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第30話 スプラッターの序曲

ラズロット

「この先の一角を使える様にしてもらったのです♪後は誘い込んで結界を張ってから遊ぶですよ♪」


ラズがとっても楽しそうです。

どうやら、この先の市街地の一帯を使って捕獲するみたいです。

街の一帯を貸し切りで使うとか何気に凄くね?


ラズロット

「それじゃ、ステージに移動するのです♪」


ラズがひょこひょこと飛び跳ねる様に歩き始めたので、私もトテトテと遅れないように付いていきます。当然、手に持った串焼きをはむはむしながら・・・うん美味しいです。



◇◇◇紗綾◇◇◇


あいつが歩き始めたのでので見付からないように後をつける。

どうやら、ゴスロリ服の小さな女の子と一緒にいるみたい・・・といっても、小学生体型のあいつより少し小さいくらいだが・・・


それにしても、あいつが美味しそうな串焼きを食べながら楽しそうに話しているのには腹が立つ。

ここ最近は、硬いパンとスープしか食べていない・・・それでも、地下教会地区ではかなり良い食料らしい・・・そして、この市場で私はとても惨めな思いをして耐えているのに・・・なんであいつは楽しそうに笑えて、美味しそうな物を食べられるの?


〃夢の癖に・・・〃


黒い感情が次々と沸き上がって来る。

そもそも私達勇者は、圧倒的な力を持った存在で、絶対に負けることが無いはずだった。

当然、王宮の襲撃作戦も私達勇者が力押しで簡単に成功するはずなのだ・・・あいつさえ居なければ!


そうだ!悪いのは全部夢あいつなんだ!私達が汚泥まみれの街で息を潜めなければならないのも、ここで惨めな思いをするのも全部夢あいつのせいなんだ!


そう思い始めると、あいつを倒さないと私達の幸せな未来がない・・・いや、あいつに全てぶち壊されそうに思えてきた。


・・・そんなことさせない!どんな手段を使ってでもあいつを倒さないといけない。

その為には、あいつの居場所をまず突き止め

ないと・・・後は、勇輝や美樹と真理に相談して倒せる方法を考える。

まともに戦って勝てる相手じゃない事は、この前思い知った・・・

勇輝は嫌がるかもしれないけど、勝てるならどんな卑怯な手も使うつもりだ。


勝たないと私達の未来がない・・・勝たなきゃいけないんだ!



◇◇◇夢◇◇◇


市場を離れ、人影の無い旧市街にまでやってきました。ラズの話では、この旧市街は再開発のためSKBEが買い取った場所で、現在は封鎖され誰も居ないゴーストタウンになっているんだそうです。

ちなみに、来月から工事が始まりターランの失業者がほぼ0になるくらいの規模なんだとか・・・

どんだけ金持ちなんだよSKBE・・・


それは置いといて、紗綾は相変わらず付いてきています。

いくら何でも、こんな所まで来たらバレるんじゃ?って心配しましたが、どうやら周りが見えない目暗さんの様ですね。


ラズロット

「さてと、それじゃラズ達は見物席に移動するのです♪」


ラズはそう言うと、指をぱっちんと鳴らしました。

すると、私とラズの身体がこの前の夢の中の様な真っ暗な空間に転送されました。


空間の中には、ティーセットやお菓子が準備されたお馴染みの白いテーブルと2人分の椅子が用意され、その近くに浮かんだ状態の壁掛け型のテレビには、私達が突然消えて慌てている紗綾の間抜け面が映っています。

成る程、ここでゆっくりと紅茶を飲みながら、色々仕掛けて遊ぶんですね♪

ラズさん、GJ!


ラズロット

「それじゃ、まずは結界で出られない様にするです♪」


ラズはそう言うと、虚空に複雑な術式を描きはじめた。鼻歌混じりにそれを描く姿は、落書きを楽しむ子供の様ですね・・・描いてるものが非常にヤヴァイものではありますが・・・

それはおいといて、描き終わった術式は、光を発し何処かに飛んでいきました。

行き先は勿論、紗綾の居る旧市街でしょうね。

テレビに映る紗綾が〃何・・・これ〃とか言って驚いてる。

よく見ると、さっきまで昼間だったはずの旧市街が夜になってます。


ラズロット

「こういうのは、雰囲気が大切なのです♪」


何だかなぁ・・・と思う私を他所に、ラズが更に術式を描くと、そこから3人が出てきた。

耐火服に身を包み火炎放射器をもったサイコ風味のおっちゃん、チェンソーを持っている凶悪そうな顔をした細身のピエロ、無表情で大きなまさかりの様な斧をもった太めのピエロ・・・えーと何処のスプラッター映画ですか?


ラズロット

「ラズの魔力で壊れても直ぐに再生するゴーレムさんなのです♪」


つまり、倒されても直ぐに再生してムクリと起き上がってくるスプラッター型ゴーレムって事ですね・・・メチャクチャ怖ぇーよそれ!


ラズロット

「スプラッターごっこだから怖いのは当たり前なのです♪」


うわぁ、めっちゃ良い笑顔だよ・・・

・・・ま、やられるのが紗綾だから良いか、どんなアホ面で泣きわめくのか滅茶苦茶見てみたいしね。


ラズロット

「夢たんのドSさん♪」


「お前が言うな!」


ラズロット

「それじゃ、スプラッター劇場の始まり始まり♪」


「パチパチパチ(拍手)」


ラズの言葉と共に、3体のスプラッター型ゴーレムは旧市街に転送されました。

なんかワクワクしてきたかも♪

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