第四十二話 調べるゼス(ゼス視点)
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最近忙しいですが、できるだけ頑張って更新しますっ。
それでは、どうぞ!
王家の影でもなんでも、使えるものは全て使って、ネリアさんに会いたい。ただそれだけの想いで、俺は番を錯覚させる何らかの方法を調べ続けた。そして……。
「……プリムレインを大量に仕入れているのが、あの半身達の実家が属する派閥の頂点、か……」
ルキウスとジェスの半身達は、それぞれアルモニア家とべゼフ家という別々の家の出身だ。そして、その家はどちらも同じ派閥に属しており、派閥のトップの家にプリムレインが大量に仕入れられているという情報が得られた。しかも……。
「あの近衛を誘惑した女も、同じ派閥に属する貴族家出身だったようだな」
「はい、そのようですね」
これはいよいよ、派閥のトップにある家、シシエラ家が怪しいという話になってきた。
「プリムレインには、僅かだが、幻覚作用が確認されているとなると、それをどうにか作用させて、番を錯覚させたかもしれないということにもなってくる、か……」
「……ルキウス殿下とジェス殿下はご無事でしょうか?」
「……さすがに、殺されることはないだろうが、それ以外なら、どんなことでもあり得そうだな」
アルスと話しをまとめ、残るは、証拠固めと二人の居場所の特定のみとなった。しかし、どんなに捜しても、ルキウスとジェスの居場所は分からない。
「……ひとまず、アルモニア家の方に連絡を取るとしよう」
「畏まりました」
アルモニア家は、シシエラ家と同じ中立派に属する家だ。
一年前までは、第一王子派が最も大きな勢力であり、中立派が第二の勢力。第二王子派、第三王子派、第四王子派は、それぞれ拮抗した勢力となっていた。ただ、俺の番が見つからないことから、徐々に派閥の勢力図は変化して、第二王子派と第三王子派が有力になり、中立派がその次、第四王子派がその後に続き、第一王子派は……ネリアさんを見つける半年前には、ほぼ解散していた。
「後は、シシエラ家がどこを支持する派閥なのか、影に調べさせておいてくれ」
「はい」
当然、俺もシシエラ家がどこを支持しているのかの確認をしておくつもりではある。しかし、今は情報が多い方が良い。
アルモニア家に登城要請の手紙を認めると、それをさっさと送る。
「……ネリアさん……早く、会いたいな……」
この件が片付くまで、俺は動けない。王直々に監視役を送り込んできているため、本当に、アルスやアルマからの報告でしかネリアさんのことが分からない。今はまだ、様々なことを改善している途中だとのことだが、早く会って、ネリアさんが俺の半身なのだと話してしまいたい。
そうして、問題のアルモニア家が登城してきたのは、翌日のことだった。
ちょっと事態が動き始めたかなぁ?
それでは、また!




