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第二十八話 悪化するネリア(ネリア視点)

ブックマークをありがとうございます。


今回は、心臓バックバクなネリアちゃんのその後、ですね。


それでは、どうぞ!

 結論から言うと……私は、ドキドキの限界を超えて、意識を失った、らしい。なんせ、目が覚めると、朝で、初めて見るアルマさんから体調を心配されるなんてことになっていたのだから。ただ、残念というべきか、幸いというべきか、私の記憶は途中で途切れ、何があったかは思い出せない。

 ……ちなみに、アルマさんは想像よりもずっと格好いい女性だった。



「殿下? 姫君はまだ病み上がりなのですよ? 無茶はお控えください」


「そうですよっ。姫様が倒れたと聞いて、どれほど心配したことかっ」


「すまない、ネリアさん……」



 また倒れたら大変だからとベッドに押し込まれた私は、目の前でうなだれるゼス様の姿に、ついつい可愛いなどという感想を抱いて、必死にそれを打ち消す。



「だ、大丈夫です。ほら、今は元気ですしっ」



 ゼス様はもちろん、アルマさんやアルスさんの姿を見ることができたのはとても嬉しい。何でも、ゼス様がこの国一番の魔法医に私の治療を頼んだのだとか。

 まだ、確認はしていないものの、アルマさん曰く、体の傷も綺麗に消えたらしい。



「姫君はまだ動いてはいけません」


「姫様っ、どうか、安静にっ」



 ただし、なぜか、すでに元気を取り戻したというのに、アルマさんもアルスさんもとても過保護だ。公爵家では、どんなに体が痛くても、熱が出ていても、働かなければならなかった。そうしなければ、私はさらに追い詰められることになることを知っていたから。



「えっと……」



 こんな風に過保護に扱われることには慣れていない。だから、私は、まだ目を合わせるのは難しいものの、ゼス様の方へと頑張って視線を移す。すると、私の意思が伝わったのか、ゼス様は大きくうなずく。



「大丈夫だ。ネリアさんが安心して眠れるよう、俺がずっと側に居るから」


(……それ、全然安心できないやつっ!?)



 やはり、以心伝心なんてものは不可能だ。そして、状況はさらに悪化する。



「そうですね。殿下は責任を持って、姫君に尽くすべきでしょう」


「ご安心を。書類に関しましては、私達がこちらへ持ち込むことにしますので、仕事をしながら姫様の様子を見ることができますよ」



 どうやら、私の味方はここには居ない。それに気づいたところで、もう遅い。ゼス様は、私への償いとして、ここに残ることが決定してしまっていた。

 どうあっても落ち着いてくれそうにないドキドキした心は、その日、ゼス様に声をかけられる度に、触れられる度に跳ね上がり、大変なことになるのだった。

さて、ネリアちゃんが可愛い姿を見せてくれたところで……次回辺りは、ゼス様視点かなぁ?


それでは、また!

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