第6話 レクチャーと愚姉
大小様々な世界が浮かぶ多次元空間〃ヴィーケ〃(ゆりかごの意味をらしい)その空間を渡り世界同士を結ぶ鉄路・・・次元軌道を保有し管理しているのがSKBE(Schwarzes Kreuz Bewaffneten Eisenbahnverband)日本語で暗黒十字武装鉄道結社で、この列車を運行しているのもその会社らしい。
ちなみに、次元軌道と言うのは厳密に言えば線路ではなく、多次元空間を通る3次元の巨大なトンネルの様なもので、列車は空中軌道装置と呼ばれる空間を固着させ擬似的に線路を構築し空中を走行する装置を使い、飛行するようである。
つまりこの列車は、銀河鉄道の列車の様に空を飛ぶ事ができるのである。
なんというか、急にファンタジーっぽくなってきたね。
後、SKBEという会社は、世界間の物流を独占し多くの世界を実質的に支配していたり、国家規模を大幅に超越した強大な軍事力を保有してたり、反旗を翻す世界を侵略したりとやりたい放題やっているらしいです・・・何それカッコいい!
後、私が何故天国に行かずここに居るのは、これから向かう、〃シュバルトメイジシュタット〃という小さな世界に居る、〃双子の邪神様〃が気紛れで呼び出したらしい。
なら、直接そこに呼べば良いのではと聞いてみたところ、出会うまでのストーリーも大切だと邪神様がおしゃっていたとメタな答えが返ってきた。
ちなみに双子の邪神様は、SKBEの前進である鉄道会社シュバルツェの設立時に様々方面で力を貸してくれた偉大な神様らしい。
その中で、有名なのが設立の為の資金を何処からともなく用意したり、今この列車でも使用されている燃料〃マナル〃の原料とその無制限とも言える加工技術の提供である。
ちなみに、その資金と〃マナル〃の原料の出所は未だに不明で、現在も双子の邪神を御神体として崇める宗教組織暗黒神殿から無償で大量に供給され続けていて、その条件が半永久的な路線の拡張と維持という鉄道会社といては当然の事で、その条件は無いと言っても良い状態みたいです。
てか、神様居るとか凄くね?
後、余談だが、〃マナル〃という燃料は燃焼する力や形状を加工により自由自在に変えられ、様々な化石燃焼の代用品となる夢の様な燃料らしい。
ねぇ、これがあれば今の地球のエネルギー問題完全に克服できちゃうよね?
更に、燃焼する際に大量の魔力を放出するため、エンジンや釜にアース線の様な魔力端子を接続するだけで大量の魔力を取り出す事ができるのである。
ちなみに、空中軌道装置はその魔力を利用して動いているそうな・・・
つまり、SKBEは使用している燃料〃マナル〃のお陰で、機械文明と魔法文明の両方の技術が利用可能となっているのである。
しかも、その両方が高いレベルなんだとか・・・何というチート、この鉄道会社最強じゃね?
スノウ
「これは邪神様からの贈り物です。お受け取り下さい。」
レクチャーが終わったところで、スノウから剣の形をしたペンダントが渡された。
スノウ
「これは邪神様が作成された魔剣〃ゾディークV3〃です。現在は持ち運びに便利なペンダントになっておりますが、持ち主が念じる事で第1形態の短剣になります。また、戦闘をサポートするアクションサポート機能で頭に思い描いた通りに身体を動かす事が可能です。その他、術式回路を利用した魔法も使用可能となります。」
ペンダントを受け取った私は、それに〃短剣になれ〃と念じてみた。
すると、ペンダントは光に包まれ、短剣の姿になり私の手の中に収まった。更に使える魔法の一覧が頭の中に浮かんできた。しかもかなり多い。
こ・・・これが異世界トリップのお約束、チート能力の付与なのか?
スノウ
「あ、そうそう、初代〃ゾディーク〃は〃守崎 神奈〃様が保有しておられ、それはその改良型の3号となります。」
い・・・今〃守崎 神奈(愚姉)〃と言ったのか?2年前に仕事クビになった挙げ句行方不明になっていた・・・私が失語症になったりひきこもりになったりした元凶!!
そう、奴が逃げ出したせいで私は・・・取り敢えずブチ殺しに行かなければ・・・ふふふ♪
〃姉は今何処に?〃
と、さっき貰ったノートに書いてスノウにみせる。
スノウ
「姉?守崎・・・なるほど、神奈様の妹様でしたか。おそらくこの先のシュバルトメイジシュタットで会えると思いますよ。」
ほほう、愚姉はこの先で会えるのか・・・
さて、どうやってブチ殺すか考えておかなければね♪
スノウ
「ど・・・どうされましたか?」
微妙な笑みを浮かべ、黒いオーラを身に纏う私に困惑するスノウ。
だが今はどうでも良い、今最も優先される事項は、愚姉をブチ殺す事なのである。
首を洗って待っていろ愚姉、私の味わった地獄と同じ苦しみを味あわせてあげるよ・・・いや、倍返しだぁ!!アハハハハハ♪