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第58話 正義は我にあり

◇◇◇勇輝◇◇◇


どうしてこうなった?

僕は確か美樹を抱き締めていたはずだった。

だがしかし、ベットの布団は乱れ、僕の横には乱れた姿で身体を火照らせ、荒い息づかいで呼吸する美樹が横になっている。

結果から言おう、〝間違い〝が起きた。

言い訳は、〝魔が差した〝としか言えない。


美樹は息が整うと、僕に身体を寄せる。

その時、部屋の扉がノックされ、僕達は慌てて最低限の服を身につけた。

ガチャリと音を立てて扉が開き、入って来たのはジャミル神父だった。


ジャミル神父

「無事に目覚めたようですね。あと、熱くなるのは構いませんが、もう少しお静かにお願いです。」


どうやら、丸聞こえだったらしい。

顔を真っ赤にする僕と美樹を余所に、ジャミル神父は話を続ける。


ジャミル神父

「どうやら、SKBEはここに中距離弾道弾を撃ち込むつもりのようです。サラマドに多数の発射台が設置され準備中のようです。」


勇輝

「中距離弾道弾って・・・」


北朝鮮とかのニュースで出てくる〃弾道弾〃という単語から連想できるものは〃ミサイル〃そして〃核弾頭〃である。


ジャミル神父

「幸い全て通常弾頭のようです。しかし、総数158の弾頭が降り注ぎ、ここは壊滅するでしょう。」


158発って、どれだけ撃ち込めば気が済むんだよ!

そんな事をしたら、この拠点所じゃなく、この山脈事態が大変な事になってしまう。


ジャミル神父

「この拠点や周辺には、十字教会の関係者ではありますが女子供等の非戦闘員も大勢暮らしています。」


美樹

「それってまさか・・・」


ジャミル神父

「SKBEはジマラ山脈もろとも、十字教会の存在そのものを消し去ろうとしています。」


僕と美樹は青ざめた。

いくらテロ攻撃を行ったという理由があるとしても、兵士以外の人達も攻撃する理由にはならない。

なのに、SKBEは平然と攻撃を行おうとしている。


ジャミル神父

「これを聴いてください。」


ジャミル神父は、ラジオを取り出しそのスイッチを入れた。


ラジオ放送

「カ・シャール王国の皆さん、こんばんは。シャールニュースの時間です。十字軍残党によるテロ攻撃の驚異が高まる中、本日SKBE総帥は〃十字軍残党の拠点が存在するジマラ山脈全体を中距離弾道弾による浄化を行う〃と発表しました。このSKBE総帥の発表に対しカ・シャール王国内ではそれを歓迎する声が広がり、長く続いた十字軍の驚異が取り払われるという期待感が高まっています。この攻撃のため、サラマド付近に大量の発射台が設置され付近には立ち入り禁止の措置がとられていますが、現地では〃我々獣人の聖地から浄化の矢が放たれる事は大変すばらしい事だ〃という歓喜の声と共にお祭り騒ぎとなっています・・・」


ラジオからは、SKBEの攻撃を浄化と称して歓迎し称賛する内容の放送が流れ続けていた。

僕は動揺していた、勇者は正義の味方だと信じてたしそれが当然だと思っていた。

だが、ラジオからは僕達をテロリストと非難し、SKBEが正義の味方のように伝える放送が流れ続けている。


勇輝

「違う!僕達は勇者でテロリストじゃない!」


僕は怒りに任せて壁を殴り付けた。

壁にヒビが入ったが、手からも血が流れ落ち鈍い痛みが走った。

その時、美樹が僕の背中から抱きついてきた。

まるで〃私は解ってる〃と言うかのように・・・

美樹のおかげで冷静になれた僕は、次にどうしなければならないかを考えた。

だが、もう答えは出ている・・・


勇輝

「攻撃を阻止するしかない!」


ジャミル神父

「そう言うと思いました。我々も総力をあげて阻止作戦を行う予定です。是非ともご協力ください。」


その後、僕達を中心に十字軍の残存する兵力全てをかき集め、サラマド攻撃のための部隊が編成された。僕達はテロリストじゃない!勇者としてSKBEの攻撃を阻止するんだ!

僕達は正義の味方だ、絶対に敗けはしない!


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