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子供になったお母さん  作者: 柴田盟
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燃えるようなときめきに出会えたら

 僕と小百合さんは学校の体育の授業でポートボールをしていた。


 僕と小百合さんは同じチームであった。


 ポートボールを学校のクラスのみんなとしていると、剛君達とは違い動きに無駄があり、僕達はすぐにボールを先取して、すぐにボールを味方側の人に手渡して一点。


 僕と小百合さんはハイタッチをして、喜びを分かち合った。


「純君、これもあの子達のおかげね」


「そうだね」


 今日も学校が終わったらあの施設の子供達と会いに行く約束をしている。


 ポートボールの試合では僕達が圧勝だった。


 でもみんな僕達の活躍を見て憤って居る感じだった。


 何か調子に乗っているだとか、僕と小百合さんはクラスになじめず孤立状態であった。


 でも僕達にはあの施設の子供達が居る。


 こんなくだらない学校なんてさっさと終わらせて、早く帰りたいと思っている。


 ちなみに小百合さんは委員長だが、孤立しているために何すべきことをなしては居なかった。


 とにかく早く学校が終わらないかと思って、居ると、本当に嫌な時間と言う物は長く感じてしまう。


 以前僕はいじめられっ子だったが、駒木根を泣かして半殺しにしてやったことにクラスのみんなは僕の事を恐れて距離を置いている状態だった。


 ちなみにお母さんにはたまに少林寺拳法の技を教えて貰っている。それにお母さんはもし余裕が出来たら、僕を少林寺拳法に入れるつもりらしい。ついでにお母さんも改めて習うみたいだ。


 そしてつまらない学校が終わった。


 小百合さんと僕が住んでいる集合住宅に到着すると、小百合さんはランドセルを置いたら僕の家にやってくると言っている。


 そして僕も家に帰るのであった。


 僕が玄関の扉を開くとお母さんが僕の所に寄ってきて、「純君お帰り」と言っていつものように僕のホッペにキスをするのだった。


 今朝もやられた事にそれをまた小百合さんに見られてしまった。


 でも小百合さんはいつもの事だと思って、今日はからかってこなかった。


 それよりも小百合さんまだかな?


 早く施設の子供達と会いたいと思っている。


 ちなみにお母さんも来ることになっている。


 お母さんは僕が寝ている間に仕事を終えて、僕が学校に行っている間に眠っているようだ。お母さんもあの子達を気に入ったみたいだ。


 そして小百合さんはすぐにやってきて僕は小百合さんと二人乗りをして、お母さんはママチャリに乗って、いつも河川敷のグラウンドで施設の子供達が遊んでいる所まで向かっていった。


