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第14話 再起に向けて

◇◇◇夢◇◇◇


???

「貴様のその不甲斐無さ呆れるばかりだ!犯人を取逃がすばかりか、事もあろうに三種の神器を奪われるとは!」


士郎

「しかし!夢華は・・・」


???

「貴様は黙っていろ!それに貴様も貴様だ!!奪われた三種の神器よりこの腑抜けを優先するのだからな・・・帝国軍人として恥ずかしいとは思わんのか?」


士郎

「ぐ・・・」


???

「そして、夢華!今回の失態で貴様は我が守崎家の名に泥を塗ったのだ!我が娘がこんな軟弱者だったとはな、まったく情けない!負けて小便を漏らし泣き喚く・・・何たる醜態か!!」


士郎

「父上!!それ以上は!」


???

「まぁ良い、士郎!以後お前がこの腑抜けの分も活躍し守崎家の汚名を返上するのだ!分かったな!!」


士郎

「・・・分かりました。」


えっと、夢華の病室に様子を見に行ったのですが・・・

部屋から凄い怒鳴り声が・・・怖くて入れないです・・・

しばらく困っていると・・・


ガチャリ・・・


扉が開き、非常に心臓に悪い顔が出てきました。

それは私のトラウマックスな存在、私をプレッシャーで押し潰した父親の顔です。

しかもそれが軍服着てる感じで、恐怖感5割増しです。


父親のそっくりさん

「貴様か?2つとはいえ三種の神器の奪還をしたというのは?」


トラウマックスでガクブルな私は、慌てて頷きます。

だってメッチャ怖いんだもん!!


父親のそっくりさん

「そうか、私は守崎もりさき 源士げんじだ、この度の件は感謝するが、部外者があまり首を突っ込む問題では無いので今後の干渉はお控願いたいものだな。」


守崎 源士と名乗ったそっくりさんは、そう言うとそのままどっかに行ってしまいました。

・・・てか、言い逃げかよ!感じ悪いなぁ・・・

まぁ、それは置いといて、どうやらさっきのオッサンが怒鳴り声の主だった様なので、夢華の病室に危険は無くなったと判断し、部屋に入る私。


夢華

「ど・・・どうしたんだ?ゆ・・・夢・・・」


「心配だから見に来た・・・」


夢華

「そ・・・そうか・・・わ・・・私はこの通り・・・元気だ・・・」


うーん、そうは見えないです。

一生懸命元気に見せようと無理してるのが直ぐに分かります。

まず、目が真っ赤です。きっとさっきまで泣いてたんでしょうね。

そして、自分の呼称が小職から私に変わっちゃってます。

あと、本当にどうしちゃったんでしょうってくらい、沈んだ顔で無理矢理笑顔を作ってる感じです。


結論、全然元気じゃ無い!心配だ!!


でも、どうしたら良いかな・・・

そうだ、リアンお姉さんがやってくれたあの方法で・・・


そう思った私は、ゆっくりと夢華に近付き、そっと抱き寄せました。


夢華

「え?ちょ・・・何を・・・」


突然の出来事に動揺しあたふたする夢華ですが、気にせず耳元で優しく話しかけます。


「大丈夫に見えない・・・無理してるのわかる・・・無理しなくて良いよ・・・泣きたい時は泣いていいんだよ。」


言い終わると、夢華が私をギュッと抱きしめてきました。

そして、顔を私の胸に埋めて泣き出してしまいました。

やっぱり、相当無理してたんだね・・・まぁ大体理由は想像できるけどね、私も経験者だし・・・


「士郎・・・何があったの?」


とは言え、何があったのかを正確に知りたいので、士郎さんに確認します。夢華は当分無理そうなので・・・


士郎

「これは家の問題・・・と言いたいが、夢の方が適任かもしれんな・・・」


そう言って、士郎さんは夢華を運び込んだ後の事を話してくれました。


夢華を運び込んだ後直ぐに、父親の源士が駆け付け第一声が「三種の神器は無事か?」だったそうです。

おいおい、まずは娘の心配しろよ!

んで、全て奪われ夢華がズタボロにされた事を知ると、激怒したそうな・・・

そして、犯人に追い付きながら返り討ちにされた夢華をこれでもかと叱責した挙句に「貴様は守崎家の名に泥を塗った」と言い放ったんだそうな・・・


うん、普通に酷い話だね・・・親のする事じゃないよ。

まぁ、私の糞親も似た様なもんだったから人の事言えないけどさ・・・


「士郎・・・そのオヤジ殴っていい?」


取り合えず気が晴れるまでそいつ殴りたくなったから聞いてみた。


士郎

「色々と問題になるから極力止めてほしい・・・」


そして、止められたでござるの巻き。

でも、"極力"って言ってるってことは遠回しにやっても良いって言ってるのかな?

