二五 江戸のからくり職人
「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい~、南蛮渡来のからくり人形、獅子舞、弓引き、お茶くみと何でもござれだよーっ!と、なんだか、こいつらノリが悪いな。」
「クメドン ハ ドコニ イル ノ デショウカ?」
「あったぞ、両国の軍鶏鍋屋、よぃしょ。」
ガラッ。
「っしゃーい!」
「おやじ、熱燗と軍鶏鍋。
お前さー、なに ぬすっと してるんだ、混んでるんだからもっと ひぃつけて お座り。」
ふと、気配を感じた、、、。
「こりゃーうめぇな、お通しは煮凝り、全部天然素材だ、ありがてぇ。
暖まるなぁ、熱燗と鍋、火が着くねぇ、味覚のモロトフカクテルだ。」
「モロトフカクテル ガ ワカリマセン」
「お前の年式ではわかるまい、モロトフカクテルは火炎瓶の別名だ。
我が国には火炎瓶処罰法ってのがあるのを知ってるか?
火付盗賊改方に教えてやりてぇもんだ、うふふっ。」
と、そのとき、、、。
「からくりの職人さん、あっしは深ッ川のテツってえ遊び人だが、邪魔じゃなかったら一緒に呑まねぇか。」
「おぅ、ご馳になるぜ、テツちゃんよ。あんた、かわはぎ釣りをやるか?」
「あたぼうよ、グィーッて引きがたまんねえなぁ。まぁ飲みねぇ。」
「おうよ、やっぱり腕もデージだが、竿がピンとしてなきゃなあ。まぁ飲みねぇ。」
「その通りよ、まぁ飲みねぇ。」
「こないだカカァに竿へし折られてよ、まぁ飲みねぇ。」
「あるある、まぁ飲みねぇ。」
「腕の立つ和竿師か、、、まぁ飲みねぇ。まぁ飲みねぇ。まぁ飲みねぇ。まぁ飲みねぇ。まぁ飲みねぇ。まぁ飲みねぇ。まぁ飲みねぇ。」
(以上12杯)
「ほーぅ、神田明神下の久米どんねぇ、、、テツちゃんありがとよ。」
しめはやっぱり雑炊だな。