 到着すると施設の子供達はバスケットボールで遊んでいた。


「おーい!」


 と僕が叫ぶと、みんなこぞって僕達の所にやってくる。


「みんな、今日も来たよ」


「それじゃあ、早速亜希子お姉ちゃん。今日もバスケの練習に付き合ってよ」


「良いわよ。剛君ずいぶんと私の事を待っていたみたいだね」


「もちろんさ。僕はいずれ、Bリーグに立つことを夢見ているだけだから」


「Bリーグに立ちたいなら、この亜希子お姉ちゃんを超えてから行きなさい」


「頑張ります主将」


 剛君がオフェンスで、亜希子お母さんがデフェンスに回った。


 だが、亜希子お姉ちゃんには敵わずに、すんなりとボールを奪われてしまった。。


「だからいつも言っているでしょ、ボールに気を取られてボールを意識しちゃダメって、とにかくデフェンスもオフェンスも相手の目線を見るのよ」


「分かりました主将」


 剛君はお母さんの事を主将と呼んでいる。


 本当にお母さんは人気者だな。


「純君、奴の事はほおって置いて、私と凛と麻美ちゃんと小百合さんでバスケをしましょう」


 明が言うので僕と凛ちゃんと明と小百合さんと麻美ちゃんで、バスケットを楽しんだ。


 でも隣のコートでは死闘が繰り広げられて居るような威圧感があったし、それにBリーグを目指す、剛君は輝いて見えた。


「純君、何、よそ見をしているの?」


 明に言われて僕は言った。


「明は、学校の先生になりたいんだよね」


「以前も同じ事を言ったわね。だから言ったでしょ。純君も私もまだ十歳でしょ。これから出会う色々な人達に出会えれば、燃えるようなときめきに出会えるから安心しなさい」


「燃えるようなときめきか?」


「そう、燃えるようなときめきで夢を見つけ出す事が出来るかもしれないじゃない。だから私達と出会って何か変化があるかもよ」


 変化があるかあ。


「明、僕にバスケを教えて、もしかしたら剛君と同じようなBリーグに行くような夢を持てるような気がする」


「ふふっその調子よ」


 そんな事を言いながら僕と小百合さんは明と凛ちゃんと麻美でバスケットをした。


 僕は五人とバスケをして、とてもBリーグに行くような気持ちにはなれなかった。それは僕がバスケが下手だからだ。


 剛君達はお母さんに熱く指導を受けている。


 僕はちょっと疲れてしまったので河川敷の流れる川の向こうの隣町を傍観した。


 見てみると凄い壮大な景色であった。


「純君、何黄昏れているの?」


「あっ小百合さん」


「何考えていたの?もしかして明ちゃんに夢の事を言われて考えていたんでしょ」


「まあ、確かに」


 チラリと横で剛君達にお母さんが教えているバスケを見ていると、凄く輝いて見えた。


「あっ君もBリーグの夢を見て頑張っているのかな?」


 そんな剛君と負けずにバスケに勤しんでいるあっ君を見つめて思う。


「さあ、あっ君の事は聞いてないから分からないけれど、二人とも必死ね」


 以前お母さんもバスケの選手になりたいと思っていたが、勝負の世界はそんなに甘くないことを知ってやめた訳なんだよな。それで今は翻訳家の仕事をしている。


 そんなお母さんも翻訳家の仕事をしているときは本当に輝いて見えた。


 それに僕には夢が無い。


 僕はどんな大人になれば良いんだろう?


「ねえ、純君、バスケを明ちゃん達ともっと練習しましょう」


 そう言って小百合さんは明の元へと走って行った。


 僕もそれに続くように走って行った。


 明は言っていた。夢を見つけたいなら色々な人達と出会いなって、そうすれば燃えるようなときめきが待っていると言われた。


 燃えるようなときめきに出会えたなら、夢は見つかるのだろうか?そうしたら剛君や明みたいに輝いて見えるのだろうか?


 そうだ。僕は夢を持ちたい。夢を持ち僕も輝きたい。


 そう思いながら僕は今、明や凛ちゃんと麻美ちゃんと小百合さんとバスケをしている。


 そうして三人とバスケをしながら考えていると、何か見えてきた気がした。


 それは定かではないが、みんなとこうして遊んで勉強してふれ合いながら夢を見つけて行ったら良いんじゃないかと思った。


 そうだ。今こうして楽しんで行く事が大事だと思っている。


 そうすればみんなが持っているような夢に出会えるかもしれない。


 そして今日という日が終わろうとして、空には夕日がかかり、五時を告げる放送が流れていた。


「そろそろ、お別れね」


「主将明日もご教授をお願いします」


「ふむ、任されよう」


 そこで僕はあっ君に、


「あっ君はどんな夢を持っているの?」


「俺の夢は体育の先生になることかな?」


「そうなんだ」


 だからあっ君は輝いて見えたんだな。


「じゃあ、みんな明日またこのコートにいるから、またみんなと遊びましょう」


「うん。分かった。じゃあ、また明日」


 そうしてみんなに手を振られて、僕達も手を振って別れたのだった。


 僕にも夢が見つけられそうで何か心が高揚していた。


「小百合さんの夢って何なの?」


 僕は何となく聞いてみた。


「純君は夢に拘り過ぎだよ。とにかく夢は私には無いかな。でもいつか見えてくるような気がしてきた」


「そう。それは良かった」


 そうして僕達は集合住宅地に戻って行ったのだった。


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