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其の3
「さてと食べますかね」
そう割り箸を割った途端隣から大きな女性の声がきこえる。
「またか・・・」
彼は溜め息をつくとテレビをつけてボリュームを少しあげる、彼女は2、3日に1回声を荒げている相手は電話だからわからないが、恐らくは彼氏だろう、別れる別れないの話を延々として声がだんだん小さく泣き声になるのはテンプレてある。
そんなんであれば別れてしまえばいいのにと、彼も毎回思うのであった。
食べ終わっても、声はおおきいままで喧嘩しているので、食後の安らぎを得られない事にイラッとするも"静かにしてくるませんかね?"という勇気もないので時間潰しにレンタル屋にいくことにするのであった。
「さすがに終わってるよなぁ」
彼はそう言いながら下に降り、また中年男性に挨拶をして自転車に乗っかり出かけるのであった。