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第62話 美樹と勇輝とその他1名

お騒がせ致しました。

設定資料の作り直しがある程度終了したので、更新を再開します。

◇◇◇勇輝◇◇◇


サラマド神殿付近まで進軍した僕達は、近くの岩場に身を潜めている。

少し前に、美樹が数人の魔法兵を連れて、サラマドの偵察に行っている。

危険な偵察に美樹を向かわせるのは反対だった、そして偵察そのものに費やす時間が惜しい。

できれば今すぐ全軍でサラマドのミサイル発射台を目指し突撃したい・・・

だけど、美樹が頑なに偵察により状況を把握してから攻撃を主張し、ジャミル神父もそれを了承した。


ジャミル神父

「時間が惜しいと思うのも分かります・・・しかし、敵を知らず突っ込めば悲惨な結果しか生みませんよ。」


ジャミル神父が僕の不満を見透かした様に話しかけてきた。

だけど、こうしている間に、ミサイルが発射されてしまえば大変な事になる。

だから急いでいるのに・・・


ジャミル神父

「納得できませんか・・・ならば、このまま突撃を仕掛けたとしましょう・・・もしそれが我々を誘い出す罠で、敵が準備万端で待ち構えていたとしたら?」


勇輝

「それは・・・」


ジャミル神父

「我々は何もできず、全滅してしまうでしょう。美樹さんも貴方を死なせなたく無いからこそ危険な偵察を志願したのでしょうね・・・貴方の反対を押し切ってまで・・・」


美樹が自分の案を押し通したかっただけじゃ・・・

そう一瞬思ったが〃お願い!このまま仕掛けても勝てないの!〃美樹の目は真剣だった。

本当に僕の為に?


勇輝

「それならそうと言ってくれれば良いのに・・・」


美樹

「何の事?」


勇輝

「うわぁ!!」


背後から声がしてビックりして思わず声を上げてしまった。

確認すると、そこには偵察から帰ってきた美樹が立っていた。

そして、彼女はジロリと僕を睨みつけると、


美樹

「何の事を言っていたのかしら?」


勇輝

「えっと、さっきの話なんだけど、僕の為に言ってくれてたんだね。ありがとう。」


美樹

「な・・・なななな何を言ってるの?!そんなわけ・・・」


美樹の顔がボンッって音を立てたみたいに真っ赤になった。

そして、テンパりながらベシベシと僕の背中を容赦なく強打する・・・

地味に痛かったりするが、何か可愛かったのでそのままにした。


ジャミル神父

「それより、サラマドの様子はどうでしたか?」


美樹

「へ?あ・・・そうね・・・とりあえず夢達の姿は無かったわね。ミサイルを守ってるのは普通の武装した兵士達・・・明らかに怪しいわね・・・」


ジャミル神父の質問で、我に帰った美樹は、真っ赤な顔のまま偵察してきた感想を述べた。

美樹が言うには、敵の警備が少な過ぎて、罠の疑いがあるらしい・・・

だけど、夢達が居ないのは今が攻めるチャンスかもしれない。


勇輝

「普通の兵士相手なら例え罠だったとしても、力押しで制圧できるんじゃないかなって思うんだけど。」


僕がそう言うと、美樹はやれやれといった表情で僕を見てこう言った。


美樹

「あんた馬鹿なの?罠なら伏兵として夢そして神奈がいつでも出れる状態になってるはずって予測できない?」


勇輝

「え?そういうものなの?」


美樹

「馬鹿もここまで来ると関心するわね。いい?敵を待受ける場合どうすれば楽に勝てると思う?」


勇輝

「うーん、一撃必殺?」


美樹

「ゴメン・・・聞き方が悪かったわ・・・」


何か美樹がゲンナリしてる・・・何か僕、変な事言ったかな?


美樹

「自分が圧倒的に有利で、敵が躊躇して仕掛けてこない場合どうする?」


勇輝

「当然こっちから突撃すr・・・」


ゴンッ


美樹の拳骨が降ってきた。

本気で痛かったので、頭を抱えてうずくまる。


美樹

「待受けるって言ってるでしょ!ホントに・・・自分を弱く見せて油断させて攻め込ませるのが普通でしょ!解った?」


何でそんなに怒るんだよ!しかも結構力入ってたし拳骨・・・

でも、確かに美樹が言った通り、待ち構えて居る所に、油断して攻め込んで貰った方が楽に勝てるかもしれない。


勇輝

「すごいね、美樹!!そこまで考えてたんだ・・・」


美樹

「当然でしょ!あんたに死なれちゃ困るんだから!!」


勇輝

「え?!」


美樹

「あ・・・、と・・・とにかく、このまま攻め込むのは危険なの!」


何か今凄いこと言われた気がするけど・・・まあいいか。

確かに、このまま突っ込んだ所に夢と・・・あれ?そう言えば神奈って誰?


勇輝

「そういえば、神奈って誰?」


美樹

「ああ、勇輝は会ってないんだね。夢の姉よ・・・あいつの人を馬鹿にしてる様な態度ホントにムカつくわ!」


へぇ・・・そうなんだ・・・美樹が黒いオーラ纏ってるけど見なかった事にしよう。

美樹がああなるって事は、夢と同等の力を持ってると考えるのが普通だね。

夢1人でも厳しいのに、同じくらいの強さの姉がもう1人・・・勝てる気がしない・・・

そういえば、美樹はこの事を知ってて、色々動いてたって事は、この状況でも敵のミサイル発射を阻止する方法があるって事なのかな?


勇輝

「美樹?」


美樹

「何?急に改まって・・・」


勇輝

「教えて!どうすればあの二人を相手に、ミサイル発射を阻止できるの?力押しじゃ無理っぽいから助けてよ。」


美樹

「ふふ♪そうね、後で付き合ってくれるなら助けてあげなくも無いわね♪」


そんな程度の事で良いならと、僕が頷くと、美樹は嬉しそうに自分の考えた案を話し始めた。


美樹の考えた案はこうだ。

まず、ミサイル発射の時間を探りつつ偵察と小規模な襲撃と撤退を繰り返す。

こうする事で、敵が常に警戒状態を維持せざる得ない状況となる。当然僕達を迎え撃つ為に待機している夢達は常に緊張状態となり集中力を消耗させる事ができる。そしてある程度集中力を磨り減らせた所もしくはミサイル発射の少し前にに全力の攻勢を掛けてミサイルの発射台を破壊する。

当然敵は迎撃をするが、度重なる襲撃で集中力が低下した状態なので、戦闘能力は大幅に低下している。

更に僕達は、極力戦闘を避け逃げ回りつつミサイル発射台のみを狙う。


美樹

「どう?これなら正面からぶつかるよりは遥かに確実だと思うけど・・・」


勇輝

「確かに、それなら何とかなるかも!」


ジャミル神父

「私と勇輝さん、美樹さんでローテーションを組めば、休みを取りながら襲撃も繰り返せますしね。」


僕もジャミル神父も美樹の案に賛同した。

今の限られた戦力を最大限に活かして戦う方法は他に思い浮かばない。

僕は美樹が居てくれて良かったと心の底から思った。


美樹

「さて、勇輝・・・約束はちゃんと・・・」


説明が終わると、美樹が真っ赤な顔で僕の手を引き物陰に連れ出そうとした。

彼女が何をしようとしているかは大体解る。

今回は本当に僕達の最後になるかもしれない・・・だから思い残す事は無い方がいい。

ジャミル神父も気付かないフリをしてくれている。

僕は美樹に腕を引かれるまま物陰に向かうのだった・・・、








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