四 否デス。
コイツにとっては実に憂鬱な月曜日の朝である。
出がけに虫歯のポーズでカミさんと口論、朝飯なし、ひげ剃りなし。
営業会議と部課長会議がブッキング。
資料の印刷はカミ切れ、カミ詰まり。
コイツはカミに見離されている。
「あのねぇ、豊洲君。子供じゃないんだから。」
「はいぃ。」
「自分の数字を間違えるというのは、計画が無い証拠です。」
「はっ、直ぐ修正します。」
「困りましたねぇー、大人の事情が成り立ちませんねぇ。」
(一同沈黙 皆の溜息で推移表の折り目がふわふわ揺れています。)
「では、皆の不足分は計画修正中の豊洲君に頼むよ。」
「それで、よいかね?」
見よ、コイツは売上のV字架を独りで背負っている。
ザッパ師曰く、この宇宙は水素とイジメで出来ている。
大人の事情に大人を掛けたら参上です。
血流バルブオープン、神経路確保、通信モード体内エコー、脳クラウド起動、メインスクリーンオン、セルフテスト,,,良好。
「コイツの司令部を呼び出せ。」
「了解、接続しました。」
「艦長の豊洲だ、うぃっ。」
「艦長、どうするおつもりデスか?」
「ひっく、脳内はいつも右派と左派に意見が割れておる。」
「コイツにはあと0.2秒しか猶予がありません。」
「脳内の調整には時間がかかるのじゃ、オェ。」
だめだ、コリャ、、、。
「コイツの小脳を呼び出せ。」
「了解、接続しました。」
「小脳です、反射的に事情は理解しました。」
この次の話で、コイツはカミになります、、、