表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/38

 三五 友よ、ウットラマン変身のときがきた。

 チッ・ゲバラ師曰く、チッ、チッ、チッ、革命には時間がかかるのだ、

 体制の変革よりも自己味覚の変革を、、、。


 ふぅ、この作業を始めてから、、、まもなく延べ36時間が経過します。

 それにしても見事な平面だ、たとえ宇宙の広さに拡大してもモノリスの表面のごとくに完璧な平面。

 この世の硬いもの、鋼鉄と砥石を何十万回もすり合わせた結果です。


 輝ける水面に鰯の黒雲がたち、それを青い包囲網が突き上げて、黒と青と銀の豊饒が泡立って海が沸騰する、そんな妄想もこれまで。


 満足しています。

 やっと私の刺身包丁のシミ、取れました。


 全ては手筈通り、大振りの茶碗も湯煎してある、飯も蒸らしている。

 たっぷりの新茶が急須に煎れてある。


 「ふふっ、ふふっ、最近、、、私の腹の中が騒々しいが、いま、飢えているのはお前らだ!」


 このカミの刺身包丁で切るのは、鯖の塩ぬか漬け、、、へしこだ。

 薄くスライスしたへしこを火鉢の炭で炙る。

 有り余る旨味と脂がジュワッ!と煙を上げる。

 友よ、ウットラマン変身のときがきた。

 ジュワッチ!!


 あぁ、熱々の飯にカミのへしこを乗せて、新茶をかける。

 出汁もあられも山葵もいらない、、、薬味は萩のわかめのみ。

 この茶碗に日本海がある。


 我が腹のソドムとゴモラよ、、、

 カミの茶漬けを受けてみよ!

 見よ!飯が膨らみ、塩味と鯖の旨味が喉を突き抜けて脳に達する。


 そしてこの作品がグルメファンタジーだったことを思い出すがよい。

食欲司令官は、断固、私である!

 音のない真空世界に、茶漬けを啜る音のみ響くのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