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10.バス、そしてトランプ

アホみたいな題名が浮かばず、異世界スマホのアニメみたいなサブタイトルになってしまいました。

晃はイベント発生用キャラです。

「ねぇねぇ!みんなでトランプしようよ!持ってきたのよ!」

「まぁ、暇だったしいいんじゃないか?なぁ晃?」

 今は、林間学校の現地に向かうバスでの移動中だ。グループのメンバーごとに座るみたいで、周りからの視線がいたい。


「じゃあ、ババ抜きでいいかな?カード配るわよ~」

 琉人は、留学先でトランプなんてしなかったため、実質3年ぶりのトランプだった。楓がカードを配り終える。

 (えっと、最初は被っているカードを捨てて…ジョーカーはないな。でも、7枚か…意外と残ったな。)


「じゃあ、私から時計回りで行くわよ、晃くん引かせて!」

「へいっ!でも、ジョーカーはないんだなぁ」

「またまた~じゃあこれ!っと、当たりだわ」

 楓が引いたカードはハートの6で、同じ数字があったようだ。

 

「じゃ、琉人よ、2の場所を教えてくれ!」

「2は…これだぞ?」

「ありがとう!ってこれ12じゃねぇか!しかも持ってねぇし!」

 琉人が聞かれた数字をそのまま出すわけがないのに、あっさり信じて引く晃。そういう縛りでもしているのだろうか。


「じゃ、咲良、引かせてくれ」

「う、うううんっ!ジョーカーはな、ないよ!」

「そ、そうか…それはよかったなー」

 琉人は忘れていた。咲良はとてつもなく誤魔化すのが苦手で、嘘も下手だということを。この前ばったり出会ったスーパーでは覚えていたのに。

「どれにしようかなー、ジョーカーはないからどれでもいいんだけどなー」

「こ、これ琉人くんが持っていないカードだよ!レアだよ!」

 その瞬間、そこにいる全員が思った。それはジョーカーだと。

「ババ抜きは持っているカードを揃えるゲームなんだぞ…」

「そ、そうだった!」

「これが持っていないカードか」

 ジョーカーと思われるカードに手をかざすと、本当に少しだけ咲良の表情が輝く。次は一番端から手をかざしてみることにした。


「でもなぁ、こっちは同じ数字じゃないのか?」

「それはピンクのカードだから女の子っぽくていやだと思う!」

 トランプで女の子っぽいからこの色は嫌だという者は存在するのだろうか。

「へ、へぇ…こっちは…?」

「それは…素数だからすっきりしないと思う!」

 素数という言葉で数字がかなり絞れてしまった。笑いそうになるのを我慢しながら続ける。

「じゃ、じゃあこれは…?」

「そ、それは悪魔の数字!」

「6じゃねーか!」

「な、なんでわかったの!?」

「もういいよ!最初の取るよ!やっぱジョーカーじゃん!」

 琉人は、結局ジョーカーを取ることにした。晃に引かせればいいと思って。


「楓ちゃん、引かせてね」

 愛想笑いじゃない笑顔が5パーセント位含まれた顔になった咲良。引いたカードも揃ったらしく、楽しそうな動きでカードを捨てる。

「じゃ、じゃあ晃くん引くわね…?」

「お、おう。ジョーカーはないぜ…?」

「知ってるわよ」

 琉人が持っているのだから、ジョーカーなんてあるはずが無いのだ。平和にカードが引かれ、今度はそろわなかったようだ。そしてやってきた晃が琉人から引く番。


「晃、俺実はイギリスで占い師やってたんだよ」

「う、うん?料理じゃなかったか?」

「いや、料理は趣味で占い師は仕事だ。テレビで聞いたことなかったか?的中率100パーセント、驚異の占い師Ryuという名前を…」

 もちろん占い師なんてしていなかったし、そもそもRyuなんて名前がテレビに出てきたこともない。

「そ、そういえば聞いたかもしれないぞ!まじか!あれ琉人だったのか!」

 だが、信じるのが晃クオリティ。


「そ、そうだ!そして今このトランプで占いが発動してしまったんだ!」

「占いって勝手になるものなのか!?」

「故意にもできるが、時々運命がやばい人には勝手になってしまうんだ…」

「ど、どう言うことなんだ…?」

「俺の占いは運命の選択まで影響するんだ。特別に教えてやる!運命を変えてくれ!」

 ごくり…。

「右から小指をタンスの角、指先に虫刺され、時計が1分狂う、寝る直前に耳元に蚊、金運恋愛運上昇、洗濯物が生乾き、登校中の信号が全部赤、パズルのピースが1つ足りなくなるだ!頼む!右から5番目を選んでくれ!そうじゃないとお前を救えない!」

「そ、そこまで俺を思って…琉人!ありがとう!ってジョーカーじゃねーか!」

「俺が占い師なわけなかろうに!占い師は人狼の中だけにしとけってな!」

「騙されたっ!」

 最初から最後までのってくれることが晃のいいところであり、アホなところだ。


「…ねぇ咲良、一体何を見せられているのかしら…」

「ふふ、面白いね」

「そういう割には表情がいつもと…少し違う!」

 楓も咲良が少し笑っていることに気づいたのだろう。小学校の頃もこうやってアホなことをして過ごしたから、思い出しているのかもしれない。



 結局、楓、琉人、咲良、晃の順番で勝ち、林間学校の会場に着いたのだった。

読んでくださりありがとうございます。

料理ができるキャラが居るから林間学校です。

書き次第更新します。


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