第二章②:Curse of Candida
*この小説の作者は医学知識が全くない素人ですので、この小説に書かれた知識を鵜呑みにしないでください。一切の責任を負いません。
前回までのあらすじ
かわいい娘、病に伏す。
彼女の大陰唇を開いてやはりな、と。
「これは………膣カンジダね」
膣カンジダ症。
カンジダ菌が膣に感染し、炎症を起こす病態。
症状としては膣とその周辺のかゆみ、酒粕のようなおりもの、膣の外陰の発疹や発赤、排尿時やセックス時の痛みがある。
性器周辺に掻かれたような痕がついているうえ、膣が赤く腫れている。異常ですね。
性器の病気だから一見すると性感染症(STI)のように思える。
しかし、それは早計だ。
性行為しなくたって性器に異常をきたす。
彼女ーーーカルナは処女だ。
セックス経験がない意味で彼女は処女だ。
その証拠にきっちりと処女膜が貼ってある。
もちろん膜ではなくひだ状であるが、カルナは真ん中に小さい穴が空いているだけの膜に近い処女膜をしている。
処女膜閉鎖症の心配はなさそうだ。
「そろそろ生理?」
「うん。エヘヘ、恥ずかしい……。どうして?」
女性は月経前になるとホルモンバランスが変化する。
このときにカンジダ菌が異常繁殖する場合がある。
ちなみにカンジダ菌は真菌で、人の皮膚や粘膜にふつうに付いている。特に病原性はない。
普段は他の常在菌とバランス良く生きてるけど、増えすぎると問題を起こす。人間も菌も一緒だね。
「おしっこするとき、痛みとかある?」
「すごいある!我慢できないくらい!」
「最近いつもより甘いものとか食べてる?」
「甘いもの食べると病気が治るって言われてるから、よく周りから貰うし、暇があれば食べるようにしてる」
「お酒とかよく飲む?」
「わたし、あまりお酒得意じゃないんだよね。エヘヘ」
「最近変なことした?」
「変なことって?」
「普段やらないこととか、普通はやらないこととか」
「そういえばこの呪いにかかったの、ちょうどあの頃だったかも」
「あの頃?」
これの返答を聞いて思った。
この部族がおかしいのはもとからなのか、情勢による社会心理なのか。
どっちにしろアホくさい。
もし自分もカンジダだと思ったら、医者に相談したほうがいいそうです。