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第2話 冒険者の店


自動放送

「フローセリア、フローセリアです。ご乗車ありがとうございました。」



駅に降り立つと、お外は既にファンタジーでした。

駅は結界に包まれた宮殿みたいな建物で、その外に立ち並ぶ建物はヨーロッパ風のアレだし、石で作られた城壁が街をぐるりと囲んでおります。

んで、この駅のある街は、旧魔王"ブリアデス"が作った街で王都"ブリアデス"という名前みたいです。

自分の名前を街に付けるなんて・・・相当な俺様野郎だったんだろうね。


そういえば、ここに到着する少し前に夢華と一緒に双子達の部屋に行ってみたら、二人がでっかいリュックサックに色々詰めて冒険の準備してる真っ最中でした。

それで、明日から冒険なのにそんな装備で大丈夫か?と言われました。


つまりどういう事かと言うと・・・

私達が頼むまでも無く、この世界を冒険できるという事みたいです。

一応本来の双子のおもりもありますが・・・・


何はともあれ、最初の問題解決みたいで何よりです。

隣の夢華が呆れてます・・・言いたい事は良く解かるよ、双子がそっちの神皇様と比べてフリーダム過ぎるのは仕様だ・・・気にしちゃいかんよ♪


そして部屋に戻った私達は、必要な物を色々と鞄に詰め込み双子達に同行する準備を整え現在に至ると・・・でもさ、さっき呆れてた割には夢華が目茶苦茶楽しそうに見えるのは私だけだろうか?




それは置いといて、そんな経緯で現在に至り、列車を降りた私、ラズ、リズ、夢華、サウロ君の合計5人パーティーとなり、本日の宿に向かいました。

んで、本日の宿は"満月亭"という名前の1階部分が酒場で2階部分が宿となっているオーソドックスな冒険者のお店でした。

ちなみに店主は狼男さんの様です。まぁ満月なだけにね・・・


とりあえず、4人部屋を取ってそこに荷物を置いた後、私達は1階の酒場に集合して、今後の予定を話し合います。

とは言っても、ほとんと双子が行きたい場所になりそうだけどね・・・まぁ私等護衛ですから・・・


ラズロット

「それじゃ、今後の予定を発表するのです♪」


パチパチパチ(拍手)


席に付いて直ぐに、ラズが予定の発表とか言ってます。

話合いどこいった?まぁある程度予想してたけどさ・・・


夢華

「確か先程は、今後の予定を話し合うと・・・」


夢華!そこつっこんじゃダメ!!皆分ってるから・・・


リズロット

「どこか行きたい所あるのかの?」


夢華

「いや・・・そう言う訳では無いのだが・・・」


「ま・・・まぁ、あれだよ・・・こんな感じって地図見せて欲しいな的な・・・」


ラズロット

「なるなるなのです♪」


夢華のツッコミで不機嫌になりそうな双子でしたが、私のフォローで何とか回避できました。

この二人不機嫌になると目茶苦茶面倒臭いんよ・・・特に仕返しとかさ・・・ってなんで私がこんなに苦労せにゃならん?


そして、ラズがタブレット端末を取り出して、この世界の地図を表示させました。

地図には、今後の行き先やら移動手段やら何をするかまで全部書き込まれてます・・・そうそれは・・・完全な旅行プランです。


夢華

「これは・・・冒険というより・・・旅行?」


だから!それ言っちゃダメだって!!

ほら・・・双子が顔膨らませて怒ってるし・・・


「ほ・・・ほら・・・冒険でもプランしっかり立てた方が良いしね・・・」


夢華

「そういうものなのか・・・」


リズロット

「そういう物なのです・・・さすが夢たん・・・話が早いのだ♪」


何とかなった・・・苦労人だな私・・・


ラズロット

「苦労人は大変なのです♪」


なってねぇ!そういえばこいつ等、心読むんだった・・・ちくしょう!

何となく凄い敗北感を感じゲンナリしてると・・・



????

「ふざけないでよ!私をバカにしてるの!」


何か女の子の怒鳴り声が聞こえて来ました。

良く見ると、別のテーブルに座った冒険者の一団と少女がもめてる様です。


冒険者の集団の外観は、子鬼の盗賊、鬼の戦士、鳥人間の弓使い、骸骨の魔法使いとここの土地柄か、RPGでいうモンスター軍団みたいな様相ですね。まぁ他の冒険者もそんな感じのばっかだしここのデフォなんでしょうね。

それに対し、少女の方は青白い肌に真っ赤な髪と瞳に黒っぽいローブに頭に生えた角と、これまた悪役っぽい感じですね。ただ、顔が可愛いのでヴィジュアル的にはこっちに味方したいかな・・・


赤髪の少女

「私をフォーロス王国の王都まで護衛するだけなのに何でこんな金額になるのよ!」


鬼の戦士

「おいおい嬢ちゃん・・・ここから何カ月かかると思ってるんだ?」


子鬼の盗賊

「しかもだ、行き先は人間達の街って言うじゃねえか・・・」


鳥人間の弓使い

「その危険も含めてのお値段よ・・・」


骸骨の魔法使い

「嫌なら他を当たるんじゃな・・・」


赤髪の少女

「この街一番の冒険者って聞いたけど・・・とんだ腰抜けだったようね・・・」


鬼の戦士

「おい!そいつは聞きずてならねぇな!」


赤髪の少女

「何よ!事実じゃない!!」


あーあ、鬼の戦士と赤髪の子が睨みあってるし・・・一触即発じゃない?

って、見てたら・・・


夢華

「おいお前達!こんな所で暴れる気か?店に迷惑がかかるだろ!」


二人の間に夢華が割り込んでおりました・・・なにしとるん!!


鬼の戦士

「ああ・・・そうだな・・・オイ!お前人間か!」


赤髪の少女

「何で人間がこんな所にいるのよ!」


まぁ・・・そうなるよね・・・スノウのお話聞いてた?夢華・・・

この世界のこの人達(魔族)の人間に対する感情って多分最悪だと思うよ・・・

んで、ここはそのホームグラウンド・・・ほらほら他の冒険者達も立ち上がって臨戦態勢にっちゃったじゃない・・・正義感強いのは分るけどさ・・・状況をもう少し考えようよ・・・手遅れだけどさ・・・


仕方ないので、私もゾディークV3を場所を取らない第1形態にして夢華の横に移動します。


「何さらしてけつかんねん・・・もう少し考える!」


夢華

「すまん・・・いつもの癖で・・・」


うん、それが夢華の良い所だよね・・・曲がった事が嫌いなのはさ・・・

まぁいいさ、折角だから付き合ってあげるよ!






・・・数分後、店に居た冒険者は全員私達の足元に転がっております。

殺して無いよ・・・気絶させただけだからね・・・後が面倒だし・・・

その辺は夢華も空気を読んで、発砲せずに銃剣だけで戦ってくれたみたいです。

んで、取り合えず幾らか店主に迷惑料として渡して、"この人達が起きたら一杯ぐらいおごっておいて"ってお願いしときました。

その時、"強ぇーな嬢ちゃん達・・・気に入った"と何か気に入られてしまいました。

ちなみに、この店主さんは私達が街にある駅の関係者だって事には既に気付いてたみたいでした。

まぁ、物資の仕入れとかで結構繋がりありそうだしね・・・



とりあえず、部屋に戻って再度予定については話し合く事となり、この場はお開きとなりました。

まぁ、ご飯ついでだったしね。


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