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綺麗な花にはやっぱり毒ってあるんだね。

目の前の光景に私はかつてない程のパニックを起こしていた。

「えっ? 何これ、凄くファンタジーな森って家の近くにあった? その前にさっきまで私は何をしていた?」

落ち着け、私。思い出すんだ、私はさっきまでお母さんと話していてそれからーーーと、考えて納得した。

「私、ベッドで寝てたじゃん。なんだ夢かーびっくりするじゃないかー。」

そう分かった途端に力が抜けていった。きっと私は明晰夢?とやらを見ているのだろう。自分で体が動かせるし。


感覚があるのが新鮮ではあるが所詮は夢だ、楽しもうではないか。そう思って立ち上がろうとした瞬間にある違和感に気づいた。

「うわー、靴履いてないじゃん。感覚があるから靴下だけで歩くのはちょっとなぁ……どうしよう。」

夢なら靴くらい履いてなよと自分自身に文句をつける。これは、目が醒めるまでここに居ないといけないパターンのやつか。私は人がいないか辺りを見渡していると人は居なかったが奥の方に家みたいなものを発見した。


「うわー。何あの家、絵本に出てきそうな外観してるなぁ。誰か住んでるのかなぁ?」

好奇心に逆らえず、私は靴下が汚れるのも気にせずに近づいていった。

その家には呼び鈴がついておらず、ノックをして大きな声で呼びかけた。

「すいませーん! 誰か居ますかー? ちょっと聞きたい事があるんですけどー‼︎」呼びかけに応じた気配はない。しかし妙だ、近づいて分かったがこの家には生活感があるし、もっと言えばさっき物音がしたので人もいる気配が感じられる。……も、もしかして私がセールスマンだと思って居留守を使ってる⁈ならば誤解を解いてもらわないと!


「あのー‼︎ 私セールスマンじゃないです‼︎ 新聞と化粧品の売り込みじゃないです!信じてください!!」

ドンドンと扉を叩いてさらに大声をあげた。すると、足音がだんだんとこちら側に近づいてくるのを感じて私は数歩後ろに下がった。ガチャッと扉が開くと現れた人物に目を見開いた。



サラサラの長い黒髪と透き通る様な白い肌、少し触れたら壊れそうな危うささえ感じる儚い系の美少女がそこに立っていた。

「(うわぁ、すっごい美少女! えっ、もしかしてしんどい中ドアを開けてくれたの?)」

だとしたら、とても申し訳ない事をしてしまった。

謝ろうと口を開けようとした時ーーー



「さっきから、うっさいんだけど。何?わざわざ出てきてやったんだからつまんない要件だったらそこら辺のドラゴンの餌にするからね。」

この儚い系美少女から悪意しか感じない(いや、実際悪意しか湧かないだろうけど)言葉が出てきて私は、

「(綺麗な花には棘どころか毒があるものなんですかね……。)」

と、現実逃避しながらも今の現状を伝えようと思い彼女と向き合うのだった。






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