三七 カミのシオつくね 解析結果
「アナライサー、カミのシオつくね の解析を開始しろ!」
「シツリョウ110g カロリー210Kcal シシツ、、、ナトリウム、、、カリウム 、、、、、、解析中、、、」
「『つくね』 ハ タレ ガ イッパンテキ デス」
「お前の年式ではわかるまい、本当にうまい鶏肉にはシオなのだ。」
「『シオつくね』 ハ タダシクアリマセン。『シオ』 ハ フツウハ カンジ デス」
「どこかの検索エンジンみたいなポンコツ野郎だな。アナライサーよ、あえてカタカナのシオの意味するところは機械にはわかるまい。」
「ワタシノ ミカクハ スデニ ジンルイヲ コエテ イマス」
「クッソ、シンギュラボットめ!味覚の問題ではないんだよ、化学式のNaClを振りかけたんじゃなくて、最高の鶏肉に手間とひまをかけたから『シオ』なのだ。」
「モウイチド タダシイ ハツオンデ オトイアワセ クダサイ」
「てめぇに聞いちゃいねえよ。兎に角『シオつくね 豊洲太郎』で検索してみろ。」
「ケンサクケッカヲ ヒョウジ シマス」
いま私の口内に、故郷がある。
これは踊りだ、、、
激しすぎる踊りだ。
私の舌の上でコサックダンスを舞うとは。
彼らのかかとが鋭く私の味覚神経にくいこんでくる。
「あるいは、、、スタハノフ同志。」
ドネツ炭田でノルマの14倍を採掘したわれらの英雄だ。
味覚の英雄。
「おそるべし、シオつくね、、、ウラー!」
とロシア人シオツクネーエフは呟いたのであった
「アナライサーよ、ロシア人もびっくり。味覚の英雄だよ。」
「ウラー!」




