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第五十二話 考えるネリア(ネリア視点)

ブックマークをありがとうございます。


今回は、ネリアちゃん視点で、ちょいとダークよりかも?


それでは、どうぞ!

 剣姫、いや、もしかしたら、剣姫とはまた違う、異質な能力を得た私は、その能力を行使するために、着実に準備を進めていた。ただし……。



「……ここは……?」



 なぜか、目が覚めると見覚えのない場所に居て、鎖で繋がれているなんていう状況になっていた。



「アルマさん、アルスさん」



 そっと、いつもいつも様々なことを教えてくれる二人の名前を呼ぶものの、その姿はどこにもない。



「ハルクさん、ミエラさん」



 護衛としてつけてもらった二人の名前も同じく呼んでみるが、やはり、反応はない。

 その場所は、別に牢屋のような場所ではなく、貴族の私室であってもおかしくはない部屋の広さだった。置いてあるものといえば、大きなベッドに、毛足の長い絨毯くらいのものではあるが、これにいくらか上等な家具を揃えれば、立派な貴族の私室だ。



「……どう、しよう……」



 いずれは、城から出ることは予定していた。ただ、よもやこんな形で出ることになるとは思っていなかった。恐らくこれは、世に言う……。



「誘拐?」



 誘拐という言葉そのものは、ちゃんと知っている。ただ、自分がその対象になり得るとは思ってもみなかったし、今でも信じられないだけで、一応は公爵令嬢であった私は、誘拐された時の対処法も教えてもらっている。



「……誘拐されたら、速やかに自害せよ、だっけ?」



 誘拐された令嬢には何の価値もなくなる。それどころか、誘拐された途端、それは周囲にとんでもない迷惑を与えてしまうという教育を受けていた私は、しばらく悩んで、一つうなずく。



「役目はあるけど、ゼス様のためなら、死ぬのも良いのかもしれない」



 このまま生きていることが迷惑になるのであれば、私はさっさと死ななければならない。幸い、私には特殊な能力が備わったばかりで、それを使いさえすれば、自死も可能だと知っている。



「あ、そうだ。もう一つ、教えてもらってたんだった」



 能力を発動させようとしたところで、私は、もう一つ、大切なことを思い出す。その内容ももちろん、誘拐された時の対処法の一つだ。



「誘拐された時は、できる限り誘拐犯に迷惑をかけてから死ななきゃいけない、だっけ?」



 それを思い出して、私はもう一度考える。今まで、迷惑をかけるなと言われることはあれど、迷惑をかけなければならないなんていう事態に陥ったことはない。そのため、どのくらいのことをすれば、誘拐犯に迷惑をかけられるのかが分からなかった。



「……多分……」



 『この場所を破壊したら迷惑、かも?』と、小さく呟いて、私は、早速それを実行に移すべく、能力を発動させた。

……誘拐された時の対処法、絶対に間違っていますけど、ネリアちゃんにはそこら辺の正しい常識がないわけで……。


よしっ、オチ国、何がなんでも滅ぼそう!


それでは、また!

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