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第53話 併結、炎上特急

◇◇◇夢◇◇◇



Snow Expressが現場に到着した時には、火は消し止められ、事態は沈静化に向かって降りました。

火災事故改め襲撃を受けた列車は、中間の1輌の一部が焼け焦げておりますが、走行には支障は無さそうに見えますが、どうやらTCAIのIFDが破壊されており、一部のデータ入力に問題があるそうな・・・


確かに、スノウ君とリアンお姉さんはよく運行の計画について話し合ったりしています。

どうやら、TCAI側単独では最終的な決断ができなくて、リアンお姉さんみたいな権限を持った人の了解を得ないといけない感じです。

まぁ、見てただけだから詳しくは分かりませんが・・・


って事で、IFDは列車に乗っている権限を持った乗務員さんとコミュニケーションを取るための重要なモノで、それが無いと列車を動かせないって事になるのかなってリアンお姉さんに聞いてみたら、〃よく見てるな〃って誉められました。


リアン

「・・・にしても、ひでぇ事しやがるなぁ。」


リアンお姉さんは、火災を起こしていた車輌に転がっていたIFDを抱き上げました。

青い髪のロングヘアーで私と同じぐらいの背格好の女の子でした。


リアン

「TCAIは心があるんだ・・・だからこういうのは許せないんだ・・・」


真理

「電撃の魔法みたいですね・・・ひどいです。」


紗綾

「人のやる事じゃないわね・・・心があるなら人殺しと一緒だとおもう!」


うん、ひどいよね、・・・二人をぬっ殺そうとしてた私が言えないかもしれないけど・・・

いくら機械って言っても、感情豊かなスノウ君とかをぶっ壊すのは気が引けるというか、私にはできないと思う。


「襲撃者の情報・・・」


とりあえず、どんな奴だったかは聞いとかないとね・・・まぁ、今までの情報でほぼ間違い無く美樹だと思うけど・・・


神奈

「この前のテロリストの情報と今回の目撃者の情報が一致したわよ。夢ちゃんがよーく知ってる娘ね♪」


「美樹・・・」


神奈

「正解♪」


やっぱりか・・・何か笑顔の愚姉がムカついたので、気晴らしにそのレバーを殴り付けながら何故そんな事をしたのか分からないか聞いてみたら凄い情報を教えてくれました。

お腹を抱えながら〃夢ちゃん酷い〃とか言ってましたが聞こえないふりしました。

私達がサラマド神殿に向かっている最中に、ジマラ山脈にある十字軍の拠点に対して攻撃が行われたらしいです。

そして、その攻撃の最中に勇輝と美樹が乱入し攻撃を阻止したそうなのですが、その際に勇輝が戦闘機の機銃掃射で蜂の巣にされ重傷を負ったとの情報です。

そして、その怪我を治療する為に使用する魔法は、美樹クラスの魔法使いが自前の魔力でどうにかできるレベルを遥かに超える膨大な魔力が必要になるのだそうです。

では、足りない魔力をどうするのかというと、外部から得るしかありませんが、ゲリラ戦を余儀なくされている彼等にそんな物はない、どうするか?

簡単です、無いなら奪えば良い・・・

丁度、魔力の塊といって良いマナルを満載した列車がある・・・んで襲撃と・・・


何というか、悪役街道まっしぐらじゃね?

ゲームなら主人公サイドは、襲撃やら騙し討ちやらかましても、自動的に正当化されます。

まぁ、敵側には主要キャラでもない限り、生活やら家族やらはおりませんのでそうなります。

・・・が、しかしこれは現実でございます。

モブさん達にも生活があり、家族があり、友人やらが居るわけで、それらを踏みにじるような行為が正当化される訳はないのです。

先に仕掛けたのは拠点攻撃を行ったSKBEなので強くは言えませんが、それはあくまで兵隊同士で行われる戦争であり、今回の襲撃の様に民間人を巻き込んじゃいかん訳です。


何だろう、厨二病全開で暴れても勇者にはなれずテロリストに転落とか残念でなりません。

やはり、何らかのバックアップを受けた状態で初めて勇者という存在が成立するって事かな。

私と愚姉は、SKBEというか双子達の後ろ楯があるから暴れてもある程度までなら正当化されます。

それの無い勇輝や美樹はどうなるのか・・・

頑張ってもテロ組織の英雄位にしかなれないでしょうね。

・・・てか、そもそも私は英雄になる気も、ヒーローになる気も無いんです。とっても面倒です。

できれば三食お昼寝付でサボりたい放題のお仕事ができれば幸せです。


と、考えているうちに、Snow ExpressとNorth Wideの連結作業が終了してました。

しかも、変換カプラーという特殊な部品を介して密着連結器と密着自動連結器が繋がるという不思議な状態です。

ジャンパ線も、変換コネクタで接続され、スノウ君の制御下でNorth WideのTCAIを制御して協調運転する態勢となっております。

スノウ君の話では、TCAI制御の列車同士ならTCAI間で情報をやり取りして上手い具合に出力調整をしながら協調運転ができるので、列車の世代や出力差に関係無く連結して運転できるそうです。

TCAIって万能じゃね?


そうこうしているうちに、列車は走り出し再びサラマド神殿に向かって走りはじめました。

砂煙を上げながら景色が後ろに流れていく車窓は、まるで砂の海を渡っているようでとても良い感じだと思いますが、揺れは最悪だと思いました。


そして、この先でも勇輝達がまた来るんだろうなと思うと正直うんざりします。

ま、紗綾と真理が居るのでそっちに丸投げの方向で・・・お仕事はサボる為にあるんです♪







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