カラオケ
オレはその日珍しく、片チンに誘われカラオケボックスに行った。勿論、ポチョムキンも一緒だ。
てっきりオレたち3人だと思ったのだが、女子が2名もいる。
しかもそいつらは、オレやポチョムキンを見て
(ゲーっ!コイツらも来るの!無理!絶対無理、マジキモいんですけど…)
とでも言いたそうな表情をしていた。
「いいよ、片チン。オレ、ポチョムキンと他所で遊んでくるから3人でカラオケ行ってこいよ」
あんな表情されてまで一緒にカラオケなんざ行きたくないからな。
「何言ってんだよ、みんなで歌った方が盛り上がるじゃん、なぁそうだよな?」片チンは女子二人にそう言った。
「う、うん」「まぁ…‥…そうだけど」
イヤがってんじゃん!スッゲーイヤがってんじゃん!
「そうだよね、そうだよね?じゃあ皆で行こうよ♪」
ポチョムキンすっかり乗り気じゃん!
バカ!バカ!オマエみたいなブサ男相手にされねーよ!
何、チョーシこいてんだ、この発情期が!
オレは行かねえ、絶っ対に行かねえからな!
「んじゃポチョムキン行ってこいよ。ワリーけどオレ帰るから」
どうせ、オマエなんざ、片チンの引き立て役に過ぎないんだよ…哀れだな。自ら噛ませ犬になるとは…
30分後、オレはカラオケボックスの部屋にいた…
片チンの「いいからオマエも来いよ!」という強引な誘いについ、仲間に入ってしまった…
カラオケったって何歌えばいいんだよ?アニソン歌ったらドン引きされるんだろな…
♪~♪♪「%◎※ー!#ε〇Η§※ー~♪」
って、ポチョムキン、アニソン歌ってんじゃん!バカ!ホントにバカだこいつは!
皆ドン引きだろうが!
ポチョムキンは熱唱している…ヤバい、自分の世界に入っちまってる…
「すっご~い、チョー上手いじゃん♪」
「こんなに歌上手いならもっと前から誘えばよかったよね♪」
何ですと!? こいつにこんな特技があったとは…‥…
「おい、デブ。テメーいつの間にこんな必殺技身につけた?」オレは嫉妬心丸出しでポチョムキンに問い詰めた。
「あ?オレはこの歌が好きなだけだよ」
クッソー、しかも何か上からな言い方がムカつく!
オレも!オレにも何か歌える歌はないのかぁっ!
必死でページをめくったものの、これといったものがないっ!
…そういやあんまりテレビ観ないからな。最近の歌なんて知らね。
といっても昔の歌も知らねえがな。
「次片岡クン歌ってよ」
「アタシ三代目の歌がいいなぁ♪」
…三代目?三代目って何だ?全く知らん!
「そうだよ、片チン三代目の歌似合いそうだよ」ポチョムキンまで知ってるのか?三代目って…
三代目将軍、徳川家光の事か!
そうか、そういう歌なのか!
しかし変な歌が流行るんだな…




