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第4話 堕落の園と天使の執事

母親

「何でそんな事もできないの!!」


ひぃッ


父親

「お前は、出来の悪い姉とは違うんだ、しっかりしなさい!!」


む・・・無理です・・・


母親

「何回言ったら解るの!」


ごめんなさい!


父親

「だからそうじゃなと何回いえば!!」


出来の悪い娘でごめんなさい!でも一生懸命やってるんです!もう許してください!!


母親&父親

「夢!!」


ひぃぃぃッ

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・・









あれ?

どうやら夢オチだったようだ・・・ひと安心。

それにしても、最悪な夢だ、何せ私がひきこもりになる前の日常だったのだからね。

あの後、失語症になって、ひきこもりになって・・・これ以上は考えるのはよそう、悲しくなってきたし。


窓の外を見ると、草原を走っているらしく綺麗な朝焼けが見える。

ああ、壮大な大自然を見ると、さっきのが本当にちっぽけな事に思えて来る・・・少し感謝かなこの景色に・・・


♪~μスカイチャイム(セントレア発版)~♪


スノウ(車内放送)

「おはようございます。現在時刻は5時丁度、列車は定刻通りに走行中で、あと24分でフォーロムターミナルに到着致します。お降りのお客様は、お忘れ物等ございませんよう今一度ご確認下さい。この列車は、フォーロムターミナルで9時間24分の停車を予定しております。停車時間中に外出されるお客様は、乗り遅れがございませんようご注意下さい。」


♪~μスカイチャイム(セントレア発版)~♪


どうやら、次の駅で9時間以上停車するらしい・・・と言っても、ひきこもりの私が停車時間に街を観光するかといえば・・・無いね。


さて、どうやって時間潰そうか、そう言えばこの勢いで列車に乗っちゃったけど、ここが何処なのか聞いたりしてなかった気がする。

さっきの乗務員さんにきいてみるかな・・・

窓の外を流れる景色は、広大な草原から人の住む集落や畑に変わっていた。


コンコン


スノウ

「失礼致します。」


ドアをノックしたのは、スノウのようだ。

私が扉を開けると、スノウは深々とお辞儀をし、こう尋ねた。


スノウ

「守崎様は、停車時間の外出は如何されますか?」


うん、ひきこもりの私が外出する分けないので、首を横に降り、否定の意志を伝える。


スノウ

「車内でのお過ごしですね。」


通じたようだ。ひと安心・・・ついでにこの世界の解説もお願いしたいのだが、どうやって伝えようか・・・

失語症の私が相手に意志を伝えるのは容易ではない、さっきまでは幸いな事に、概ね肯定か否定かを伝えるだけでよかった。

恐らく、スノウが私の様子をみて、そうできるよう質問の仕方を選んでいたのであろう。

だが、こちらから何かを伝えるとなるとそうはいかない。さてどうしたものか・・・

私が考え込む仕草をしたとき・・・


スノウ

「ご利用になられますか?」


スノウが、ペンとノートを私に差し出した。

素晴らしい!貴方は、執事としてもやっていける!

感動しながらそれを受け取った私は、さらさらっとお願いしたい事を下記連ねた。


・この世界についてレクチャーしてほしい。

・何か代わりの服はありませんか?

・おなかすいた・・・


うん、図々しいにも程があるよね。

解っちゃいるよ・・・でも、困ってるんだからしょうがないじゃないと開き直り、スノウにお願いを書き連ねたそれをみせた。


スノウ

「はい、畏まりました。まずレクチャーについては時間がかかりそうなので、フォーロムターミナルに到着後に承ります。衣服については、フォーロムターミナルで調達するように手配致します。後、朝食ですね、フォーロムターミナル到着後、食堂車にてレクチャーと併せてという形で如何でしょう?」


私の図々しいお願いにも優しさ一杯のパーフェクトな答えでした。

見た感じ小学生位なんだけど、何て大人な対応なんでしょう。

しかも、天使さんの様な笑顔が眩しすぎて、浄化されそう・・・と、冗談は置いといて、〃ノートに宜しくお願いします〃と書く。


スノウ

「畏まりました。それでは後ほど放送でお呼び致しますので、食堂車にいらして下さい。」


スノウは深々とお辞儀をして部屋の扉を閉め歩いて行った。

なんでしょうか、この感動・・・ひきこもりの落園に優しい執事さん付き!!ついに私の永住の地(部屋で動いてますが、触れないであげて下さい)が見つかった!!確かこのパスは〃何処までも行ける〃って言ってたよね♪


アホな事を考える私を余所に列車は市街地に入り、併用軌道を馬車に混じってゆっくりとミュージックホーンを吹奏しながら走行中であった。


あれ?この旋律・・・μの赤いあんちくしょうが奏でてるあれじゃね?


"どーけーよーどーけよ"・・・って馬車相手に煽りまくってるよこの列車・・・



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