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第三十九話 説明されるネリア1(ネリア視点)

ブックマークや評価をありがとうございます。


さて、アルマさんはどう説明するのか?


それでは、どうぞ!

 自分に与えられた部屋で、私は、懸命にアルマさんの授業をこなしていく。本当は、早くお仕事に関する話を聞きたいのだが、少し長くなりそうなので先に授業を終わらせてからとのことだったので、今はとにかく授業に集中している。



「というわけで、ウォルフ王国は、各国の中でも中立国という立場になります」



 軽く歴史について話を受け、現在の状況にまで言及するアルマさんは、チラリと腕時計という道具で時間を確認する。



「今日はここまてにいたしましょう。では、お待ちかねのお話です」


「っ、はい。お願いします」



 普段から背筋を伸ばすように注意はされているものの、今はさらにしっかりと背筋伸ばす。そんな私を見て微笑んだアルマさんは、教材と一緒に持ってきたらしい資料を座っている私の目の前で広げる。



「現在の問題点、及び、その選択によって分かれる仕事の説明として、資料を持ってきました」


「問題点……」


「はい。残念ながら、すぐに仕事、というわけには参りません」



 そう言われて、私は少し残念に思う面もあったものの、それよりも、どんな問題点があるのかが気になった。改善しなければならないことがあるのであれば、それはきっと、お仕事に必要なことなのだ。



「どんな問題点があるのか、教えてください」


「分かりました」



 そう言って、アルマさんは資料のうちの一番上にあった数枚の紙を手に取る。



「まず、一番の問題点は、姫君の健康状態にあります。医師の判断では、まだ長い時間の仕事に耐えられるだけの状態ではないとのことです。ですので、栄養も睡眠もしっかり取って、改善しなければなりません」


「栄養……睡眠……」



 そういえば、お医者様がそんなことを言っていたと思い出せはするものの、基本的に、栄養も睡眠もあまり取らない生活を続けていた私は、中々食が進まない上、睡眠も浅い。ゼス様達に出会った頃よりはマシになっているようだが、それでもまだまだ足りないのだと言われている。



「次に、姫君には様々な面で、この国の常識から外れている部分がありますので、その矯正が必要となっています。実際の仕事で常識がなければ、様々な迷惑をかけることとなってしまいます」


「常識……」



 これもまた、今度は目の前のアルマさんに言われた記憶がある。私が常識だと思って行動すると、この国の人達には非常識なことだったりするため、どこまでが常識で、どこまでが非常識なのかの確認を頑張っているところだ。



「次に、これは姫君側ではないのですが、現在、この城でいくつか問題が発生しておりまして、その解決までは姫君を外に出せないという事情がございます。解決まで、早ければ一週間、遅くとも一月とのことですが、恐らくは、健康面や常識面の改善もそのくらい……いえ、もしかしたらそれ以上の期間がかかるかもしれませんので、そういう事情があるという理解だけで結構です」


「はい」



 その事情とやらは分からないものの、きっと、大変なことなのだということだけは分かる。だから、素直にうなずいて、しっかりと頭の中に入れておく。



(……ゼス様は、大丈夫かな?)



 あまり不用意な質問はできないとは思うものの、やはり、ゼス様のことは心配だ。しかし、そのことを聞く前に、アルマさんは続きを話し始めた。

次回ももうちょい続きます。


それでは、また!

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