第27話 封印と双子
始祖神を封印は次のように行われた。
先ず、始祖神の意思を司る精神体を2つに分離し、特に大きな器を持っていた双子の子供の精神体と融合させて封印する。この段階で双子の邪神ラズロットとリズロットが生まれた。
このままだと、いずれ始祖神の精神体は双子の身体を抜け出し元の身体に戻ってしまう。
それを防ぐために特殊な結界で双子と始祖神の精神体が結合する力を維持しなければならない。
そしてその結界がSKBEが管理する路線網なのである。だがそれでも封印は完璧ではない、何故なら始祖神の肉体は再生を続け、精神体を引き寄せる力が強くなっていくのである。そこで始祖神の肉体から特殊な装置を使い魔力を吸い取り再生を妨害するのである。そしてその過程で精製される副産物があのマナル燃料なのである。
暗黒神殿がSKBEにマナルを提供する代わりに路線網の拡大を要求している理由が良くわかりました。
全部始祖神の封印を維持する為だったんですね。
ラズロット
「ただ、封印は完璧じゃないのです。」
え?魔力を吸い取って再生を妨害・・・
もしかして、妨害され続けると、再生する力が強くなる?
リズロット
「正解なのだ・・・だから路線網を拡大し続けてマナルを消費しつつ、結界を強化し続けなきゃいけないのだ。」
ねぇ、それだと何時かは破綻しちゃうよね?
その前に何か手を打たないといけない的な情況だよね?
ラズロット
「試算では後100年位は大丈夫なのですが・・・」
リズロット
「SKBEの路線網が致命的な損害を受けた場合はこの限りではないのだ。」
つまり、今の所は100年位の保障ができるけど、十字教会に路線網の結界を破壊された場合は最悪明日にでも世界全てが始祖神に飲み込まれると・・・
ラズロット
「まぁ、結界に組み込まれた線路は、状態が固定されるのです。」
リズロット
「通常の方法では破壊できなくなり、傷む事もなくなるのだ♪」
つまり、振子列車がカーブを猛スピードで走り抜けようとも、超重量級の機関車が爆走しようとも、はたまた線路を空爆されようとも、絶対に線路が壊れたり傷んだりする事は無いと・・・簡潔に言うなら、保線予算要らずの半永久的なメンテナンスフリー状態・・・・何それスゲー!!
つまるところ絶対に破壊されない結界と・・・なら、何で二人は結界が破壊される可能性を言及したんだろう・・・
リズロット
「通常の方法では破壊できないだけなのだ・・・」
通常の方法・・・ああ通常じゃ無い方法なら壊れると・・・
私を黒剣士にした経緯から考えて、7大天使の召喚した糞勇者の4人で、恐らく路線網もしくは双子に致命的な損害を与える事ができる特別な力を持っているって所かな・・・それなら凄く納得できるね。
ラズロット
「模範解答なのです♪勇者として召喚されたエアールの人間は、ラズ達の情報改編を受け付けないのです。」
リズロット
「力押しで問題はないと思うけど、万が一が恐いのだ。」
成る程ね、結界の要の二人が失われると結界は崩壊すると・・・
それで愚姉と私を勇者対策にってことね。油断して足元すくわれたら目も当てられないからね。
そういえば、情報改編って言ってたけど・・・
ラズロット
「文字通り、好き放題に情報を書き換えられるのです。例えば、夢たんの持ってるゾディークV3は作用する物理法則の情報を改編してるのです。」
リズロット
「他にも、そこに存在するっていう情報を改編して、存在しないっていう情報にしちゃって消滅させたりできるのだ♪」
どうやら、ラズとリズは特別な力で世界を構成する情報をゲームプログラムの様に好き放題改編する事ができるようです。
何そのチートコード!
チート能力所の騒ぎじゃないよ!チートコードそのものを使ってチート能力を好き放題、自由自在に使うことができると・・・チートの総合商社いや総本山だったみたいです。
・・・前言撤回、私等要らんじゃん!
まぁ、私的にはおいしいお仕事だから続けるけどさぁ・・・
要は、チート完全武装の邪神様の護衛っぽい事をする簡単なお仕事って認識で良いのかな・・・
ラズロット
「大体合ってるのです。」
リズロット
「後は勇者に気を付けるだけなのだ♪」
勇者ねぇ・・・勇輝達のご一行ならこの前ぶちのめしたんだけど、他にも居たりするのかな?
101匹勇者様御一行とかやられたら洒落にならん気がするけど・・・
ラズロット
「呼び出す時に膨大な力が必要で、儀式も複雑怪奇で面倒だから量産は無理だと思うです。」
成る程ね、じゃぁ勇者(量産型)の心配は要らないんだね。んじゃ、勇輝達をぶち殺せば暫く私は暇になって休み放題って事だね。
リズロット
「そうなるのだ♪」
ちぃ、失敗した・・・
この前会ったときにぶち殺しとけば良かった。
ま、次に来やがった時にぶち殺す予定だしまぁ良いか♪
負ける危険なんてこれっぽっちも無いし、チートプレイでボスキャラを軽く捻る感じで殺りますかねぇ・・・