魔物を飼う
「まず、私達は戦える様にならなくちゃいけない」
「はい」「うん」「そうね」
戦士のヒロは槍を剣士のカズ君はレイピアを習得してもらう事になった。習得するにもお金がかかるらしい。金欠な私達には身を削る想いだ。
次にユリさん。最後の金貨1枚を積む。
「これで、魔法『ヒール』を覚えて」
「あなたがパーティのみんなを救うの。あなたの判断力、行動力はピカイチ。無駄な投資ではないと思う」
「賛成!」「頼むよ!」
「それとね。みんなに話があるわ」
「私ね。限界まで走ったらステータスが上昇したの。気絶したら体力も防御も上がった。みんなも試してみて」
「ネカマだけじゃなくM気質だったの?先生」
「やっぱ変態だ」「ぱねえ」
「違うよ。例えば、魔法で魔力使い切れば魔力のステータスの上昇が見込めるわ」
「そんなことしたら、私倒れちゃうじゃん」
「大丈夫よ。夜寝る前にやれば、ベッドに運ぶから」
「スケベで変態だ」「ぱねえ」
「そんなこと、するか!」
「あっ。また壊れたぞ」「ぱねえ」
「私は動けないから、図書館で調べ物をするけど。じゃあ、解散!」
「で、そこの黒猫くん」
「お話出来るんでしょ」
「我に何様だ。言っておくが、貴様達の手伝いはせぬぞ」
「それはいいかな。自分らで頑張るし。何が目的なのかな。嫌な予感しかしないのよネ。あなた」
「大体、当たっておる。頭の良い奴だ。今は何も言えないが我は魔族だ。気まぐれで助けてやる事もあるやもしれん」
「期待はしないけど。自分の食い扶持くらい稼いでね。私達、すごく貧乏なの」
「面白いぞ。女。それくらいなら叶えてやろう」
図書館へ行く。
大学時の私の専攻は「生物学」。図書館で薬草や動物の生態系を知りたい。これで生存率が上がると良いなぁ。
この国の文化や文明度も調べなきゃ。時間が欲しい。
「ところでお前は我が怖く無いのか?魔族であるぞ」
「忙しいんだけど。答えなきゃダメ?」
「む。構わぬが」
「貴方は私を婚礼期が過ぎていると言ったわ。すごくイヤな奴って思ってるわ」
「そんなことか?さすが、選ばれし者よ」
「出来れば、王妃とかに選ばれたいな。」
「見た目、男であろう。まあ、似た様な事にはなるがの」
「いい?私の邪魔はしない。」
「そんな事であれば、我に聞いた方が早いであろうにな」
あっ そっか。魔物って使えるな。