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第三十八話 頭を抱える面々

ブックマークや評価をありがとうございます。


今回は、時系列がちょっと戻って、三人称視点でお送りします。


それでは、どうぞ!

 ネリアからの要望を護衛としてつけていたハルクから知らされた面々は、あまりの事態に絶句した。



「…………殿下?」



 その時、その場にはちょうど、アルスもアルマもゼスも揃っている状態で、いち早く立ち直ったアルマの問いかけに、ゼスはどうにかそちらへ視線を向ける。



「ま、待て、私も、何が何だかっ」



 そして、目に入った鬼の形相に、ゼスは慌てて現状を把握すべく、頼りになるはずのアルスへと目を向ける。



「……そういえば、殿下は、姫様に半身であることをお伝えしていましたっけ?」


「え? いや、それは、多分、伝えたと思う……が……?」



 言いながら、不安になったのか、ゼスは断言できずにだんだんと青ざめていく。



「……私が姫君に半身のお話をしたところ、姫君からは殿下には半身が居るのかと確認をされたのですが、どういうことでしょうかね?」



 そして、止めに半身であることがネリアに全く伝わっていないことを示すアルマの言葉で、ゼスは表情をなくす。



「つまりは、姫様は、ここを出ていくことを前提に、前を向き始めた、といったところですかね……」



 怒れるアルマからそっと視線を外して、そんな見解を告げるアルス。実際、それは完全に的外れというわけではなく、前向きではないということさえ除けば、ネリアの意思を的確に表していた。



「ネリアが……出ていく……? 私を、置いて……?」



 表情どころか、魂まで抜け落ちそうになっているゼス。残念ながら、それをフォローしてやろうという心根を持つ人物は、この場には一人も居ない。



「っ、呆けている場合ではありません。早急に、対処を考えねばっ」



 ただ、フォローをして優しく慰める者がいなくとも、とにかくビシバシと強制的に動かそうとしてくれる(アルマ)は居る。



「殿下、姫君に嫌われたくないのであれば、その高性能なはずの頭を動かしてください。そうでないのであれば、サックリ捨てられれば良いのです」


「っ、捨てっ!? い、いや、ダメだ! 考えるっ! ちゃんと、考えるっ!!」



 第一王子を脅迫することによって立て直したアルマは、ハルクへひとまず返事を持たせようとゼスをせっつく。



「くっ、ネリアの初めての要望だ。すぐに否定するのは不味いか?」


「ですね。姫様には、一応検討するようなことを言っておいた方が良いかもしれません」


「実際に内容を話すのは私からの方が良いでしょう」



 実際のところ、彼らは誰一人として、ネリアを働かせるなどとんでもないと考えている。少なくとも、まだまだ健康面が不安定なネリアを放り出すことなんて、絶対にできないということで考えが一致していた。しかし……。



「前向きに検討することと、私が詳しく説明するということを伝えてもらいましょう」



 しばらくの話し合いの末、彼らが出した結論は、そうしたものだった。

なぜ、前向きに検討という形になったのかは、もうしばらく後に判明します。


それでは、また!

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