第65話 邪神の力
◇◇◇夢◇◇◇
結論から言いましょう・・・
ヤンデレ娘になった紗綾が大暴れして大変でした・・・
てか・・・怖すぎる・・・返り血浴びながら笑顔で迫るとか何処のホラーだよ・・・
この前のスプラッタートリオより絶対に怖いと思うのは私だけでしょうか?
現在、美樹は紗綾にメッタ切りにされ意識不明の重体・・・止めに入った勇輝は背後から一突きでこれまた意識不明の重体・・・
しかもぶっ刺すときに、背後に回り込んで・・・
紗綾
「へぇ・・・勇輝君・・・彼女の事大事なんだぁ・・・」
とか呟いてから殺りやがったし・・・怖すぎる。
そして、やった本人はと言うと・・・槍を抱えたまま呆然と座り込んでおります。
まぁ・・・お約束な展開だったという事で・・・
てか、私の出番無かったよぅ・・・まぁ、楽だから良いけどさぁ・・・
ちなみに、紗綾が豹変する切っ掛けは、勇輝の"とにかく落ち着いて3人で話し合おう"でした。
うん、これは"すいません、ヤっちゃいました"って意味だもんね♪
この後、紗綾が豹変してまず美樹に飛びかかって"この!泥棒女!泥棒女!"と連呼しながら槍(ブラディアンα)でメッタ切りにし始め、慌てて止めに入った勇輝が触れる間もなくその背後に回り込み、耳元で囁きそのまま槍で一突きと・・・
普段の紗綾の戦闘能力では考えられない動きでした・・・
やっぱり色恋沙汰でキレた娘は怖いねぇ・・・まぁ私も女なんだけどさぁ・・・
んで、衛生兵に運ばれていく二人を眺めてたら・・・
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
っていう地鳴りの様な音と共に、弾道ミサイルの打ち上げが始まりました。
たーまやー♪
そう言えば、双子達が忘却の弾頭って言ってたけど効果やいかに?
ちょっと気になったので、近くの兵士さんにお願いしたら、上の人に許可もらってくれて、モニタールームに連れて行ってくれました。ありがとう♪
列車内にあるモニタールームっていうかこれは指揮所だねってって部屋に案内された私は、その部屋にある大きなモニター画面に映っている衛星からの映像に目をやります。
ミサイルのブースターを分離し、弾頭部分のノーズコーンが外れて弾頭部分のみで飛翔している状態でした。
その様子を見ていた私の肩に軽く手が添えられました。
手を添えたのは愚姉で"邪神様のお力をよく見ときなさい"って私に言いました。
何だろう、凄い怖いんだけど・・・
弾頭は放物線の頂上付近で8つに分離して、落下を始めました。
落下する弾頭は、徐々に白い光に包まれていき、そして着弾する直前に真っ白な光を放出し辺り一帯を飲み込みました。
そして、光が消えた時には、敵の拠点と思われる場所だけが消滅し、その他は何事も無かったかのように元のままでした・・・
どういう事なの?
神奈
「存在の消滅、邪神様の神としてのお力を込めた弾頭が世界に干渉し目的の存在のみ構成する情報を削除し無かった事にしてしまう恐ろしい兵器よ・・・」
首を傾げてた私に愚姉が説明してくれたけど・・・つまり倒したい相手の存在そのものを無かった事にしちゃうって事だよね・・・だとしたら・・・
夢
「消えた人達は?」
神奈
「存在そのものが無かった事になるのよ・・・死ぬより酷い扱いかもしれないわね・・・」
やっぱり完全に消滅させられちゃうんだね・・・
そもそも無かった事にされちゃうんだ・・・あれ?でもここに居た人ってどんな人達?
いやいや・・・そもそも人なんて居たっけ?
それより、何があったんだっけ?ちょっと怖いよ・・・本気で思いだせない・・・
神奈
「あらら、弾頭の影響が完全に広がったわね・・・あそこにあった物は無かった事になった。そしてその記憶や記録も例外では無い・・・だから私達SKBEの罪は実証されない・・・凄いでしょ♪」
私は頷くしかできない・・・あの双子の力ってこんなに圧倒的なものだったんだ・・・
神様だって事は理解してたけど、その力を実際に見て、その理解が浅かった事が直ぐに分かった。
私がどんなに頑張った所でどうにもならない程の圧倒的な存在・・・それがあの邪神達なのである。
神奈
「それで夢、貴方はこれを見てこれからも邪神様と一緒に居られる?」
夢
「・・・考える時間・・・」
即答は無理だよ・・・だってさ折角仲良くなったのにさよならするのは嫌だし、だけど私なんてそこら辺の蟻んこぐらいの圧倒的な存在相手にどう付き合って良いのか分からない・・・
神奈
「迷ってるわね、でもこれだけは覚えておいて、あの双子達は今まで通り貴方と友達で居たいと願ってる・・・今までのあの子達の貴方への思いは本物、それだけは忘れないであげて。」
夢
「わかった・・・それじゃ考えない・・・」
うん、愚姉の言う通りなら今まで通り考え無しで気楽に付き合えば良いんだよね。
んじゃ、考えない!思った事をそのままぶつけ合う関係で良いや・・・てか既に私の思考筒抜けだしね。
しかも、私が上手く言葉にできない事もちゃんと分かってくれる良い友達だしね♪
今まで通りの関係・・・簡単な事じゃない!何で迷ってたんだろう。
神奈
「うん♪やっぱり夢ね・・・良い子良い子」
迷いが晴れてスッキリした表情の私に満足したのか、私の頭をなでる愚姉・・・
何か恥ずかしくなって顔が熱くなってきた・・・
しかも、愚姉が嬉しそうな満面の笑みだし・・・
ムカついたのとテレ隠しで、取り合えず弁慶を蹴っといてやりました。
転ばされたサッカー選手の如く、足を抱えながら愚姉が転げ回っておりますが、気にせずその場を後にする私なのでした。
・・・だって恥ずかしいんだもん!
さて、ようやく砂漠の世界シャールが終わりそうです。
予想以上に長引いてしまいましたというか、かなりグダグダになってしまった感があり反省しております。
この後は、お別れの出発シーンの後に次の世界へ向かうお話です。
次のテーマはもう一つのifにしようかな・・・