第12話 無力感
◇◇◇夢華◇◇◇
夢華
「うぐっ・・・あぐぅ・・・やめ・・・」
腹の中を掻き混ぜられる激しい苦痛と、止めど無く襲ってくる吐き気に必死に耐えている。
苦痛に耐える為に歪んだ顔は、溢れ出る涙と鼻水で酷い事になっている・・・
誠也
「はははは、どうした?さっきまでの威勢は?」
夢華
「ひぐぅ・・・」
男は私の腹に突っ込んだ手を更に激しく動かし、内臓を掻き混ぜる!
更なる苦痛と吐き気に耐えかね、もがく小職だったが・・・
誠也
「暴れるんじゃねぇよ!ひゃはははは」
夢華
「ひぎぃ・・・げはっ」
胃を握り潰され、そして襲い掛かる激しい嘔吐感・・・
そして遂に耐えかね、その中に入っていた物を嘔吐して目の前にぶちまけてしまった。
誠也
「うげぇ、吐きやがったよこいつ・・・汚ったね・・・」
夢華
「げほっげほっ・・・ひっく・・・うう・・・」
悔しさと惨めさで、涙が溢れてくる・・・
なんでこんな奴に・・・こんな最低な奴なんかに・・・
好き放題されて・・・何も出来ない・・・
悔しい・・・無力な自分が惨めだ・・・
だけど、抵抗しようにも力が入らない・・・
誠也
「ふははは、お前の反応、面白れぇなぁ・・・嘔吐の次はどうする?あん?」
男は、小職の反応をみて楽しんでいる・・・最低だ・・・
え?・・・手が・・・下に移動して・・・
腹の中にあった手が徐々に下腹部に移動しはじめた。
何をしようとしているのか直ぐに分かった・・・
夢華
「や・・・やめ・・・」
上手く力が入らないが、ありったけの力を振り絞り抵抗する!
当然だ!その先には・・・
誠也
「さぁて、到着~♪」
夢華
「ひぎぃ・・・それ以上は・・・や・・・め」
膀胱を握らる事で、発生する激しい尿意・・・
それに必死に耐える・・・
誠也
「いい顔だなぁ!しかも顔が真っ赤だぜ?ひゃはははは」
くそ・・・くそっくそっくぉっ!!
何でこんな・・・ダメだ・・・
膀胱を握る手に力が込められ、更なる尿意が襲ってくる・・・
夢華
「ひぅ・・・た・・・頼む!もう・・・これ以上は・・・」
もう訳が分からない、襲い掛かる尿意と羞恥心で心の中は目茶苦茶だ・・・
なぜ、こんな奴に必死に懇願しなければならないのだ?
悔しさで涙が溢れて来る・・・
誠也
「良い感じに崩れて来たなぁ・・・さぁ、クライマックスだ!」
膀胱を握る手に更に力が入った!
夢華
「や・・・やめろぉぉぉぉぉ!!ああああああ!!!」
耐え難い苦痛、羞恥心と尿意、それが心という精密な構造物を力任せに壊していく!
そして・・・
びちゃびちゃびちゃ・・・・
夢華
「あ・・・・ああ・・・」
両脚を伝い流れ出た液体が足元に水溜りをつくっていく・・・
失禁してしまった・・・膀胱を握り潰されていたとはいえ、これは人としてこれ以上無い程の辱めである。
夢華
「ひぐ・・・あう・・・ひどい・・・ひどいよ・・・」
この場から消えてしまいたい・・・
死ぬほど恥ずかしい・・・
相手を殺したいくらい悔しい・・・
そんな気持ちが混ざり合いそして、訳が分からないが、止めど無く涙が溢れてくる。
もう、泣きじゃくるしかできない・・・なんて無力なんだろう・・・
小職いや私はこれまで負けた事なんて無かった・・・
それは、生れ持った特別な力があったから・・・
自分は絶対の強さを持ってるって思ってたのに・・・
何で?何でこんなに思うようにならないの?
何で自部の力が通用しないの?悔しいよ・・・
誠也
「さてと・・・そろそろ最後のいこうか?」
男の顔がこれ以上無いゲス顔になった。
何をされるのか何となく分かった・・・嫌だ・・・
その時!
士郎
「夢華!!」
誠也
「ちぃ!」
駆け付けた兄上を見て、男は私を蹴倒し踏み付けると、私の頭に銃口を突き付けた。
誠也
「動かないでください、下手な事をするとうっかり引き金を引いてしまうかもしれませんしね・・・」
士郎
「ぐぬぅ・・・・」
私を人質に取られた事で、兄上は動けない・・・
迷惑をかけてしまった・・・自分が情けない・・・
誠也
「さぁ・・・武器を捨て・・・ぐぼぁ!」
ムカつく位のドヤ顔で、武器を捨てるよう命令していた男が、突然吹っ飛んだ!
夢
「お久しぶり・・・ゴミ教師・・・」
誠也
「ゆ・・・夢ぇ!貴様!!」
どうやら、夢も駆けつけてくれた様だ。
それにしても、いきなり犯人の男を蹴り飛ばすとは・・・相変わらずだな・・・
夢
「私がここを引き受ける・・・士郎は夢華を・・・」
士郎
「おう!夢も気を付けろよ!」
夢は、独りであの男の相手をする気の様だ・・・
ダメだ!あいつは一切の攻撃が!!
夢華
「夢・・・ダメだ!そいつは攻撃しても直ぐに・・・」
私がそう言うと、夢はこう言った。
夢
「大丈夫、何とかする。」
何とかできるものなのか?
いや・・・そんな訳・・・
相手はいくら傷付けても再生してくるバケモノなんだぞ!
勝てる訳がない!!
しかも、夢はあいつの能力を見ていない筈だ!!
そんな状態で、何とかできる訳・・・
士郎
「任せたぞ夢!こいつを病院に送ったら直ぐに戻る!」
兄上はそう言うと、私を抱き上げ走り出した。
ダメだ兄上!今夢を独りにしたら!!
うーん、何か上手く書けませんね・・・
夢華視点ってちょっと難しいかもです・・・