第41話 もふもふは正義です
◇◇◇夢◇◇◇
さっきから勇輝が斬りかかってきたのを、私がゾディークV3で弾き返すという単調な作業が続いております。
まぁ、リトナ君を長くもふもふしたい私が、攻撃してないのが原因なんですがね。
勇輝
「くそっ、何故だ!何故新たな力に目覚め無いんだ!」
何か勇輝の野郎が痛々しい事をほざいてますが、無視する方向で・・・スルースキルって重要だよ♪
・・・と言うより私は、リトナ君をもふもふするのに忙しいので、変な音声で邪魔しないで頂きたい。
リトナ
「やはり、片手では無理が・・・」
夢
「だ・・・大丈夫・・・だよ(汗)」
ヤバイ、リトナ君がめっさ不安そうな顔してるし・・・
ちょっと引っ張り過ぎちゃったかも知れないかな・・・
よし、今からちょっとだけ本気出そう!
勇輝
「主よ!我に悪を倒す力を!新たなる力を!!」
・・・何か、ヤバイ事言い出してるよ!
どこぞの頭のネジがぶっ飛んでいらっしゃる神父様のノリだだよ・・・遂にそっちの世界へ逝ってしまわれたのですね。
〃なーむ〃と、頭の中が残念な状態に成り果てた勇輝に心の中で手を合わせていると・・・
ゴゴゴゴゴゴ・・・
勇輝
「はははははは!主が僕の声に耳を傾け、新たなる力を授けたぞ!!」
ちょwおまw
何で覚醒してんだよ!お前ら主の成の果てが双子の邪神+本体なのに・・・思い込みか?
何かヤバイオーラ纏ってるし・・・
リトナ
「ゆ・・・夢殿・・・本当に大丈夫・・・なのか?」
夢
「大丈夫・・・だと思う・・・たぶん・・・」
何かこれ、よくアニメとかである主人公がピンチを、パワーアップで乗り切るアレじゃね?
・・・て、私は悪役かよ!ふざけんなボケ!
あいつは、今私が抱えている〃もふもふで可愛い生き物〃に危害を加えようとした極悪人ですよ?
その極悪人が主人公面して何してくれてるの?
とりあえず、その自分が主人公だから絶対に負けない的な幻想的を木っ端微塵にしてあげるよ!
私、片手で力一杯剣を横に振り、それにより衝撃波を発生させた。衝撃波は勇輝に向かって飛び、それを吹きとb・・・バカじゃばいの!なんで受け止めてるんだよ!そこは吹き飛ぶ所だろ!空気読めよ!!
勇輝
「勇者の僕にそんな技は・・・え?」
刀身を見て固まっておられます。
勇輝
「聖剣にヒビが・・・そんな」
そりゃね、アレを受け止めたら亀裂が入ってもおかしく無いわね。なんせ衝撃波なんで音速ですから♪
それに、桁違いの質量の物体(ゾディークV3)とぶつかりまくったしね。
ビックリさせやがって、本気で死亡フラグ建ったかと思ったじゃないかコノヤロウ!
とりあえず、方膝をつき茫然と亀裂の入った刀身を見ている勇輝に歩み寄り、ゾディークV3の刀身を突き付けチェックメイトです。
さて、名残惜しいですがリトナ君を降ろして・・・
チュドオォォォン!
そう思った瞬間、大規模な爆発が発生し吹っ飛ばされました。反射的にリトナ君を抱き締めて庇いました。
リトナ君を地面に降ろす前で良かったかな・・・
壁に叩き付けられ地味に痛いです。
これでも猫耳フード付きのパーカーワンピース型のチート防具でかなーりダメージは軽減されてる筈なんですけどね・・・
とりあえず、状況を確認です。
部屋はめちゃくちゃというか王宮の一部が吹き飛んで、お外がよく見えます。
そしてお外には、美樹と対峙する愚姉の姿が・・・
あんたらがやったんかい!
その他、近衛兵さん達やラタナお姉さんは奇跡的に無事なようです。
まぁ、どうでも良い事ですが、勇輝の姿が見当たりませんね。私としてはくたばってくれてた方がロングバケーションが近づくので嬉しい限りなのですが・・・
絶対に生きてるんでしょうね・・・本当に〃台所の黒い悪魔〃並みに鬱陶しいとおもいます。
何はともあれ、愚姉の方が片付くまで、震えてるリトナ君をなでなでするついでに、倒れてる人達の治療をしておきましょう。