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第61話 忘却の弾頭

◇◇◇夢◇◇◇


列車に戻って支度をしてお風呂に入ってお仕事の準備は万全です。

途中、血塗れ愚姉と紗綾と真理が帰ってきた時にはビックリしました。

愚姉の話では、紗綾と真理を処分しようと大天使の1人が現れたそうですが、そのまま八つ裂きにして追い返したそうな・・・


ああ、だから紗綾と真理が怯えてたんですね。

ただ、大天使じゃなくて愚姉に怯えてる様にも見えますがきっと気のせいでしょう。

とりあえず、血でばっちくなった愚姉は浴室に放り込んでホースで水掛けてウォッシュしときましょう。

全部返り血で怪我は無いみたいなので問題ありません。”酷いよ夢ちゃん”って言ってますが無視しときましょう。

その後皆でご飯食べて出撃です。

何でしょうか・・・緊張感が全くと言っていいほどありませんね。

まぁ、SKBEサイドの人達に共通する事なんですが、程好く不真面目な感じがします。

ゆるゆる好きな私にとっては大変好ましい環境です・・・とはいえ、実際には補給網をしっかりと構築して、余裕を持って戦える環境を整えるっていう考え方がしっかりしているから、少しふざけてても勝てちゃうんでしょうね。

攻められる側にとっては悪夢でしょうが・・・


まぁそれは置いといて、勇者達を迎え撃つための場所に移動しましょうかね♪

ちゃっちゃと片付けてマッタリしたいです。



◇◇◇ワーグ◇◇◇


我の名はワーグ・ラーグ。

我は今困惑している、何故なら邪神様よりの使いから渡された資料に紛れ込んでいた邪神様からのメッセージを発見したからである。

そのメッセージには”神殿より弾頭を受領し換装するように”とあった。

神殿というとこのサラマド神殿の事であろう・・・おそらく暗黒神殿が用意した弾頭であると思うが・・・

はてさて、通常弾頭からからの換装とな・・・

一体ぜんたい何を企んでおられるのやら・・・


しかしながら、あのお二人のお言葉は必ず無駄では無い・・・

いや、我の予想を超える予想外の展開の後、必ず良い結果となる、ならば我の取る行動はひとつ・・・


ワーグ

「ひとつ聞きたいが良いか?」


士官

「はい、何でしょうか?」


ワーグ

「今から弾頭を交換した場合どれほど時間がかかる?」


士官

「そうですね、おおよそ明日の2時頃には発射準備が完了致しますね。」


ワーグ

「あい分かった。至急神殿に輸送隊を向かわせ特殊弾頭を受領し発射予定のミサイル全てに搭載せよ。」


士官

「了解しました。至急手配致します。」


士官が慌てて部屋を出て行った。

さて、どんな結果になるか楽しみではないか・・・

何故か、それは邪神様が巻き起こす事象は十中八九笑いを生むような馬鹿らしい結果と共に、これ以上ない有効な結果を生む矛盾に満ちた物であるからである。

さてさて、それでは我はその結果を見て大笑いする準備でもしておくとしよう・・・

そう思いながら、我は列車の窓の外を眺めた。

そこには、弾頭交換のために折角立たせたミサイルを再び寝かせる作業をする発射台車の姿があった。


大地を揺るがす破壊力を込め、”ベルグランⅤ”と名付けられた中距離弾道弾・・・

戦略兵器というのは抑止力という意味合いが強いが、一旦使えば広範囲への破壊をもたらす悪夢となる。

故に戦略兵器を主装備とする我等は、戦わずその力を誇示する事により抑止力となる事が務めだと信じてきた。

それが今、戦の呼び水として行使されようとしている現状、その信念が揺らいでいる。

邪神様から託されたこの弾頭・・・我等の平和の防人としての誇りを守る物であると願いたいところではある・・・いや、そうであると既に確信している。


故に我はその結果を見て大笑いする心の準備をしているのである。



◇◇◇夢◇◇◇


留置場にたどり着いた私達を迎えたのは、混沌カオスな状態となった発射台車でした。

ミサイルのノーズコーン(ミサイル先端の頭の部分)を取り外し中の弾頭を取り替える作業が至る所で行われています。


神奈

「邪神様が手配したレーテー弾頭への換装作業ね・・・」


レーテー弾頭?レーテーってギリシャ語の忘却の意味?

何だろうすごい不思議な感じがする。だって兵器って破壊とか守りとかそう言った意味合いの名前が付けられる事が多いのに何で”忘却”?


神奈

「?マークいっぱいみたいね・・・でも今は効果は教えられないの・・・邪神様から口止めされてるから」


口止めねぇ・・・あの双子がかんでる時点でギャグ要素しか思い浮かばないんだけど・・・

もしかして、物忘れが酷くなるとか?

はははは、流石にそれは無いよね・・・

でも、忘却ってすごく気になる・・・まぁ、明日の夜明けまでには発射されるからいっか・・・


んで、今は夕方と・・・勇輝達が襲撃してくるのはおそらく夜、しかも深夜を過ぎて私達の集中力が切れ始める時間帯を狙ってくると思います。

勇輝は馬鹿だけど、もう1人の美樹が曲者で、どうすれば相手が一番困るかを考えるのが上手いです・・・

というか性格がねじ曲がっています。


美樹が居る限りまだ明るい時間や私達が元気なうちに攻め込むという愚策は行わないと思います・・・

しかも、彼女の性格上何度かフェイントがあるかもしれないですね・・・

今回の場合、何度かフェイントを仕掛けて慣らしてから攻め入るというのも十分に考えられます。

攻撃目標が私や愚姉ならそれでも気にする必要は無いけど、今回は勇輝達なら一撃で破壊してしまいそうな発射台車が目標ですから非常に厄介です。


しかしながら、ここを防がないと私のマッタリライフは遠のいてしまいます。

仕方ないので頑張るとしましょう。

そう思いながら、ゾディークV3の万能術式回路を用いて広範囲の警戒用結界を展開させます。

当然、愚姉も同じ事やってますね。

こうすれば何か引っ掛かるまでくつろいでいられます・・・

こういう時は、双子達から貰ったチート装備が非常に役に立ちますね。とっても便利です。

しかしながら、不眠不休で警戒し続ける事に変わりありませんから、とっても面倒です。

この怒りは攻めてきた勇気にぶつけてやる事にしましょう。

そう心に誓い、結界からの情報に集中する私なのでした。

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