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毒舌少女とこれからと

私は革靴を受け取りながら私の内心は複雑だった。靴を貰うのは純粋に嬉しいが、でもそれは早くここから出ていけと言っているのと変わらない。それは今の表情や行動を見れば明らかだ。


「(もう十分良くしてもらったし、行くべき所も決まったのに此処が夢じゃないと分かって途端に一人なるのが凄く不安だ。)」

不安も大きいがこれ以上頼るのも申し訳ないし、とりあえずはその西の方角にある国に行ってみてから考えよう。

「ありがとう。実は靴下で歩くのか〜なんて考えてたからすっごく嬉しいーー」

と、言っている途中で彼女のお腹の音が聞こえてきた。


「ねぇ、こんなに良くしてあげたんだから僕だって見返り求めても良いと思わない? 君の話聞いてたらもう夕飯の時間だよ。 僕の為に料理をあんたは作るべきだよ。」

そっちがキッチンだからと目線を向けた方を見ると確かに其処にはキッチンがあった。いや、それよりも……。

「私が言うのも何だけど見ず知らずの他人をキッチンに入られるのは嫌じゃないの?」

少なくとも私は嫌だ。すると彼女はため息をつきながら

「……僕の名前は白雪。君は?」

そう言われて私はお互いに自己紹介をしていないことに気付いた。名乗る事も忘れてたなんて私が思っているよりも気持ちがいっぱいいっぱいだったみたいだ。そっか、白雪ちゃんと言うのか。名は体を表すとは言うが彼女にぴったりな名前だ。


「私は沙羅だよ。 それでお礼になるなら全然構わないんだけど……作り終わったら夜になるから怖いというかなんというか……。」



そう、作るのは良いのだ。それでお礼になるなら喜んでやるけど、流石に夜にあの森に放り出されたくはない。だって、思い出したけどドラゴンとか言ってたよね⁈

白雪ちゃんはため息をつきながら不満そうな顔で言った。

「……今から此処を出立するにしても夜までには森を抜ける事は不可能だし確かに直ぐにでも出てって欲しいけど、夜の森の危険性は僕の方が知ってるよ。あんたにはそこまで僕が非常に見えるわけ?」



分かったらさっさと作れと私をキッチンに押し込んだ。とりあえずは今日は大丈夫そうだとホッとして貰った靴を履くとサイズはピッタリだったのに殆ど新品な靴を見て白雪ちゃんの事を思い返してみる。

「 (あの子ちょっと言葉はキツイし強引なところもあるけど、優しい子だなぁ。普通はここまで初めてあった他人の面倒なんてみれないよ。一番に出逢えたのが彼女で本当に私は幸運だな……。) 」


しみじみと思いふけっていると急かしてくる声が聞こえてきたので私は腕につけてた髪ゴムで髪を結び、急いで料理に取り掛かることにした。

コンロの火は火起こしからじゃないっぽいけど、違う世界でもガスとか電気とか通ってるのかな?





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