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第4回 ヒーローの人数

明らかに旬を欠いています。書いた時期に見直せなかったのが悔やまれる。

今回は特定の作品についての感想ではなく、新ヒーローが登場する時期に書かれた記事に対して思うこと、です。一応、後から読み返して整合性が取れていない内容にはなっていないとは思っていますが、記事を読んだその勢いで執筆した内容なので結構粗は多いと思います。




さて、ここまで私の文章を読んだ方はお気付きでしょう。


私はヒーローファンであり、特撮ファンであります。ただ、アメコミヒーローはちょっと苦手です。彼らはあまりに人間臭すぎる。勿論、本来はそれが魅力であることは重々承知しています。それでも、日本のヒーローを見続けてきた私としては「自分でなければならない」という「宿命」と「理由」を抱えた存在がヒーローであり、「自己顕示欲によるヒーロー」という存在が苦手でもあるのです。


更に付け加えるならば、日本のヒーローは作中で「自分が他人とは違う存在である」ということを自覚しています。基本的にターゲットが児童層であることも踏まえて、恋愛要素は比較的少なめです。そういった要素が日本のヒーローをヒーローとしている一因であると個人的には思っています。


話を戻しましょう。


ヒーローの人数です。これまでは好きな作品について適当な解説をしてきましたが、今回はこの文章を製作している時点でニュースになっていた「ヒーローのインフレ化」という部分についてです。


少し古いニュースで、もう旬は外していますが、記事を読んできたのですが、まぁ、定番どころの東映ヒーローについてのみ語られています。仕方がないですよね。だって、ニュースの一因が当時放送中だった「キュウレンジャー」と次回作である「パトレンジャーVSルパンレンジャー」であるからです。


ニュース記事はやや的外れではあります。


まず、キュウレンジャーが開始時点で9人の異色戦隊扱いです。遡れば東宝の「超星神グランセイザー」が星座モチーフの12人ヒーローをしています。もっと遡れば東映の「忍者キャプター」があります。7人編成の、製作体制としては戦隊の流れを汲む作品です。個人的に、こういった作品を排除してヒーローのインフレを語るのは違和感があります。


仮面ライダーはどうなのか。


ニュースでは平成ライダー第2作であるアギトをまず取り上げています。レギュラーヒーローが3人というのは仮面ライダーというシリーズでは初のことですので、取り上げられるのは自然です。しかし、普段は交わらない各ライダーが時折交わり、時には対立したりといったりと、素直に共闘するわけでもないことから3人勢ぞろい(一部4人)したエピソードではストロンガー終盤のような興奮がありました。


そも、ゴレンジャーが1号2号のダブルライダーのようなヒーロー共闘をレギュラーで扱うための企画でもあったので、複数のヒーローが同一画面に登場するという流れは仮面ライダーが作った流れと言ってもいいでしょう。(ウルトラマンでは生きた状態のヒーローが同一画面内に登場するのは帰ってきたウルトラマンまで持ち越すことになります。時期的には仮面ライダーの同期です)


そして、アギトにおける複数ライダー路線は翌年の龍騎にも受け継がれ、ここでは13人の仮面ライダーが登場します。しかし、ここでのライダーは基本的に敵同士であるという設定であり、一部目的が同じときに共闘するというスタイルでした。つまり、13人のヒーローが共闘するのではなく、13人のそれぞれの孤独や正義を抱えたライダーがそれぞれに戦う、という作品なのです。さらに、13人全てが同一画面内に登場したのはテレビスペシャル版のみであり、13人というインパクトはやや薄かったように思います。更に言えば、最終回手前の衝撃のほうが強烈でした。


これ以降も複数ライダー路線は継続され、響鬼やカブトの頃には大量のライダーが本編中に登場していました。



ライダー界におけるデウスエクスマキナ。


「こいつさえいれば大体のことは何とかなる」 そんな連中がライダーの中にはいます。


まず、仮面ライダーBLACKRX。これの場合、「もうあいつ1人でいいんじゃないか」を地でいくパターンです。次が仮面ライダー電王。デンライナーで時間を移動しているので過去と未来を繋ぐことができます。


そして、そこに止めを刺しに来たのが仮面ライダーディケイドです。こいつの場合、色々な平行世界を繋いでいるので世界観の壁をしれっとぶち壊していきます。戦隊の場合、この後にゴーカイジャーが登場し、戦隊における便利屋になりました。


