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第28話 砂漠の世界シャール

世界の真実というか現状を知った私の感想・・・

ぶっちゃけどうでも良いです。

ただ、勇者をぶち殺せば休みたい放題って所だけは大変魅力的でした。

私のロングバケーションの為の生け贄は、勇輝以下4名の勇者の命・・・破格の安さですね。更に幸いな事に私は彼等が反吐が出るぐらい大嫌いです。よって心も痛みません。いやむしろ晴々しそうな気がします。


それじゃ一端お部屋に戻ってマッタリ休憩タイムとなる筈だったのですが、勇者の発見の一報によりマッタリ休憩タイムはおあずけとなりました。

おのれ勇輝共め!すぐさま見つけて血祭りにあげてくれる!

私のマッタリ休憩タイムを妨害した罪は重罪です!判決は死刑ですね♪


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



さてさて、勇者が発見発見されたのは砂漠の広がる世界にある獣人達の王国〃カ・シャール〃の首都〃ターラン〃である。

私と愚姉、双子はSnow Expressで36時間かけてこの街に移動し、現在はターミナル駅前に立っております。街はイスラーム建築風で、街角では瓶を囲んで水タバコを吸っているターバン姿のおっちゃん達や、新月型の飾りの着いたムスリム(イスラム教の未婚の女性が着る全身を覆う服装)を着た若い女の人の姿なんかが見れます。

うん、中東のイスラム世界だね♪

ただ、私の中でのイスラムのイメージは〃الله أكبر(アッラーは偉大なり)〃と叫びながらロケットランチャーぶっ放つ人達って感じだったのですが・・・それは一部の危ない人達だけで、かなーりの偏見だった様です。

というのも、道路は綺麗に石畳で舗装され、ゴミひとつ落ちてないくらい綺麗です。あと、街の雰囲気が平和そのもので、私の中のイメージとは正反対の世界が広がっております。

砂漠の世界と聞いていたので、水に困る気がしていたのですが、街の中心部に巨大なオアシスがあり水がふんだんにあります。

更に上下水道完備という情況で街の何処に居ても困る事はないそうです。


そして、これから何をするかというと、双子達が街を散索するのでそれのお供です。

人混みに関しては、この世界の人だと問題無いようです。・・・というのも、みんな動物っぽい顔なので全然恐くないです。むしろ癒される感じで・・・

どうやら私の群衆恐怖症は、人間限定だったようです。

それなら怖いものなんてありません。

双子達と一緒に街の散索を楽しむ事にしました。



◇勇輝◇


ターランの地下に広がる下水道・・・

そこには、かつてこの世界を邪悪な種族から解放するために派遣された十字教会の兵士達の生き残りが息を潜め暮らしている。

そしていつからかそれは地下教会地区と呼ばれるスラム街となった。

地上の街とは正反対で、衛生状態は最悪で汚物まみれの街である。

そんな街の中心部にある比較的綺麗な建物があり、そこに勇者達、勇輝、紗綾、美樹、真理が滞在中である。


比較的綺麗なとはいっても、外の最悪の環境との比較であり、綺麗な場所とは言い難くむしろ不潔といっても良い。

当然現代の日本で暮らしていた4人には耐え難い環境である。



勇輝

「何とかなりませんか?このままじゃ戦う前に参ってしまいます。」


初老の神父

「とは言いましても・・・迂闊に動けば・・・」


勇輝は白髪混じりの初老の神父と交渉していた。

この初老の神父こそが、この世界における十字教会の最後の砦とも言うべき地下教会地区を受け持つジャミル神父である。


交渉の内容とは、地上の街の偵察に行かせて欲しいというものである。

何故なら、勇輝はまだマシだが他の3人の女性陣がこの劣悪な環境に参ってしまっているのである。

そこで、勇輝は地上の街に行けば気分転換になると考え、偵察という目的で地上の街に出る許可を得ようと交渉しているのであるが、ジャミル神父はそれに難色を示しているのである。


無理もない、勇輝達勇者を(かなめ)とした、王宮襲撃作戦が間近に迫る中、勇者達の存在を敵に知られる訳にはいかないのである。

故に、地上の街に出るという危険は避けたいのであるが、ここで勇者達にへそを曲げられても困る。


そこで、ジャミル神父は1つの妥協案を示した。


ジャミル神父

「貴殿方が勇者だとバレるのは非常に危険です。でから、これを着て外に出て頂きます。」


ジャミル神父から差し出されたのは、4人分のみすぼらしいフード付きのマントであった。

つまり、マントのフードで顔を隠して行動しろと言うことである。当然外は砂漠の街でこんな格好をすれば暑さでやられてしまうが、背に腹は変えられないので、勇輝は渋々それを承諾した。


余談だが、砂漠では水分の蒸発を防ぐために全身を覆う服装が鉄則なので、ジャミル神父が渡したそれは、間違いでは無い、いやむしろ砂漠に合わせた服装だったのだが、現代日本の常識ではあり得ない服装となる。

そして、それを持ち帰った勇輝は女性陣3人の非難の矢面に立たされ釈然としない気分になったのは言うまでもない。


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