どんな人も神の子
私は独りぼっちになり、ユーネットワークから純君と小百合ちゃんを探しに行くことになった。
そんな時私に危機が迫っている。
スナイパーに狙われているのだ。
銃弾を発砲してきたが、私の少林寺で得た教訓を生かして奴に忍び寄ろうとしている。
スナイパーに近づくにつれて、凄く怖いが純君と小百合ちゃんの手がかりを探すために私は行く。
スナイパーが銃弾を突きつけて来た。
鋭い殺気が感じる。
そんな時だった。
「亜希子お母さん、危ない」
そう言って身をていしてまで、私に抱きつくように吹っ飛ばして回避する事が出来た。
そしてその銃弾は私を外すことに成功した。
誰が私の事を助けてくれたのか?見てみると光さんだった。
「光さん、どうして?」
「豊川先生から聞いているわ。どうやらあなたは狙われているみたいだから、様子を見に来たのよ。何?この有様は?一人でユーネットワークに立ち向かおうなんて無謀にも程があるよ」
「光さん、あなたまで狙われる事になるのよ。あなたがいなくなったら施設の剛君達はどうなるのよ」
「亜希子お母さん、私の事を甘く見てはいけないよ」
「そんな会話をしている場合じゃないわ」
スナイパーの殺気が近づくにつれて強まっている。
またまたスナイパーは発砲をしてきたが、私と光さんはその玉をよけることに成功した。
「油断は大敵よ光さん。でもありがとう」
「お礼が言いたいのは私の方よ」
「お礼って言っても私はあなたに何もしたことないよ」
パンッと銃声の音が聞こえて、どうやらスナイパーの所に近づいてきているのかもしれない。
その玉を私と光さんはよける事に成功した。
明らかにスナイパーは焦り始めているのが分かる。
どうやら私達がスナイパーに近づいてきているのが分かったようだ。
これはチャンスかもしれない。
スナイパーを仕留めれば純君と小百合ちゃんの手がかりが見つかるかもしれない。
私と光さんは慎重にスナイパーの元へと近づいている。
スナイパーの居場所はあの河川敷の脇にある大きなマンションだ。
またスナイパーはキラリと銃口を向けて私を撃とうとしている。
でも私には気配を見る力がある。
そうして私と光さんは徐々にスナイパーの元へと近づいていく。
近づいて行くうちに、スナイパーも自分が見つかった事に気がついたのか、発砲の回数が増えてきた。
パンッと音がして、私はよける事に成功したが、危うく当たる所だった。
そうしてスナイパーは私に殺気が感じられなくなってきた。
そこで分かったが、スナイパーは私よりも私の仲間である光さんを狙っていることが分かった。
「光さん、下がって、どうやらスナイパーは私の仲間である光さんを狙っている。奴らは言っていた。私の仲間を殺して、私を苦しめようとしているのを」
「私の事は大丈夫よ。そんなにヤワな人間じゃないよ。それに私は亜希子お母さんに借りがあるからね」
「借りって何よ。光さんが殺されてしまったら、奴らの思うつぼよ、奴らは私の仲間を殺して私が苦しむのを楽しんでいるんだから」
「とにかく亜希子お母さんには命をかけても良いから私の力を使って貰いたいと私は思っている」
光さんがそこまで言うなら仕方がない。力になって貰おうと私は思った。それに光さんもただ者ではない。さすがは剛君達を養うだけの力はあるって事なのかもしれない。
そう言いながら、スナイパーの元へと私と光さんは行った。
スナイパーがいるマンションに辿り着く事が出来た。
だがスナイパーはどこにいるのか分からない。
スナイパーの殺意を感じるんだ。
スナイパーの殺意を感じていると、スナイパーは私達に見つかって逃げようとしている。
そうはさせない、スナイパーには聞きたい事がたくさんあるんだ。
そうしてスナイパーを探す事にした。
スナイパーはこの建物のどこかにいると思った。
早く見つけ出さなければならないと私は思った。
そうしないと純君と小百合ちゃんの手がかりが見つからないからだ。
この建物は広い。広すぎて、スナイパーがどこにいるのか分からない。
「亜希子お母さん、スナイパーを探すために手分けして探しましょう」
「じゃあ、お願いするわ、光さん」
私と光さんは別行動になり、スナイパーを探す事に専念した。
私と光さんには分かる、スナイパーは逃げようとしている。
スナイパーは銃の腕前は一流だが、肉弾戦的には三流以下だと言う事が分かった。
スナイパーの気配を感じるんだ。そうすれば純君と小百合ちゃんの手がかりが得られるかもしれない。
そんな時である、光さんの声が聞こえた。
「あなたが私達に発砲してきた者ね」
どうやら光さんはスナイパーを見つけ出す事に成功したみたいだ。
私は光さんの声を辿って行くと、スナイパーは黒服にサングラスをかけた人だった。
光さんもただ者ではない、スナイパーに卍固めをしている。
「くそっ、離しやがれ!」
スナイパーは光さんに押さえつけられて動けない状態になっている。
私はスナイパーの方に向かって、豊川先生に貸して貰った拳銃を頭に突きつける。
「さあ、話して貰うわよ。純君と小百合ちゃんはどこにいるの?それに私達を狙ったのは誰!?」
「くそっ!もはやここまでか・・・」
そう言ってスナイパーは舌をかみ切ろうとしていた。
私にはこいつに聞きたいことがたくさんある。
そう思ってに舌をかみ切らないように片手で両頬を掴んだ。
するとスナイパーは舌をかみ切ることは出来ない。
ユーネットワークで失敗した者は殺される事を私はよく知っている。
だからこいつを死なせる訳にはいかない。
「あなたの命は私が保証するから、知ってる事を話なさい」
「はなへ」
スナイパーは離せと言っているのか私が両頬を掴む手を離すと男はまた舌を切ろうとしている。
でも私は諦めない、こいつには聞きたいことがたくさんある。
このスナイパーに死なれてしまっては私と光さんが命をかけてまで、このスナイパーを捕まえた事がパーになってしまう。
こいつは任務に失敗して舌をかみ切って死のうと本気で思っている。
こんな奴が死んでもかまわないと思っているが、もうこいつには聞くことが出来ないと諦めて、こいつの両頬を掴む手を離した。
するとそのスナイパーは舌をかみ切り、悶えてしまい、死んでしまった。
どうしてそんなに命を粗末にする事が出来るのだろう。
こいつはただユーネットワークに操られていただけなのにどうして・・・。
そう思うと悲しくなってきた。
「光さん、行きましょう。もうこいつに話す事は出来なくなってしまった」
光さんは悲しそうに、舌を切ったスナイパーに手を両手で掴みお祈りをしている様子だった。
「光さん!?」
「亜希子お母さん、この人も神の子なのよ。私達の命を弄ぶような輩でも、この人にも神様から貰った命があるのよ」
光さんは悲しんでいる。確かにこの人にも光さんと私と同じ人間だ。
この私達を狙った最低なスナイパーでも光さんは神の子だと言っている。
とにかく私達はユーネットワークに囚われた純君と小百合ちゃんを一刻も早く見つけ出さなければいけないと思っている。
ユーネットワーク人間は光さんの様に人は神の子だとは思っていないだろう。
人間の命などただの道具にしか思っていないに違いがない。
そうしてスナイパーが死ぬと、私達を包み込んでいた殺気が無くなった。
人間は神の子かあ、私はそんな事を言う光さんが素敵な女性だと感じてしまった。
まさに現代に生きるマザーテレサの様な存在だと思った。
それはそれで良いとして、また振り出しに戻ってしまった。