第6話 恐怖!肉体言語
◇◇◇夢◇◇◇
放送
「神京~神京~神京~~~。」
荷物の準備を終えた位に、Snow Expressは、神京駅の13番線に入線しました。
そして、窓から見える光景に度肝を抜かれました・・・
なんと、堵列ができてるではありませんか!完全な国賓扱いです。
そう言えば、あの双子って暗黒神殿の御神体(笑)でしたね・・・納得。
そして、双子達に続いて列車を降りると、ホームには通り道の赤い絨毯が敷かれてるし、儀仗隊の着剣捧げ銃+国家演奏で迎えられるし・・・普段はあんまり感じなかったけど、本当に神様だったんだなって思いました。
その後、宿泊場所までは何故か夢華(脳筋)さんが案内してくれました。
というのも、双子達が大日ノ本帝国側から出す護衛を夢華(脳筋)の御指名で強く希望したそうな・・・
ちなみに、夢華(脳筋)さんは見事に緊張してガッチガチになってました。
そりゃね、何の予告もなしに突然の御指名・・・テンパルでしょ(笑)
夢華
「所で夢、これから時間はあるか?」
双子達が案内されたホテルの部屋に入り、私もそれに続いて入ろうとしたら、夢華(脳筋)さんに呼び止められました。
何だかか知らんが、こういう時ってたいていメンドイ事なんだよね・・・
まぁ、聞かずに断るのもアレなので聞くだけは聞いとこう。
夢
「内容による・・・」
夢華
「なんだそれは・・・」
夢
「面倒な事だったら時間がなくなる・・・」
夢華
「つまり時間はあるという事だな。」
うーん、遠まわしにメンドイ事以外なら良いですよって事なんだけどなぁ・・・伝わらんかったみたいです・・・日本語難しいです。
夢華
「なに、一度手合わせをと思っ・・・」
夢
「本日は、お誘い頂き誠にありがとうございます。大変申し訳ありませんが、本日の営業時間は終了致しました。またの御機会にお誘い下さいますようお願いいたします。(棒読み)・・・ではまた明日。」
夢華(脳筋)が何か言い始めた瞬間、私のメンドイ事センサーが反応したので、速やかに自動放送で回避、そのままお部屋に入ろうとしたら・・・
ガシッ
後ろから両肩をガッチリと掴まれました・・・
更に背後から寒気を感じて振り返ると、そこには目が笑ってないけど素敵な笑顔の夢華(脳筋)さんが居らっしゃいました。
夢華
「そぉーい♪」
次の瞬間、私の身体は宙を舞い、そして・・・
夢
「ヘギョッ」
見事に地球とキスさせられました・・・いわゆる顔面着地というやつです・・・なんばすっとねん!
夢華
「いや、小職の聞き間違いかと思ってな・・・別の言葉で聞いてみたんだが・・・」
何その肉体言語!やっぱりこいつ脳筋女だよ!!関わったら命幾つあっても足りない気がするよ!
よし!逃げよう!!
そう決めた瞬間の私の判断は早かった!
間髪入れずに跳ね起きるとそのまま全力疾走で逃走・・・どうだもう追い付けまい!
なにせ、ゾディークV3の身体強化でモンスター級の身体能力を得ているんですか・・・
夢華
「ほほう・・・中々の速さだな・・・」
え?
恐る恐る背後を確認すると、夢華(脳筋)が何事も無かったかの様な涼しい顔で付いて来てるではありませんか!
あれ?確かこの人・・・私と違ってゾディーク的な物持って無かったよね?
何で普通について来てるの!意味分かんねぇよ!!
夢華
「驚いてる様だが・・・この程度大した事ないぞ?」
何それ?この人バケモンですか?
怖くなってきたので、更に走る速度を上げる私・・・ええ限界突破ですよ・・・人間危機的状況に追い込まれると普段出せない力が出たりするんです!てか本気で生命の危機を感じております!
夢華
「では、本気で戦う意思を見せないのであれば・・・本職は追撃しつくすまでだ(ニヤリ)」
何そのブロリーさん!!
てか、走りながら何小銃構えてるの!!
ヤバイ!!ヤバイ!!!ヤバイ!!!!
本気で殺しに来てるよこの人・・・
目が獲物を狩る目になってるよ!!
パンパンパン・・・
乾いた銃声数発・・・死に物狂いでそれをかわす私・・・絶対普通の弾じゃない!当ったら死ぬ!そんな気がして、状景反射的に避けました。
そして、外れた弾は・・・私をすり抜け目の前の壁に"ズドンッ"という爆音とともに大穴を開けました・・・
それは、私の判断が正しかった事を物語っています・・・
こ・・・殺す気か!!本気でヤバイよこの状況!!
夢華
「うーむ、弾を闘気で覆ってみたのだが、避けられたか・・・」
やべぇ・・・本気でやべぇ・・・鋼○波の小銃版だよ!
当ったら本気で死ねるレベルだよそれ!!
夢華
「さて・・・次は何を試すかな・・・」
試さなくて良いです!本当にゴメンナサイ!!
ガチャリ・・・
そして夢華(脳筋)が再び小銃を構える・・・
いやぁぁぁぁぁぁ!!!
私の心の叫びとは裏腹に、このリアル鬼ごっこは2時間程度続く事に・・・
生きてるって素晴らしいって本気で思いました・・・
◇◇◇スノウ◇◇◇
邪神様を降ろしたあと、僕は列車を帝都口駅にある車輛工場まで回送させた・・・
ここは、普段は、名鉄"帝都口線"の車輛を整備していますが、今回はSKBEの整備スタッフが待機してくれていました。
理由は、僕の列車の脇に置いてある新型の台車・・・N-DT283FP(N-DT283の強制振子型)への換装です。
この台車は、劣悪な路線に侵入する事を考慮した、ボルスタ台車で僕の今装備しているN-DT281改の様なボルスタレス台車の様に高速走行時の蛇行抑制用のダンパが必要無い台車で、劣悪な線路での高速走行を行っても脱線しにくいという利点があります。
その反面、台車自体の重量が増し、揺れが大きくなったり線路へのダメージ等の問題を抱えています。
しかし、この台車の自己操舵機能や車体傾斜角+1度というメリットの方が重要だとSKBEは判断したのでしょう。
台車を持ってきたSKBE側のスタッフの説明を名鉄側のスタッフと見学に来ていた帝国鉄道の技術者が熱心に聞いています。
どうやら、共同で作業を行うみたいです。
そんな様子を、車輛に搭載されているカメラで見ていたら、システムのシャットダウンが始まりました。
次に目覚める時は、何も問題が発生しなければ新しい台車になっているはずです。
そして、メインシステムのシャットダウンが始まり、僕の意識は闇に沈みました・・・
Snow Expressの台車が"N-DT281改"から"N-DT283FP"に換装されました。
N-DT281改
この台車はキハ281(スーパー北斗)で使用されているN-DT281台車をキハ8500系用に強制振子型に改造したボルスタレス台車です。
N-DT283FP
こちらは、キハ283(スーパーおおぞら)で使用されているN-DT283台車をキハ8500用に強制振子型にしたボルスタ台車です。最後のFPは強制振子(Forced Pendulum)の頭文字を取り強制振子型である事を意味しています。
遂にJR北海道の狂気が生み出した最狂の台車を装備です。
その前に線路直せよ的なツッコミは無しの方向で・・・(笑)