絶対ダメなら"絶対止めてくれ"って言うよね?


「極力?絶対じゃなくて?」


取り合えず聞いてみる。


士郎

「殺るならバレない様に上手くな・・・」


最初に聞いといて言うのも何ですが・・・

何このシスコン兄貴、めっちゃ怖ぇー


まぁ、兄の許可が出たので殺りたいのは山々なのですが、それやると絶対夢華が悲しみそうなので自重します。言ってみただけだしね。

まさか、どさくさ紛れに肯定されるとは思わんかったよ。


・・・と、それより問題なのは逃げた誠也(糞教師)をどうするかです。

あいつを放っておくと、必ず厄介な事になる気がしますし、天叢雲剣あめのむらくものつるぎも取り返さないと夢華が再起不能になっちゃいそうです。


とは言っても、正直あいつが何処に逃げたのか見当も付かないし、非常に困りました・・・

と、考え込んだ時、


ラズロット

「行き先なら分かってるですよ♪」


リズロット

「ヴェリロスカ連邦のヴェリロスカ聖教中央教会に逃げ込んだみたいなのだ」


空間から滲み出るように双子達が現れました。

非常に心臓に悪いので止めて頂きたい所ではありますが・・・いきなり行き先分かった発言とかどんだけよこの双子達・・・

それより、今まで何処行ってたのさ!別行動するって言ってどっか行ったっきりだったしさ!


ラズロット

「神皇の所に許可貰いにいってたのです。」


リズロット

「夢華たんが三種の神器を奪還すれば今回の件は無かった事にしてくれるみたいなのだ♪」


夢華

「え?」


双子の言葉に、今まで泣き崩れていた夢華が凄い勢いで食い付きました。

ああ、この子っていろんな事にこうやって簡単に釣られちゃう子なんですね・・・

何かさ、双子達のおもちゃになる未来しか想像できないよ・・・


ラズロット

「夢たん失礼なのです!」


「だってさ、いつも私とかからかって遊んでるじゃん?」


リズロット

「それはリズ達の可愛いイタズラなのだ♪」


うん♪全然可愛くないよ?洒落にならない位の大惨事に毎回なってるしね。


リズロット

「それは置いといて、今回の奪還作戦はSKBEが全面的にサポートするのだ♪」


ラズロット

「という訳で、夢たんを夢華たんのサポートとして同行させるのです♪」


ちょww何勝手に決めてんのこの双子!

いやまぁ行くけどさぁ・・・決める前に一言言うべきじゃね?


ラズロット

「拒否権無い相手に確認は要らないのです♪」


「ちょぉぉぉぉ!」


私の不満全開です!確かにですね、夢華の為なら普通に行きますよ。でもさ、問答無用で"拒否権は無い行け!"って酷くね?捻くれて良い私・・・


リズロット

「それに、あの神埼 誠也ってやつと夢華を1人で戦わせるのは危険なのだ。」


ラズロット

「超外道な方法でも倒した実績のある夢たんが適任なのです。」


まぁ・・・ねぇ・・・トラウマ植え付けられちゃった夢華が普通に戦えるとは思えないし・・・って今"超外道"って言った?言ったよね?普通に倒しただけじゃん!何で外道呼ばわりされなきゃならんのか詳細な説明を要求する!!


士郎

「そういえば、夢華が倒せなかった無敵の相手をどうやって倒したんだ?」


そこで食い付いてきますか・・・なら話ましょう!私の圧倒的閃きにより編み出された素晴らしい戦い方を!!


・・・で、話したら何か微妙な空気になりました・・・何で?

ちょっと相手の心がへし折れるまで身体分解し続けただけじゃん!

何でそんな"何この子怖い"みたいに見られなきゃならんのよ!超理不尽じゃね?


士郎

「まぁ・・・何だ・・・夢華には無理だな・・・えげつなさすぎる。というかやって欲しくない・・・」


夢華

「夢・・・お前の心の闇を見た気がする・・・」


ラズロット

「黒剣士やめて外道剣士にしてみるかの?」


リズロット

「鬼畜剣士の方が良いのだ♪」


み・・・みんなして何さ!いいもんいいもん!いじけてやるんだら!!思いっきりいじけてやるんだから!!!

私がいじけたら大変だぞ!機嫌直るまで何にもしないんだからね!!しかも思いっきり捻くれてみんな困らしてやるんだから!!


そして、いじけて捻くれてる私を余所に、色々勝手に決められていくのであった・・・

ねぇ・・・私の意思ってなんなの?・・・泣くぞ!そろそろ泣くぞ!!


夢と夢華には仲良くなって欲しいですね。

性格が真逆なんで色々ぶつかりそうですが、色々共通点もいっぱいあるので上手くやってくれるかな・・・(制御不能なダメ作者)

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