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第32話 許すつもりはない

紗綾

「うわぁぁぁぁ!ゆめぇしねぇぇぇ!!」


何か紗綾が錯乱状態で私への呪詛の言葉を叫びながら暴れております。

全く、正気を失った人は厄介ですね。


なぜ、紗綾がこうなったかはさっきのスプラッター劇場が主な原因ですが、引き金は私が〃ドッキリ成功〃のプラカードを持って登場した事っぽいです。

私のプラカードを見るや紗綾は〃へ?どっ・・・きり・・・?〃と呟き間抜け面で、固まるという大変良いリアクションをしてくれました。

今思い出してもあの間抜け面は思わず笑いが込み上げてくるレベルです。


そして、状況に理解が追い付かないといった状態でしばらく呆けておりましたが、にやけ顔でプラカードを持つ私やら、ひと仕事終えて帰ろうとするスプラッタートリオやら、ゲラゲラと笑い転げるラズと大体の状況は理解できる材料は揃っているわけで・・・

状況を推察し理解するや否や、顔を真っ赤にして泣きわめきながら・・・というか恥ずかしさで半狂乱の状況となり、プラカードを持っていた私に斬りかかってきた訳です。


まったく、主犯のラズを差し置いて、共犯の私に襲い掛かるとは、迷惑千万ですね。

まぁ、半狂乱の紗綾の攻撃は大振りで簡単に避けられますし、避ける度にさっきの醜態をネタにからかってあげると、火に油を注ぐが如しと大変良いリアクションが返ってきて煽りがいがあり、大変愉快ではありますが・・・

しばらくたって、それも飽きてきた所ではあります。


そう思っていると、再度懇親の力で私を斬りつけようとした紗綾の足が縺れ、バランスを崩したかと思うと、そのまま突進する勢いに乗ったまま、見事なヘッドスライディングが決まりました。

その後、何度か立ち上がろうと頑張る紗綾でしたがどうやら、考え無しに暴れまわった結果、体力的限界を迎えた様で、全く立ち上がる事ができないようです。


紗綾

「うぅ・・・グスッ・・・」


何か泣いちゃったみたいです。

まったく、ぬっ殺されなかっただけでも感謝してほしいところなのに、泣き出すとは何事?

これじゃまるで私が悪いみたいじゃないですか・・・

私を自殺に追い込んだ癖にその被害者面は何なの?

あんたらに、散々ひどい目に合わされて泣くのを我慢して耐えてた私は何なの?

その私がちょっとやり返しただけで泣くとか意味が分からない・・・というか私の神経を逆撫でするだけで気分が悪いので止めて頂きたいです。


「・・・泣き声・・・うるさい・・・とても不愉快・・・・」


普通の展開なら私がやり過ぎたと反省するのでしょうが、残念ですが反省する所か紗綾への怒りが沸いてくるだけです。

むしろ、泣くことで私を悪者にしようと企んでる様に思えてきます。


ゴスッ


紗綾

「ひぐっ・・・ゲホッゲホッ」


腹が立ってしょうがないので、思いっきりストンピング食らわしてやったら、少しもスッキリしました。


紗綾

「ゲホッゲホッ・・・どうして・・・こんなこと・・・するの?ゆめ・・・グスッ・・・」


ここへ来て、それを言いますか?

まぁいいよ、それならちゃんと教えてあげるから。


「おまえ達が・・・殺した・・・」


紗綾

「へ?」


何ですか?そのきょとんとした顔は?私は知らないですみたいな反応は?

・・・なら、もう一度言ってあげるよ、分かりやすくね。

おもむろに私はしゃがみ込み、紗綾の前髪を鷲掴みして、力一杯引き上げた。

ブチブチと何本か髪の毛がちぎれる感触と〃ギャァァ!痛い!止めて!〃と紗綾が泣き叫ぶ声・・・そのどちらも無視して私は紗綾の耳元でささやいた。


「おまえ達が・・・私を・・・自殺に追い込んだ・・・」


それを聞いた紗綾は、一瞬固まり・・・そして


紗綾

「違う!私は違う!虐めてたのは美樹達で私じゃない!!」


へー、私は関係ありませんと・・・

散々私の陰口言いまくって・・・

虐めのきっかけを作ったのに・・・

それを無関係って言うのかよ!


私は、全体重を乗せて力一杯に紗綾の顔を地面に叩きつけた。


ゴシャッ


紗綾

「~~~~~~~っ!!」


嫌な音と感触と共に、紗綾は声にならない悲鳴をあげて顔を押さえながら転げ回った。

うん、悪役っぽいね私・・・実際被害者なんだけどね・・・まぁ、物理的にやり返したらある程度スッキリしたし、トドメの一言で今日は勘弁してあげましょうかね。

私は転げ回った後、グッタリしている紗綾に歩み寄り、耳元でこうささやいた。


「許すつもり・・・無いから・・・」






とりあえず、夢ちゃんを良い子として描く気は毛頭御座いませんので悪しからず。

むしろ、虐められてた関係で、性格はかなり屈曲すると思うので・・・

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