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第40話 初恋ともふもふ

◇◇◇リトナ◇◇◇


姉上と近衛兵達を蹴散らし勇者が迫って来る。

何か手を打たねばならぬが、あの姉上ですら一瞬で蹴散らしてしまう相手・・・

この非力な私が如何様に迎え撃とうとどうにも成らぬ。

だが、それでも王子として王族として敵に背を向ける事は、民への裏切りだ私は思う。


姉上には申し訳ないが、私は逃げる訳にはいかない。


〃敵に背を向ける者に王を名乗る資格はない〃


私は己の首を取られる覚悟を決め、勇者と対峙した。


〃王族の誇りを汚してはならぬ!誇り高く散る時なのだ!〃


そう恐怖に心を乗っ取られそうになる自分に言い聞かせ、勇気を奮い立たせていたその時だった・・・


「リトナ・・・下がって」


夢殿が私を庇う様に前に出て、勇者に立ちはだかった。


勇者

「邪魔するなぁ!」


勇者が目に求まらぬ速さで跳躍し夢殿に迫る!

いけない!夢殿は我等王族とは無関係、巻き込む訳にはいかない!


〃夢殿!逃げろ!〃


私がその言葉を発する前に、勇者の剣が一閃・・・


〃しまった!〃


そう思った時、


ガンッ


重たい金属音と共に、起こった目の前の光景に唖然としてしまった。

いつの間にか夢殿は、その身長の何倍もある漆黒剣を片手に持ち、勇者の剣を軽々と受け止めていたのだ。


そして何か一言勇者に呟き、勇者が姉上にしたようにをれを蹴り飛ばしてしまった。


そこでようやく私は思い出した、夢殿は邪神殿が召喚した黒剣士であったことを・・・

そして勇者に対抗する事ができる存在であったことを・・・


リトナ

「で、何故私の耳を・・・」


「手数料・・・」


夢殿が私の耳を楽しそうに触っている。

感動が台無しだ・・・

何故、夢殿は私の耳を触りたがるのか・・・

耳は敏感に場所でこの様に触られると、変な気分になるのでやめて欲しいのだが・・・

助けて貰った手前、拒否する訳にもいかない。


勇者

「僕は勇者なんだ!絶対に負けないんだ!」


勇者が叫び声と共に立ち上がった。

その瞬間、ふざけていた夢殿の表情が真面目なものに切り替わった。

そして、


「私にしがみついて・・・このままだと剣を振り回せない・・・」


リトナ

「し・・・しかし・・・」


女性にしがみつく?

絶対に出来ない・・・いや男子としてそれはやってはならぬ事だ!しかし・・・


「時間が無い・・・急いで・・・」


躊躇する私に構うこと無く、夢殿は姿勢を低くし私を抱き寄せた。身体が密着し、それと共に顔が熱くなっていく。

恐らく、私の顔は今ゆでダコの様に真っ赤になっているだろう・・・恥ずかしい。


「はやく・・・」


穏やかな口調で、私を急かす夢殿・・・なぜこの娘は平気なのか・・・このまま躊躇していても仕方がないので、私は恐る恐る夢殿の首に手を回す形でしがみついた。


「しっかり掴まってて・・・」


夢殿の片手が私を落とさぬよう添えられた。

まさか、片手で勇者と戦うつもりなのか?

私の為にそんな無茶はさせられない!


リトナ

「夢殿!それでは片手が・・・」


「あれくらい片手で十分・・・」


リトナ

「しかし・・・」


「大丈夫・・・平気」


リトナ

「・・・・・・・」


押し切られてしまった。

心配なのだが、ああも自信満々で言い切られてしまっては反論も出来ない。


〃仕方がない〃


そう思い振り落とされぬように、しがみつく手に力を入れた。

密着した身体を通じて、夢殿の温もり、息遣いが感じられる。そしてそれは、私の心をかき乱していく・・・

そして、顔が更に熱くなり、変な気分になっていく。

何故だろう、夢殿に耳を触られてから彼女の事が気になって仕方がない・・・私に向けられる視線、表情全てが気になりドキドキする。

一体これは何なのだろう・・・とりあえず、赤面しているのを知られるのが恥ずかしいので、顔を埋めてそれを隠した。


◇◇◇夢◇◇◇


もう最高の気分でございます♪

リトナ君のお耳をふにふにするだけで我慢と思ってたら、抱っこするチャンスに恵まれました。

本人は隠してるつもりみたいですが、赤面するケモショタとか私の大好物です。しかもそれを必死に隠そうと顔を私の肩に埋めてる仕草とか、鼻血が出そうなくらい可愛いです。


そして、状況的に私はリトナ君を触り放題!もうここぞとばかりに触り貯めしとかないとね。

って事で、左手でリトナ君を支える振りをしつつ服越しの〃もふもふ感〃を堪能しております。

まぁ、片手で戦わなきゃいけませんが、ゾディークV3のチート機能で片手で簡単に振り回せるし、相手がこの前倒した勇輝なので大丈夫でしょう。更に今回は第1形体の短剣から第2形体の巨大な剣です。

超がいっぱい付く位余裕です。


・・・という訳で、さっさとぬっ殺・・・いやちょっと待った、折角リトナ君を思う存分もふもふできるんだから、ゆっくりじわじわと殺らないとね♪


立ち上がった勇輝はこちらの様子を伺っているようで、攻撃してこないみたい・・・それならこちらも、〃リトナ君をもふもふ〃しながら様子をみる事にしましょう。

ああもう、この〃何とも言えないもふもふ〃最高です♪


リトナ

「夢殿・・・さっきから手が・・・ひぅっ」


「もふもふ・・・」


リトナ

「も・・・もふもふ・・ひっ・・とは?」


「ひみつ・・・」


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