僕の頭にヒットした。


「高橋、お前うるさすぎなんだよ」


「すいません」


「クククククックッ」


 と笑っている高岡さん。


「本当に誰のせいだと思っているんだよ」


「とにかくさあ、その私からの手紙を読んでくれないかな?」


 仕方がない、読んでみるか。


 手紙を開けて読んでみると、内容はこうだった。



『今日一緒に帰ろう   

      

         高岡より』



「こんなの普通に言えば良いじゃないか」


「今、女の子の間で手紙を渡すのが流行っているんだよ」


 本当にこの高岡さんは僕にとって苦手な存在だ。


 そういう事で五時間目の国語の授業は終わり、ホームルームが始まった。


 そして僕と高岡さんは一緒に帰ることになった。


 僕はこの高岡さんが苦手だが、何か憎めない存在でもあった。


 それは分からないが、高岡さんは茶色い長い髪に目がくりっと大きく、顔立ちも整っていてとてもかわいらしく、いつも来ているワンピースは凄く似合っている。


「高橋君、今日の宿題高橋君の家でやらない?」


「ええっ!」


 それはまずいぞ。お母さんを見られたら高岡さんは何を思うのか分かった物じゃない。とにかくお母さんが子供になってしまった事を高岡さんに知られてしまったら何かやばいことになりそうである。


「宿題は、図書館でやろうよ」


「そうね。図書館でやるか」


 学校から帰って家に戻り図書館に行くこととなってしまった。


 宿題は算数の分数の足し算引き算の問題である。


 そんな時喉が渇いてきた。


 自動販売機でジュースを飲もうと思って自動販売機を見てみると、暖かいお汁粉と、何かまずそうな飲み物しか残っていなかった。


 仕方がない。まずそうだけど喉が渇いているので、このまずそうなジュースを飲むしかないな。


 そう言ってまずそうなジュースを買うことになった。


 飲んでみると中々おいしい物だった。


「ねえ、高橋君そのジュースおいしい?」


「あまりおいしくないよ。とにかく高岡さんも飲んでみる?」


 高岡さん僕が飲んだそのジュースを飲む事は出来まい。そうなったら高岡さんと僕とで間接キスになってしまうのだから。


 高岡さんは僕のまずいジュースを受け取って間接キスにも関わらず、ジュースを飲み込むのであった。


 何だ。この人は、僕の間接キスなのに全然動じない何て。


「本当にまずいジュースだったね」


 そう言って高岡さんは僕が渡したジュースを返してくれた。


 僕が高岡さんが口をつけたジュースを飲もうとすると、高岡さんは。


「これって間接キスだよね!」


 嫌らしい目つきで僕に問いかけてくる。


 僕は恥ずかしくなって、返してくれたジュースを落としてしまった。


「もう何をやっているのよ。そんなに私との間接キスが恥ずかしい」


 畜生、見てろよ高岡さん。いつか本当にぎゃふんと言わせてやるんだからな。


 そして帰り道、互いの帰るところの分岐点に差し掛かり、僕と高岡さんはわかれる事となった。


「じゃあ、私はこっちだから、高橋君はあっちでしょ。とりあえず一緒に宿題をするんだから一度帰って、図書館に三時半に集合ね」


 僕が一度帰るとお母さんは待っていた。


「お帰り純君」


「ただいま、お母さん」


「何暗い顔をしているの?何かあったの?」


「別に何もないよ。これから友達と図書館で宿題をしに行くから」


「そう。じゃあ、頑張ってね」


 そう言ってお母さんは僕のほっぺにキスをした。


「だから、そう言う事はやめてよお母さん。クラスの人に見られたら何を思われるか」


 そうだ。この事を高岡さんに見られでもしたら、大変な事になってしまう。


「別に良いでしょ。純君とのお母さんとの素敵なスキンシップなんだから」


「そんなスキンシップいらないよ」


 それはさておき、今日こそは高岡さんにぎゃふんと言わせてやる物はないかと思って見てみると、僕の部屋にオオムカデのゴムの人形が置いてあった。そうだ。このオオムカデの人形を高岡さんに見せればぎゃふんと言わせる事が出来る。


 見てろよ高岡さん。



 ★



 三時半に到着して、高岡さんは白いワンピース姿で現れて僕は内心ドキッとした。


「じゃあ、高岡さん、宿題をしようよ」


「何?高橋君?何か顔が赤いよ。私のこのお気に入りのワンピを見て、ドキッとしたんじゃないかしら」


「何を自惚れているの、僕はそんなワンピ見たからって内心ドキッと何てしないよ」


「フーン、内心ドキッとしたんだ」


 しまった自分で墓穴を掘ってしまった。


「と、とにかく、宿題を済ませちゃおうよ」


「それもそうだね」


 宿題は分数の足し算引き算だった。それを難なくこなして宿題はすぐに終わってしまった。

「じゃあ、高橋君私ちょっと喉が渇いてしまったから、水を飲んでくるね」


 そう言って高岡さんは席を立って僕の前からいなくなった。でも時間が経てば戻ってくるだろう。


 そうだ。このオオムカデのゴムの人形を高岡さんの教科書に挟んで置いておけば、良いんだ。もし高岡さんが戻って来て教科書を開けば、びっくりするだろうな。


 何て僕はさえているんだ。とにかく高岡さんをぎゃふんと言わせるチャンスだ。


 僕は眠っているふりをして、高岡さんを待った。


 高岡さんが悲鳴を上げるのを待っているのだ。


 見てろよ高岡さん、絶対に僕をいつもからかっている仕返しだと思え。


 僕は机に頭を伏せて待っている。


 そろそろ時間になって戻ってくるはずなんだけれども、戻ってこない。


 どうしてしまったのだろう。


 まさか高岡さんに何かあったのだろうか。


 僕が起き上がると、高岡さんはニコッと笑って正面にいた。


「ねえ、高橋君頭に何かついているよ」


 頭に何かついている?


 頭をさわってみると、そこにはオオムカデがいた。


「ぎゃあああああああああ!」


 図書館は静かにって言う言葉も忘れて、叫んでしまい。職員に「君、図書館は静かにしなさい」と注意をされてしまった。


 そのオオムカデをよく見ると、僕が家から持ち出した。オオムカデのゴムのおもちゃだった。


「プククククク。本当に良い反応をするね、高橋君は」


 どうやら僕の作戦は失敗に終わってしまったみたいだ。


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