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16.文化祭準備

「では、文化祭の実行委員は、東雲さんと工藤くんで決定でいいですか?…反対意見がないようなのでこれで決定にします」

「はい、ここからは今決まった二人に司会進行をしてもらう。二人とも前へ来てくれ」


 ホームルームの授業の時、近くに迫ってきた文化祭の実行委員を決める話し合いが行われた。事前に打合せた通り俺と咲良が立候補したが、意外なことに他に立候補する人はいなかった。実行委員は意外とあっさりきまってここからは俺たちの進行で出店の内容を決めることになった。


「じゃあ、まずは各自やりたいものなどはないか意見を出してもらえるか?」

「はい、無難に焼きそばが良いと思う!」

「焼きそばよりたこ焼きのほうが良いと思いまーす」

「たこ焼きは難しくないかなー?」

「喫茶店とかもいいと思う!」


 意外と意見は出るようで、普通の飲食店のような出し物から屋台でよく見る料理を出す意見などが数多く出た。その中でも多かったのは喫茶店という意見で、メイド喫茶、男女装喫茶の二つの意見に分かれていた。


「えっと咲良、このたこ焼きとか焼きそばとかは消していいのか?」

「うーん、この喫茶店で出すものの中に居れるっていう意見もあるから残していてもいいんじゃないかな」

「なるほど…。そろそろ時間が無いから多数決をするか」

「多数決をする前に何かアピールポイントがあったら言ってみてくれ」


 メイド喫茶は男子が推しており、男女装喫茶は女子が推している感じで、個人的には女装はしたくないからメイド喫茶に頑張ってもらいたい。


「はい、質問です!」

「いいぞ晃、言ってみろ」

「咲良ちゃんはメイドになりますか!?」

「ええ、私…?」


 晃の質問に、男子だけでなく女子までもが言葉を待つように静かになった。咲良は困ったような雰囲気を醸し出した後にこちらを向いたので、当然のごとく頷いた。


「えっと、楓ちゃんがやるならやろうと思います」

「ええ!?ちょっと!?」


 楓が頷けばクラスどころか、学校が誇る美少女二人のメイド服を見ることができるのだ。男子からも女子からもさらに視線が集まった。しかし、視線を向けられた楓はたまったもんじゃない。自分をまきこんだ咲良を見て、俺を一瞥し、元凶である晃をみてにやりと笑った。あ、これは嫌な予感が…。


「分かったわよ、私もやるわ」

「おお!咲良ちゃんと西宮さんがメイドを…」

「ただし!メイド喫茶だと実行委員なのに参加しないというのは良くないと思うから琉人くんを受付でいいから執事の格好で参加と、万が一に備えての男手ということで女装した晃くんの参加が条件よ!」

「あ、執事の格好ならいいぞ」

「なっ!…てめぇ!」


 執事の格好をするだけならば、何の抵抗もない。そして晃が女装とか面白すぎるだろう…。

 自分が咲良にメイド服を求めたのに、自分が断れば咲良だけではなく楓のメイド服姿も見ることができなくなってしまうのだ。断ることができるわけがなかった。


「はい!分かったよ!やる、やります!瀬乃アキコになったるわ!」

「ふふふ、私と咲良ちゃんもちゃんとメイド服を着ることを約束するわね」


 静かな空気が一転、晃の雄姿を褒めて美少女二人のメイド服姿を見ることができることに歓喜していた。

 …俺?俺の執事服は咲良が小さくガッツポーズをしていたから需要はギリギリあるだろう。しかし、ガッツポーズをしたいのは咲良のメイド姿を見ることができる俺のほうだと言いたい。


☆★☆


「これで第一回実行委員会を終了します。終わりとして、本日確定したことをもう一度読み上げますのでメモを取るなどすることをおススメします」


 放課後、1年生から3年生までの全実行委員が集まって委員会が開かれた。そこでは、出店することに決まった店舗内容を報告し、もし被っているようであれば調節するなど行われる予定だったが、メイド喫茶(極一部女装喫茶)に似た店舗はなく、そのまま通すことができた。


 文化祭の全体スケジュールも決まり、前夜祭、学校関係者限定、一般公開と後夜祭の3日間で文化祭は開催されるようだ。毎年かなりの人が来るため一般公開の日は自由時間がないと考えた方がいいらしく、回るなら1日目にした方がいいとのことだった。


「にしても前夜祭と学校関係者のみの日は普通だが、一般公開の日はカラオケにミスコンに伝えたいことか…」

「伝えたいことって一時期テレビで話題になっていたアレだよね?叫ぶやつ」

「なんでも意外と人気らしく、10人くらいは毎年参加していると聞いたぞ」

「そうなの?…どんな内容のことを叫んでいるんだろう…」

「えっと、告白が一番人気らしくってその次が不満で後は…後夜祭のダンス誰でもいいから踊ってくださいって叫んだ人も居たみたいなことを先輩が話していたかな?」


 後夜祭のダンスは一緒に踊った人となんちゃらという話も小耳にはさんだが言わなくてもいいだろう。もし、咲良の取り繕っていない完璧な笑顔を見ることができたら俺から誘おうと決めている。まぁ、そんな迷信は信じていないが咲良が他の人と踊るくらいなら俺が誘おう。もちろん、一緒に踊った後に告白すれば付き合うことができるなんていう迷信は信じていないが。

ラストスパートです!

無事完結まで書くことができそうでよかったです…

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