この結果、春のヒーロー祭りが完成します。


この頃のインフレはすさまじいものがありますね。映画という枠の中とはいえ、100人を越えるヒーローが画面内に存在しているのですから。


しかし、メインを張る面子は限られています。


そういった意味では「多ければいいというものじゃない」のでしょう。



客演ヒーローの扱い。


昔の客演、とくにエース、タロウあたりのウルトラシリーズはひどかったと思います。基本が噛ませ犬ですから。ファイヤーヘッド兄さんは忘れてはいけない。ただ、これは平成ライダーにも言えることで、最終フォームを手に入れた主人公のための噛ませ犬化するサブライダーという風潮もありましたので。


今でも酷いパターンはありますが、それでもウルトラシリーズはメビウス以降で客演のやり方が安定してきたように思います。しかし、80対ロベルガーの展開は許さん。あの回の脚本家と演出家は本当に80を見ていたのか。俺達の80先生は常勝無敗の男だぞ。


オホン。


失礼しました。遠くの星から愛と勇気を教えてくれる先生の扱いが悪いと許せないものでして。


近年、とくにウルトラマンエックスにおける平成ウルトラマンたちの客演はファンを沸かせました。これまで客演の無かったネクサス、マックスを連れてきたのです。マックスは映画へのカメオ出演こそありましたが、ベリアルにやられる役であり、活躍がないのが残念だったのです。


エックスの直前にウルトラマンギンガSの劇場版で平成ウルトラマン10人と共闘するという話がありました。あれがマックス、ネクサスの本格的な客演としては初になります。


それまで、2000年以降ではティガ、ダイナ、ガイアは何度かの客演をしており、ティガに至っては本編とは無関係の主演作まであります。コスモスは単独劇場作品3作と数も多い上に、サーガにおいてダイナと共に出演しています。メビウスは40周年記念作であったこともあり、単独劇場作品と外伝、その後の一部タイトルでの活躍や客演も多いキャラクターでした。


そんな中でのエックス内でのネクサス、マックスですから。ええ。狂喜しましたとも。


とまぁ、喜べるファンはいいのです。しかし、過去の栄光に縋らず、全くの新作を見たいというファンも多いです。ですが、こういった客演のある作品は昔から客演を行っており、その手法が露骨になったからといって拒絶するほどではないはずだ、というのが私の持論です。



新戦隊における3つ巴という新概念。


別に、新しい要素ではありません。目を引きはしますが、早いところでは戦隊ではハリケンジャーがヒーロー同士の対立という内容を先駆けて行っていますし、敵組織が複数いるという意味ではあるものの、ボウケンジャーが複数の組織が入り乱れるストーリーをしています。それどころか、ライダーではV3がライダーマンと対立するというエピソードがありますし、このときはデストロンとデストロンを追われながらも、かつてデストロンで見た理想を忘れられないライダーマン、デストロンと対立するV3という構図です。


たしかに、勢力としての3つ巴ではないですが、単純なヒーロー対悪の組織という構図ではなかったことは確かです。


他にも平成ライダーでは鎧武が近いと思います。中盤から終盤にかけてのレジスタンスのように抵抗を続ける残されたライダーと対立するオーバーロード、自らの欲求に従い場を乱し続ける戦極さん。因みに、この戦極さん、洒落のきかないことになってしまいましたね。


すべて私の所為だ、が真実になるなんて当時は思いもしませんでした。


結局のところ、ヒーローが対立するという展開は別に珍しくは無いのです。それを前面に押し出している企画が無いだけで。


これらを知っている身としては新戦隊は「ついにやったか」という感想が正しく、キュウレンジャー含めて異色とは言い難いのが個人の感想です。


異色と言いますが、実は…… みたいな記事があったらよかったのに、とは思いますね。



何を言いたいのか分からなくなってきましたが、取り敢えず、ヒーローの数を問題にしたいのならもうちょっと全体と経緯を辿ってもらいたい、ということです。


忍者キャプターはまだしも、仮面ライダーがダブルライダーをやったこと、そこからゴレンジャーへの派生があったこと、ストロンガー以降からBLACKRXまでの全員集合、ジュウレンジャー以降定番化した追加戦士。東映作品でこのあたりの情報に触れずにヒーローのインフレについて語る資格はない、私はそう思っています。

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